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スタッフレポート

スタッフによるレポートを掲載しています。

「口腔粘膜異常~口腔粘膜診査における4つのPoint~」について、勉強会で発表して

 

 異常を察知するための診査項目は4

①口腔の構造・病変の部位

②病変の色

③表面形態・症状

④発症状況

     

歯科医師に報告するときには、患者さんに対して不安を与えない会話や

態度が大切。

 

 

Point, 口腔の構造と病変の部位を知る

口腔診査の前に、まずは口腔のつくり(構造)と各部位の名前を知る。

WHOによる口腔内の解剖学的分類…歯・歯肉、口唇、頬粘膜、

                 口蓋、舌、口底

口腔内の正常組織像を理解しておくことも大切。

 

◆上皮は基底層から角化層へと2~3週間かけて変化し、最後は垢として  

 消える。

→「3週間経っても治らない病変は、悪性腫瘍や難治性口腔粘膜疾患

を疑え」

◆上皮下の組織「粘膜固有層」には小唾液腺や味蕾などの付属器官が存在

 する

◆上皮の各細胞層、粘膜固有層、小唾液腺に病変が発症すると、口腔粘膜

 の色調や表面性状、形態に変化が見られる。

 

 

Point, 口腔粘膜病変・変化のいろ(色調)をみる

  口腔粘膜の病変・変化を診たとき、最初に飛び込んでくるのが

  「いろ(色調)」の変化。

→これらは表面の形(症状)と対応することが多い。

 

いろに関係する病変

赤…萎縮、紅斑、局所の炎症症状などと関連。

白…角化亢進、炎症にともなう落屑、カンジダ症(真菌感染症)など

  と関連。

黒…内因性色素(メラニン、ヘモグロビンなど血清色素)、外因性

  色素(歯科用金属など)と関連。

黄色…皮膚の皮脂腺が口腔粘膜に生じた変化のフォーダイス斑と

   関連。

茶色・グレー…上記色調の混合などと関連。

 

 

Point, 口腔粘膜病変の形、表面形態(症状)の変化をみる

表面の形が平坦か、隆起しているか、陥没しているかについて診る

①平坦な場合:色素斑、紅斑、萎縮、舌苔、偽膜、剥離

②隆起している場合:角化亢進、腫瘤、腫瘍、腫脹、水泡、肥大、

          結節、丘疹、ポリープ、膿胞

③陥没している場合:びらん、潰瘍、アフタ

 

黒色斑…メラニン色素の集まり。

紅斑…血管の集まり(透けて赤く見える)。

萎縮…組織体積の縮小状態。

角化亢進…角化層の増加。通常は白斑。

水泡…浸出液の集まり。

腫瘤・腫瘍・腫脹…組織の限局した増大。境界が明瞭。

びらん…上皮の一部欠損。

潰瘍…上皮の全層欠損。

 

口腔粘膜病変の症状は、お互いに変化しやすく、最終的には潰瘍に収束す

る傾向にある。

→もっとも典型的な病変を知る必要がある …そのためには、詳細

 な問診や粘膜の変化の精査が必要。

 

 

Point, 発症状況をみる

発症状況には  ①口腔粘膜に限局した固有の病変

        ②皮膚疾患や他部位の粘膜(眼、外陰部、咽頭、食道

         など)の病変と関連した病変

        ③内臓疾患など全身疾患の部分症状

などの種類があげられる。

                

経過、自覚症状、既往症、服薬状況などの情報を得ること

によっても発症状況の判断が可能。

 

赤い舌…シェーグレン症候群の口腔乾燥症からくる舌乳頭の萎縮による

    赤い平らな舌。全身疾患の部分症状。

黒い舌…舌の黒色の変化(黒色斑)。生検による病理組織学的所見は

    メラニン色素沈着症となった。

角化からくる白斑…白色を示す舌の病変。最終診断は口腔に限局する

         扁平苔癬となった。

(扁平苔癬は他部位の粘膜にも発症する)

頬粘膜の黄色い隆起…皮膚の皮脂腺が異所性に口腔粘膜に生じたフォー

         ダイス斑と関連した黄色変化。治療の必要はない。

口底の隆起…下顎左側の骨様硬を示す隆起。診断は下顎隆起となった。

      為害作用がある場合切除される。

歯肉の白斑…上顎右頬側歯肉の白斑。白板症と診断され、数年後に

      悪性化(扁平上皮癌)に移行。

 

 

【感想・考察】

   日々の診療の中で、口腔粘膜の異常を訴える方は少なくありません。

大半は擦過傷であったりアフタであったりと時間の経過とともに自然

治癒していく場合が多いですが、口腔の変化や病変は時として全身疾患の部分症状としてみられることもあります。

患者さんご本人以上に口腔内をよく目にする機会のある私たちDHが、いち早くその変化に気付いていくことが大切だと感じました。

先月のミーティングで「メインテナンスでの口腔がん診査」について

とりあげられていましたので、それと合わせて今回のレポートの内容を頭におき、診療にのぞんでいきたいと思います。

                      衛生士 西内寛恵

 

  2012/05/06   ふくだ歯科
タグ:口腔粘膜

「義歯ケア~長く快適に使用してもらう為のヒント集~」について、勉強会で発表して

義歯は、失った口腔の機能を補う身体の一部であるが、歯を失ったという喪失感もあり、それまで自分の歯で食事が出来ていた感覚とはやはり異なるでしょう。それでも適切なケアや対応によって、患者さんは義歯を受け入れ、長く快適に使用することが出来る。

高齢者は口腔領域の適応能力が低下している為、新しい義歯に対する「慣れ」には時間がかかる。また、今までの経験に基づいた思い込み、こだわり、好ましくない習慣・使用法は、新しい義歯を受け入れづらくさせる。しかし、そういった患者さんの経験を頭から否定するのは禁物で、「こうすればより良くなる」とアドバイスするスタンスが大切となる。「見た目が良い」「浮き上がらない」「しっかりしている」など、新しい義歯の良い点を前面に出して説明し、意欲を呼び起こしていく事も良い。

患者さんには起こりうる不快症状(痛み、発音の困難、唾液量の増加、嘔吐感など)をよく理解して頂き、的確な義歯調整によりステップ・バイ・ステップで「慣れる」「なじむ」を実感して頂く事が大切。

 

義歯に満足いただく為の新しい義歯の装着の指導ポイント

 ◆高齢の方が理解しやすいように、指導の要点を簡潔にまとめた指導説明書 

  を用いる。

 ◆あらかじめ起こりうる症状(特に疼痛をともなう事)をお伝えし、柔らかい口腔内に義歯をフィットさせる為には装着後の調整やメインテナンスが必要であり、「入れて終わり」とならない事をご理解いただく。

 

義歯洗浄

 ◆原則毎食後に歯ブラシや義歯用ブラシなどで刷掃しながら流水で水洗い   

  すること。

 ◆研磨剤による義歯の磨耗を防ぐ為、義歯用でない歯磨剤は使用しない

 ◆落下時の破損を防ぐ為、水を張った容器の上で行うと良い。

 

 

義歯洗浄剤への浸漬のみでは、洗浄成分がプラークや油分に阻まれて

ほとんど効果が得られませんので、ブラシ刷掃をしてから行うのが

基本。

 

保管方法

 ◆ヌメリ・臭い・着色を除去する為に、義歯洗浄剤を併用すること。

 ◆義歯劣化の原因となる為、60℃以上の熱湯をかけたり、浸したりする

  ことは厳禁。

  (乾燥も義歯劣化の原因となるので、乾燥させないこと。)

 

夜間の義歯装着について

 ◆原則として夜間就寝時は義歯を取り外し、湿り気のある状態で保管する。一晩、義歯洗浄剤に漬けておいても良い。これは装着したままだと残存歯周囲の自浄性が阻害され、菌が繁殖したり、床下粘膜の圧迫が解放されず、うっ血状態が持続するなどの悪影響を避ける為。しかし、「すれ違い咬合」や「多数歯欠損」のような場合は、あえて義歯装着を指示することもあるが、就寝前の徹底した義歯および口腔内の清掃指導が重要となる。

 

(感想)

  新製義歯の説明と指導は、私たちも行うことがある為、今回この内容を取り上げてみました。この内容を参考に、患者さん一人一人の状況をよく把握し、的確な指導で、心地良く義歯と付き合って頂けるよう応援していきたいです。                                 

                       衛生士 千田

 

  2012/04/26   ふくだ歯科
タグ:義歯

「はじめよう!メインテナンスでの口腔がん診査」について、勉強会で発表して

        口腔がん診査Q&A解説 ~はじめる前にこれだけは理解しておこう~

 

歯科医院における口腔がん診査の導入について

Q1 口腔がんは、大学病院の先生など専門家が発見するものではない     

   でしょうか?

   がんは病理検査によって診断するもので、口腔がんに似た粘膜疾患は多々あるので、一般の歯科医院で口腔がんを発見することは難しい。

   しかし、口腔粘膜の異変は、歯科医院でも発見できる。なんらかの異変に気づくことが重要。

 

Q2 なぜ歯科衛生士が診査をする必要があるのでしょうか?

   歯科衛生士だけでなく、歯科医師も含めつねに医院のだれもがチェック

   するのが理想。歯科衛生士は、問題のあるところだけでなく問題のない

   部分も含めて全体的に診ていくことができる。定期的に患者さんを診て

   いくメインテナンスシステムも粘膜の変化に気づくことができる大きな

   ポイント。

 

Q3  何歳以上の患者さんで診査を行うべきでしょうか?

   特に注意してほしいのは、50歳以上の方、喫煙者や飲酒を好まれ方。

   全身を含め、がんの既往がある方。胃がんや食道がんの既往のある方は特に注意が必要。

 

Q4 口腔がんの診査を行うことに対し、患者さんは驚きませんでしょうか?

   口腔がんの診査を行うなどと言う必要はない。「歯や歯周組織と一緒に粘膜も診ていきます」と伝える。粘膜の診査は、口腔内だけでなく口腔周囲や首にも及ぶので、前もって、診査を実施する部位(首、頬など)を逐一伝えながら進めるとよい。

 

口腔がん診査の内容

Q5 診査にはどのくらいの時間を要し、何を準備したらよいのでしょうか?

   粘膜の診査は、5分もかからない。メインテナンス時に粘膜や舌、硬口蓋、軟口蓋にも意識を向け、確認する。

   準備は口腔内用ミラー、グローブ、ガーゼ。

  粘膜の診査時に読み取ること

1.      粘膜に傷(潰瘍、びらん、表面の塑像な部分)がないか

2.      粘膜に赤い斑点や赤い部分がないか

3.      こすってもとれない白い斑点や白い部分がないか

4.      周りの健全な組織との境界がはっきりしない「しこり」や

  「腫れ」や「できもの」がないか

5.      抜歯後なかなか治らない部分がないか

 

Q6 何を異常と判断したらよいのでしょうか?

   粘膜の色が白であるか赤であるかを特に診る。できものは必ず触って

   確認する。

   痛みや違和感などの自覚症状は、初期段階ではほとんどない。

   異常が見られた場合は歯科医師に報告し、患者さんに説明してもらう。

   経過観察になった場合、定期的に写真撮影、状態の記録をする。

  経過観察中に粘膜を診るときのポイント

1.      粘膜のただれがないか

2.      場所が移動しない大きな口内炎はないか

3.      粘膜の色の変化がないか

4.      「しこり」や原因のわからない「腫れ」はないか

5.      飲み込みづらい、舌が動きにくくなっているなど機能に対する

  違和感はないか

6.      抜歯後の傷が治りにくいことの原因が不明ではないか

 *粘膜の異常は触って診ましょう

 

Q7 診査ではどこの部位を診たらよいのでしょうか?

   口腔内・口腔外周囲すべてです。患者さんに気になるところはないか

   聞いてから行う。

   また、鼻づまりや鼻出血、顔でしびれている部分がないかも聞いておく 

   とよい。

 

Q8 もっとも注意して診るべきところはどこですか?

   舌。日本における口腔がんの部位別頻度が舌がもっとも高い。ついで

   多いのが歯肉。見落としがちなのが軟口蓋。 唾液腺開孔部付近にも

   できやすいため、口底、口蓋の唾液腺開孔部にも注意する。

  

Q9 よくある口内炎にも見え、わざわざ歯科医師に診てもらう必要があるのか判断に困る場合、どうしたらよいのでしょうか?

   口内炎であっても歯科医師に診てもらうのがよい。診てもらえない場合は、写真撮影しておき、後で見てもらうなどの対応をする。患者さんにはなかなか治らない場合は、来院をしてもらうよう伝える。

 

Q10 どのぐらいの間隔で実施したらよいのでしょうか? 3ヶ月リコール時に毎回必要ですか?

   “診査をしすぎる”ということはない。リコールごとに行うとよい。

   一般的にがん検診は1年に1回です。最低でも1年に1回は実施して

   ほしい。

口腔がん診査の実施後の対応について

Q11 粘膜に異変が見られ、患者さんに「口腔がんかもしれない」と伝えた

   場合、いらぬ不安を与えてしまいませんでしょうか?

    不安をあおるような発言は避け、異常に気づいた部位の様子や体調を聞き、歯科医師にバトンタッチする。

 

Q12 粘膜に異変を発見後、専門医で病理検査をしてもらいました。結果、

   がんではなかった場合、患者さんからクレームは来ないでしょうか?

    がんでなかったためにクレームがくるということは考えにくい。

    病理検査を促す際に患者さんにどう伝えるかによる。

    例●「粘膜に異変が見られるので、安心するためにも一度詳しく検査をしてもらいましょう」

     ●「がんかもしれないので、詳しく検査をしましょう」

                 ↑

         患者さんの受け取り方は異なる

 

Q13 病理検査が必要となったとき、患者さんはスムーズに受けてくれるもの 

   でしょうか?

    明らかに重篤な状態で、大学病院等の受診を促されているのに受診

    されない患者さんがまれにいます。場合によってはがんの可能性を

    伝える。緊急性を要するとまではいかないが検査をうけたほうがよい 

    という場合でも患者さん自身が判断して受診しない場合、写真を

    定期的に撮り、その変化を見せて検査を促していく。

 

 

【感想】

  日本では年間7000人が口腔がんに罹患していて、30年前の統計と比較

  してみると3倍に増加しており、このままいけば10年後には12千人

  以上が口腔がんに罹患すると予測されるそうです。

  アメリカなどの先進国では口腔がんの死亡者数は減少しています。これは

  国を挙げて積極的な口腔がん対策による早期発見、早期治療が行われて

いるからではないかということです。

歯科衛生士はメインテナンスなどで患者さんの口腔内を隅々まで見る機会

があるので、患者さん自身より異変に気づきやすいと考えられます。

口腔がんは命を奪う恐ろしい病です。これを第一発見できる歯科衛生士

には大きな責任があるので、今以上に注意深く診ていく必要があると

思いました。                  衛生士 赤木悦子   

 

  2012/04/11   ふくだ歯科
タグ:

石原美樹先生が講演された「プラークコントロールを究める」に参加し、その内容を勉強会で発表して

 

プラークコントロールとは、患者さんが持つリスク・免疫力に応じて、その方の生体の許容できる範囲の細菌量にコントロールすること

 

患者さん…ホームケアによる縁上のプラークコントロール

Dr,DH…専門家による縁下のプラークコントロール

 

プラークは縁上から縁下に増殖する

縁下のプラークコントロールのみでは歯周病は再発する

 

縁上のプラークコントロールなしで行う歯石除去は意味がない

 

TBIで最も難しいのは、“プラークコントロールの定着=継続”である

 

患者さんに「自己管理能力を身に付けてもらう」ことがTBIの目標となる

 

プラークコントロールを定着させる最大のポイントは、技術を教え込むのではなく、病気の知識・状態を把握してもらい、患者さん自身の役割を理解してもらうこと

→まずは病気を治そうとする気持ちを高めていく

 すると患者さんのエンジンがかかり動き出す

 

 

ブラッシングテクニックをあげるうえで大切なことは、

知識・情報・自分を知る

    ∥

患者教育

 

知識…媒体を活用する

   口だけでなく目で伝える

情報…情報を提供する

   資料(検査表、エックス線写真、口腔内写真)を見せる

自分を知る…状態を把握してもらう

      患者さん自身が気付く為の工夫を考える

         ↓

状態はなるべく具体的に伝える

問題があればどこが問題なのか分かりやすく伝える

複雑な部位、患者さんが理解しにくい部位は、資料を見せてイメージしてもらう

 

 

気持ちがあるのに結果がついてこない場合は、

聞く・確認する・そして考える

 

まずは患者さんに聞き、聞いて分析できないのであればテクニックを直に確認する

そして何が問題で何を改善したら良いか考える

 

聞く…患者さんのバックグランドを知る

確認する…テクニックを直に確認する

     歯ブラシばかり追わず全体を把握する

考える…プロの分析

    どう攻めるのか知恵を出す

 

 

<感想>

今回、石原美樹先生の講演会に参加して、行動変容に繋がる指導を行うためには私たち歯科衛生士が患者さんをいかに理解できているかが重要であることを再認識しました。

決められた回数と時間の中で患者さんの状態や気持ちを理解するのは容易なことではありません。石原美樹先生も患者さんの気持ちが分からなくなったり、どう指導したらいいのか悩んだ経験を幾度となくされたそうです。当然私も、今後指導を行っていく上で様々な壁にぶつかると思いますが、常に患者さんと正面から向き合い、患者さん一人一人に適した指導を提供していけるよう努めていきたいです。                                   

                         歯科衛生士 関口

  2012/04/01   ふくだ歯科
タグ:歯周病

土屋賢司先生が講演された「包括的治療戦略・修復治療を成功に導くためのガイドライン」に参加して

<感想>

土屋先生はご自身の歯科医院の信条である7つのCREDO(信条)について教えてくださいました。患者さんが快適に治療を受けられるように,スタッフが働きやすく意欲をもって働けるように環境をつくり,自らも楽しんで仕事をされていることを感じました。

 またいくつかの症例を紹介していただきました。今回とりあげたクロスマウント法を用いたり,プロビジョナルの期間に様々な項目をクリアできるよう工夫したり,矯正治療を取り入れたりされていました。患者さんの背景,希望にそえるよう最善の治療を自ら考え出すことをできたり,思い通りの治療を行えるような技術を身につけたりすることに加えて,患者さんそれぞれに最良の治療ができるよう治療の選択肢を増やすことが必要であると感じました。

                 

                        歯科医師 福島

 

  2012/03/18   ふくだ歯科

歯を白くについて、勉強会で発表して

「歯を白く」  

                                     参照 讀賣新聞20101/191/21

【黄ばむ要因は何か】

そもそも歯の色は、半透明のエナメル質から内部の象牙質の薄い黄色が透けて見えており、その為、自然な歯は真っ白でなく、やや黄色がかっている。

 

  要因

   ◆加齢により ①エナメル質が薄くなる

          ②象牙質がより黄色く変化する

          ③エナメル質の内部に、唾液中のカルシウムやリンなど  

           が堆積し、象牙質が透けやすい構造になる

                                            …といった変化でより黄色く見える

       ◆幼少時にテトラサイクリン系抗菌薬の服用をした

    (出生直後~6、8歳まで。30歳代~40代前半の人に多い)

   ◆事故などの外傷による神経の壊死

   ◆虫歯の治療による神経の除去(抜髄)

   ◆飲食物、またタバコのヤニの付着によるもの 

      …コーヒー、紅茶、ウーロン茶、赤ワイン、カレーなど

      →歯の表面に付いた直後の汚れは落ちやすいので、着色の付きやすいものを食べたら、きちんと歯磨きをする習慣を身に付けることで対処できる。

                                     

      …好物を敬遠しなくても大丈夫。

 

 《DATA》

  花王ヒューマンヘルスケア研究センターが18~49歳の男女177人を  

  分析し、黄ばみの有無や主な黄ばみの原因を調べたところ、「白い歯」と 

  判定された人はたった20%だった。

 

【歯の着色を落とす為のセルフケア】

   硬めのハブラシで、ヤニとり効果をうたう歯磨剤(粒子の粗いもの)を 

   使い、強い力でゴシゴシ磨くと、歯の表面に細かなキズを付けて    

   しまい、いったんは汚れが落ちても、再び付着しやすくなる為、    

   黄ばみやすい歯を作っていることになる。

 

  □歯ブラシ→「軟らかめ」か「普通」の硬さのものを選ぶ。

         柄が適度にたわみ、力がかかりにくい工夫をされている  

         商品もあり、使いやすい。

  □唾液も大切→唾液腺を刺激するようなマッサージを患者さん自身にも時々やってもらうこともできる。          …両手の親指で、顎の付け根あたりの首の上部を押す

 

 《DATA》

   唾液分泌を抑えてしまう飲み薬

    消化管運動抑制薬…ブスコパン、チアトン

    尿もれ・頻尿治療薬…バップフォー、デトルシトール、ベシケア

    抗パーキンソン薬…アーテン、アキネトン

    抗ヒスタミン薬…レスタミンコーワ、ポララミン

    抗うつ薬…トリプタノール、トフラニール        など

 

 

【酸蝕症】

  炭酸飲料や果物などが含む酸で歯が溶け、冷たいものを食べた時などに  

  歯がしみる知覚過敏症が起こる

       

  歯のエナメル質が変化して透明度が増したり、エナメル質が溶けて、   

  その下の黄色い象牙質がむき出しになったりし、歯の色が黄ばんでいく。

 

  ※一度溶けた歯を元には戻せない

    …強酸性飲食物でもその取り方を工夫すれば、症状の進行を緩やかに  

     できる

 

  〔控えるべき事〕

   ①、「ながら飲み」…歯が常に酸にさらされていることになり、歯が

       溶けやすい。

   ②、「ジョギングなど運動後の、強酸性飲用物による水分補給」

     …口の中が乾いて、中性に戻す唾液が出にくく、酸蝕されやすい。

 

 

  〔注意点〕

    ◇酸の強い飲食物をとったすぐ後の歯磨きは控える。

      →酸にさらされた直後の歯は軟らかく、ここで歯を磨くとさらに表面が削れてしまう為、食後30分程おくこと。

       …唾液の働きにより、口の中を中性に戻し、また含まれる  カルシウムやリンにより再石灰化を促してくれる。

 

    ◇酸性の強い飲食物をとったらすぐ、お茶や水で口の中を中和させ  

     たり、赤ワインにチーズ、紅茶に牛乳というように再石灰化を促す 

     カルシウムが豊富な乳製品と合わせるのも良い。

 

 

 

 《DATA》

 エナメル質が溶け出すのはPHが5.5より低く、酸性度が強くなった時。

 

主な飲み物のPH値

 

 

上矢印: 歯が溶けやすい

 

 

 

PH

飲み物

 

 

酸性(強)

2.2

コーラ

 

 

 

2.9

梅酒

 

 

 

3.1

黒酢ドリンク

 

 

 

3.4

赤ワイン

 

 

 

3.8

スポーツ飲料

 

 

 

4.0

100%オレンジジュース

 

 

 

4.3

ビール

 

 

 

4.9

日本酒

 

 

 

 

 

 

 

 

5.5

エナメル質が溶け始める

 

 

 

 

 

 

 

 

6.2

緑茶

 

 

 

6.8

牛乳

 

 

中性

7.0

ミネラルウォーター

 

 


 

 

【感想・考察】

歯の色というのは、歯科にかかられる患者さんであれば最も気になる部分だ 

と思います。それでこの新聞記事は、黄ばむ要因とそのメカニズムが分かり 

やすく説明してあり、大変興味深かったです。また、「歯の色の調査」や

「酸性度の強い飲み物」といったデータは患者さんへのTBIなどに大変参考

になると思いました。虫歯予防には「食べたらすぐ磨く」というのが常識と

なっている中で、「酸の強い飲食物のすぐ後の歯磨きは控える」といった報は、患者さんに合わせ上手に説明していくことが重要になると感じました。

これからのTBIにも、歯周病や虫歯予防、酸蝕症といった様々な要素と

バランスをとりながら、今回の内容を生かしていければいいなと思いました。

                       衛生士 河本                        

                                                                                                                                       

 

  2012/03/04   ふくだ歯科

根面う蝕ストラテジーについて、勉強会で発表して

【根面う蝕ストラテジー】

  参照:歯科衛生士2011.10月号「高齢期の根面う蝕のストラテジー」より

 

◆高齢期の根面う蝕の因子

●全身状態や生活            ●高齢者特有の口腔

身体機能の低下            ①歯周病

全身疾患&服薬            ②補綴物、義歯

③食生活                ③楔状欠損

④気力の低下              ④歯髄の変化

 

楔状欠損

○罹患部位が歯根であるため、もともとハイリスク

○歯根面が楔状欠損になっている場合、う蝕になりやすい

○すでに根面にある楔状欠損部分がう蝕になるとすぐに重篤な症状を示す

 

楔状欠損の要因

ブラッシング圧、歯ぎしりによる咬耗、噛みしめ圧迫症候群(DCS)etc

 

 

◆根面う蝕と楔状欠損の発病と進行にかかる疫学的なコンセプト

予備期

1.歯肉退縮 ①初期退縮 ②中等度退縮 ③高度退縮

2.プラーク蓄積

3.咬合異常

4.口腔乾燥

5.加齢

 

第1期(初期)

1.初期根面う蝕 ①着色 ②白濁斑 ③ピンポイント状う蝕

 

第2期

1.中等度または進行性の根面う蝕。黄色または褐色の着色のあるう窩〔進行性のう窩〕

2.再発性う蝕

3.知覚過敏

 

第3期

1.進行性崩壊

暗褐色または黒色のう窩〔進行の停止したう窩〕

2.処置歯根面

3.環状う窩

 

 

対策と気をつけるポイント

 エビデンスに基づいた情報を伝えて、フッ化物をうまく利用してもらおう

加齢による根面う蝕予防として、54歳以上の成人に対しフッ化物配合の歯磨剤を1日に2回1年間使用したところ、67%の予防効果があったと示唆されました。また、45~65歳の成人に対し、フッ化物配合歯磨剤とフッ化物洗口(225ppmF)を3年間併用した研究結果からも、同じく根面う蝕予防効果が見られました。

根面う蝕予防も一般的なう蝕予防と同様に、プラークコントロールに加えてう蝕抵抗性の高い歯質をつくることが基本となります。フッ化ナトリウムやフッ化第一スズといった歯質強化に加え、酸産生を阻害する効果があるフッ化物が配合された歯磨剤を、患者さんのセルフケアに取り入れてもらうよう指導します。同時に、プロフェッショナルケアでの高濃度フッ化物やフッ化物配合のバーニッシュ塗布も積極的に実施します。

 

 

根面う蝕を防ぐために、どうケアする?

◆セルフケア

  ●歯ブラシ・補助用具…露出根面に合う幅広のヘッド、歯肉や粘膜に毛先 

    が当たっても痛みがなく擦過傷にもならない軟毛の歯ブラシ

※高齢になるほど、単純な作業を心がけ継続してもらうよう指導

 する。色んな種類のツールを使うより、個々の手指や視力の状態にあわせ、なるべく単純で習慣になりやすいものを。

 

  ●洗口剤…患者さんがセルフケアに協力的かつ継続できるようであれば、 

      抗菌作用のあるトリクロサンクロルヘキシジン洗口剤でブクブクうがい。

  ※ブクブクうがいは口腔体操(口筋力UP、唾液分泌量UP)を 

   兼ねるのでオススメ。

フッ化物配合歯磨剤との併用が効果的。

(『コンクール』は本来歯周病用だが、根面う蝕のセルフケアにも 

 評価)

 

  ●フッ化物配合歯磨剤…市販の歯磨剤でいい場合もあるが、根面が広範囲 

           に軟化しているものの経過観察としては研磨剤無配合のものをすすめる。

  ※蓋の開け閉めが困難な方には、量の調節もできるポンプ式容器  

   がオススメ。

 

●音波歯ブラシ…歯ブラシを細かく動かせない方に。

  ※歯ブラシの背が頬粘膜に当たってマッサージとなり唾液分泌量増加 

   も期待できる。

   最近は軟毛のものも発売されている。

 

●ガム…義歯にくっつかないガムを使って咬筋を毎日トレーニングする。

    噛む力の持続・刺激唾液の分泌量増加が期待できる。

  ※ガムを飲み込まないか医院で確認してからすすめるようにする。

 

●その他…セルフケアを継続してもらうためには患者さんの好みや選択を 

     尊重することも重要。

 

 

Ex.歯間ブラシやデンタルフロスがなかなか使えなかった患者さん。

根面う蝕のリスクが高いことを伝えると、自分でウォーターピック

を購入・使用されるようになった。

 

 

◆プロフェッショナルケア

  ●超音波スケーラーによる洗浄

    高齢者の露出根面は非常に軟らかくなっている。スケーリングには超音波スケーラーを使用するが、刃を根面にはあてず、水の噴射だけで汚れを吹き飛ばすように除いていく。あるいはプラスチックチップやサスブラシの使用も考慮に入れる。

 

  ●ポリッシング

    毛が細く軟らかいスクリューブラシ(スマートプロフィーブラシスクリューソフト)と研磨剤のないジェルコート(Concoolなど)でポリッシングを行う。ラバーカップを使うよりもはるかにソフトに磨く

    ことができる。

 

  ●フッ化物塗布

    前歯はフッ化物配合バーニッシュ(Fバニッシュ)またはフッ化物

    配合歯面塗布剤が、臼歯にはフッ化物ジアンミン銀溶液(サホライド 

    等)が応用できる。Fバニッシュは本来知覚過敏対策の薬剤だが、

    この場合はフッ化物の補填目的で使用する。塗布後は水を含ませた綿で洗う。

 

  ●デンタルフロス

    高齢者にはスーパーフロスを使う。広くなっていることが多い歯間を効果的に清掃できるとともに、軟らかい根面に金属のスケーラーを当てるのを避けるために選択する。

 

  ●ブラッシング

    染め出し液でどこにプラークがたまっているか、たまりやすい場所はどこかを把握してからブラッシングに入る。プラークのたまりやすい場所は患者さんにも伝える。(補綴物のマージンなど)

 

 

 

 

〈考察・感想〉

高齢の方だけに限らず、根面う蝕はよく目にします。

特に最近メインテナンスで担当している患者さんで立て続けに根面う蝕の治療を行う機会がありました。治療を要する前に、発生・進行を防ぐためには何ができるだろうと思い、今回レポートに取り上げました。

参考の資料には根面う蝕の因子として様々な要因がいろいろな方面から挙げられていましたが、私の担当している患者さんの例から今回は、“楔状欠損”を要因とする場合について詳しくまとめています。

 

★実践してみようと思ったこと★

◆プロケア(メインテナンス時)

○スーパーフロスを使用した清掃

→ポンティック下の清掃にしか用いていなかったスーパー

 フロスですが、場合によってはこんな使い方もあるんだと

 参考になりました。根面にはプラーク残存しやすいですが、歯間部の辺りはどうしても歯ブラシだけでは取り除きにくい部分もあり、スケーラーを用いて除去していました。フワ

 フワとやわらかいスーパーフロスなら、スケーラーよりも

 優しく清掃できそうなので、早速試してみたいと思います。

 

◆セルフケア(患者さんへの提案、オススメ)

○フッ化物配合歯磨剤(研磨剤無配合)

→カリエスリスク(根面う蝕に限らず)の高い患者さんには

 これまでもオススメしていましたが、やはりう蝕の予防にはフッ化物の応用が基本だと改めて再認識できたので、状況に合わせて今後もオススメしていきたいと思います。

またオススメする際の説明も、今回のレポートの参考資料にあった内容を取り入れて工夫していきたいです。

                 衛生士 西内

 

  2012/02/27   ふくだ歯科
タグ:虫歯予防

平成23年度歯科医療安全研修会に参加して

医療従事者を守るために知っておきたい血液媒介性感染症の知識と

予防対策 ~特にHBV・HCVについて~          

川﨑医科大学血液内科学 和田 秀穂

 

よく問題となる感染症

<接触感染>*経口感染も含む

■感染性胃腸炎(ノロウィルス、腸管出血性大腸菌等)

■疥癬

■MRSA

<飛沫感染>

■インフルエンザ

<空気感染>

■結核

<血液を介した感染・血液媒介性感染症>

■HBV・HCV

■HIV

 

針刺し→最も問題。適切な対応。

 

 

標準予防策とは?

全ての目視できる湿性の血液、体液、分泌物、創傷のある皮膚・粘膜等 

 は、感染の可能性があるものとして取り扱う。

 具体的には必要に応じ、手洗い・手袋・ガウン・マスク・ゴーグルの

 着用、針刺し事故防止対策、

感染性リネン・感染性廃棄物等の取り扱いをすべての対象者にすべての 

職員が適正に行う。

 

全て完璧なことしなさい、という訳ではない。

ex.検診など)処置・患者さんに応じて変える。

 

 

針刺し事故の感染の確率

 

ウィルスの種類

感染確率

B型肝炎ウィルス

HBe抗原陽性

HBe抗原陰性

 

2230%

16%      

C型肝炎ウィルス

1.8%

エイズウィルス

0.3%

10倍の差がある

 

 

 

針刺し事故の後…

血液を搾り出すのは危険

   →傷口を深くするだけ

消毒液は使わない

 

まず手洗い(石けん→水道水で洗い流す)

 

 

 

感想

針刺し事故の後には、血液を搾り出すという誤った考えでいたので、それは傷口を深くし、危険であることを頭に入れて、まずはしっかりと手洗いをして、適切な対応をしていかなければいけないと思いました。自分自身やスタッフの皆さんが安全に働けるように予防対策を徹底していきたいです。

                        衛生士 千田

 

  2012/01/26   ふくだ歯科
タグ:感染予防

「隠れ睡眠時無呼吸症候群に歯科衛生士はどう対処できる?」について、勉強会で発表して

 

睡眠時無呼吸症候群とは

定義:「無呼吸・低呼吸指数」(AHI)が5以上かつ日中の過眠などの症候を伴うときを睡眠時無呼吸症候群とする定義が多い。

 

分類:閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS,ObstructiveSAS

   中枢性睡眠時無呼吸症候群

   混合性睡眠時無呼吸症候群

 

原因:閉塞性睡眠時無呼吸症候群:

   睡眠中の筋弛緩により舌根部や軟口蓋が下がり気道を閉塞することが主な原因

   中枢性睡眠時無呼吸症候群:

   脳血管障害・重症心不全などによる呼吸中枢の障害で呼吸運動が消失するのが原因

 

症状:就寝中の意識覚醒の短い反復、およびそれによる脳の不眠

   昼間の耐えがたい眠気

   抑うつ                      

   大きな鼾など

 

「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」は睡眠時ゆえに本人が気づかない隠れSASとなっているケース多く見られますがSASの重症度によっては深刻な病状に至る場合もあり、早期発見が一つの鍵のようです。現在ではその治療が歯科の保険診療として算定できるようになり、口腔内装置等による治療を実施している医院もあります。ではDHSAS患者にどのように貢献できるでしょうか?歯だけでなく粘膜の診査や定期的なメインテナンスで口腔を見るDHがその予兆の第一発見者となる可能性が高いのです。

 

 

患者さんから睡眠について聞き出すポイント

睡眠時間:熟睡感も含めて聞く

 SASがあると熟睡感はない、夜中に何度も目覚める、日中の眠気を感じる、 

 早朝には頭痛や頭重感がある。

 寝ている姿勢:鼾のかき方が違う

   高枕、手を上げて寝る。アルコール、睡眠薬の服用。

           ↑

問診事項は、具体例を出しながら少し掘り下げて聞く。

    常に疑問を持ちながら患者さんに接することで、いろいろな発見につ 

    ながる。

 

SAS治療に対し歯科医療ができること

   スプリント療法、マスク療法、外科的治療、薬物療法。

    (日本の歯科では口腔内装置によるスプリント療法の適用が多い)

   口腔内装置を装着することで唾液の循環が悪くなり、う蝕や歯周病のリスクが高まるので、徹底したブラッシングやSPTによる管理が重要。

SPT時にSASを発見するポイント

   OSASは上気道の閉塞から起こりうる疾患 ⇒ 骨格の小さい方、下顎が後退している方、軟部組織が多い肥満の方は閉塞しやすい。

                  ↑

   SPT時の水平位のポジションでの開口は、下顎が後退し気道を狭窄させ

   るため呼吸困難に陥りやすく、長時間の開口が困難となり水をためてい

   られない。SPT時に何度も口を閉じたりするのは、隠れSASのサインと

   なる。

               ↑

水平位:「あー」と発声してもらい、口蓋垂が見えるか確認する。

口蓋弓間の狭さ、舌骨の左右の高さの違いはないか確認する。

咬合位:呼吸と下顎を前方に出したときの呼吸のしやすさの違いを比較する。

パノラマX線写真:鼻中隔が湾曲していないか確認。

               ↑

口蓋垂が見えにくい、下顎を前方に出した方が呼吸しやすいと感じられ

る方は気道が狭く、SASが疑われる。

 

DHにとってSRP等の治療が困難になる、このような方いませんか?

 *口腔内に水を貯められず、すぐに口を閉じてしまう

 *下顎角下縁に触れると、苦しそうな表情になる

 *口腔周囲筋や舌圧が強く、ミラーでの排除がしにくい

 

患者さんや患者さんの口腔内にこのような特徴はないですか?

 *咬耗が激しい   *骨隆起がある   *舌が大きい

 *顎が小さい    *肥満体型           など

 

このような特徴があれば、隠れSASを疑い、患者さんのちょっとした反

応やようすから、「何かが他とは違うかも」と感じられるようアンテナ

を張ることが大切。

 

【感想】

  最近、ニュースでもSASによる運転手の居眠り事故などを耳にすることが 

あります。この病気は耳鼻咽喉科の領域で、発見は患者やその周りにいる人たちの気づきによることが多いと思っていました。しかし、歯科医師や歯科衛生士が口腔内の小さな変化に気づくことによって、隠れSASを見いだすことができ、患者さんの全身の健康に深く関わっていることを再認識しました。

 衛生士 赤木悦子

 

  2012/01/11   ふくだ歯科

「Dr.Hiroの超明解ペリオドントロジー~プロービングを極める~」山本浩正先生著を読んで

プロービングとは、プローブを歯肉溝の中に入れその深さを測ることである。

 

歯肉溝の深さ=プロービング値

歯肉頂からプローブの先までの距離

 

歯肉溝が深いと、

・細菌の住みかがたくさんある

・歯周病菌の好きな環境

・プラークコントロールが困難

        ↓

歯周病のリスクが大きい

 

真の歯周病とは、菌を支えている骨が吸収し、それに伴って結合組織性付着が根尖側に下がっていくことである。

 

〈病的な歯肉溝「ポケット」〉

  ・歯肉の発赤、腫脹が見られる

  ・プロービングで出血や排膿が認められる

  ・エックス線写真診査で骨吸収が認められる

  ・歯石やプラークの沈着が見られる

  ・歯周病菌が検出できる

  ・歯肉溝滲出液の量が多い

  ・歯肉溝滲出液中に破壊に伴う物質が検出できる

 

一つの指標だけで判断するのではなく、いくつかの指標とそれまでの治療の経緯などを加味して判断していくことが大切になる。

 

〈健康的な歯肉溝「サルカス」〉

  ◇シャローサルカス

    ・プロービング値3mm以内

    ・生物学的幅径が確立されている

    ・炎症の兆候が見られない

    ・垂直性の骨欠損が認められない

      “歯肉溝の健康優良児”

 

 

  ◇ディープサルカス

    ・プロービング値3mm以上

    ・長い上皮性付着

    ・垂直性骨欠損を認める

    ・プローブング時の出血は認められない

    ・歯肉退縮のリスクが大きい

      “歯肉溝の努力家”

    SRPや歯周外科手術後によく見られる

 

 歯周治療とは、歯肉溝をポケットからサルカスに変える治療といえる。

 

 骨吸収のない仮性ポケット→シャローサルカス・セラピー

 骨吸収のある真性ポケット→ディープサルカス・セラピー

 

 どちらのサルカスで治るかは、元の組織の状態と行う治療内容によって決まる。

 

 

 

〈感想〉

 プロービングとは単純な動作ですが、その結果は今後の歯周治療を進める基準となります。今回レポートした内容はプロービングを行う上での基本的な知識についてでしたが、理解していなかった部分が多く、プロービングの奥深さを感じました。今後はこの基本を土台にさらに内容を掘り下げ、プロービング技術と判断力の向上に努めたいと思います。 衛生士 関口

 

  2011/12/25   ふくだ歯科