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スタッフレポート

スタッフによるレポートを掲載しています。

平成26年度日本審美歯科学会 第1回ホワイトニングアドバンストセミナーに参加して

「歯科審美におけるチーム医療を考える」

「ホワイトニングコーディネーターとしてやりがいを感じるために」―DH百瀬恵美

患者さんにより分かりやすいホワイトニング

オフィス…短時間。後戻りが早い。

ホーム…じっくり。後戻りが遅い。

オフィス…ステーキのレアの状態。急激に日焼けした状態。

ホーム…携帯用カイロや湯たんぽなどで低温火傷を起こした状態。

トラブル回避…同意書にサインをしてもらう

・料金の明確な提示

・知覚過敏の説明

・色調の予測が難しいこと …色の改善には限界があることを説明し、理解してもらう

使用感 オフィス…案外快適だがチェアタイムが長い。最初は色の変化が分かりにくい。

     ホーム…味がまずい。下顎の前歯がしみる。(知覚過敏は上顎よりも下顎に出やすい)  

まとめ

1.知識を得、患者さんに自信を持って勧める

2.歯にコンプレックスを持っている人へ情報を聞き出す

3.クリニックが潤う

「“プロフェッショナルを目指そう!”ホワイトニングアドバンストセミナー」―DH田嶋美樹

患者満足のファクター

カウンセリング

患者の希望を正しく汲み取る

術前・術中・術後のカウンセリング(モチベーションが高め→メンテへ)

気持ちの変化に敏感に気付く

審査・診断

歯科医師によって審査・診断   

予後の推測、目標の設定

材料・施術

患者に合わせた方法の提案   

丁寧な施術

効果      

術前・術後の資料比較      

コメント

まとめ:みなさんのオフィスでは?

スタッフが皆白いキレイな歯

患者さんとゆっくりコミュニケーションをとれる環境

待合室、診療室、お手洗いの掲示物

ホームページでの掲載

予防、メインテナンスシステムの確立

積極的に勧める

「ホワイトニングコーディネーターアドバンストセミナー・ディスカッション」

題目:「歯を白くしたい。他の歯医者でホワイトニングをしたが白くならない。 もっと白くしたい。」と言われる患者への対応は?

T:「測色計で測り、『ホワイトニングが終わった人と同じ位白いわよ』と伝える。あとはメインテナンスで維持していく。」

M:「測色計。シェードガイド。薬剤の種類を聞いて、他の種類に変える等の対応をする。」

題目:「ホームが続かない患者さんで、何故かというと『面倒くさい、知覚過敏が嫌』という人がいる。その人たちは、歯科医院でトレーを作って液を購入し、その後はネットで購入してしまっている為と考えられる。対応は?

M:「定期的なメインテナンスを行い、患者さんのお話をよく聞く。味が馴染めないと言う患者さんにはオフィスをお勧めする。」

T:「ネットで購入したという商品を見せて頂く。ピリピリするよね…等とデメリットや特徴を確認する。患者さんに合わせて、『あなたの場合は1か月に1本購入しましょう』などと細かく指示を出す。」

座長:「ネットでは35%のオフィスホワイトニングキットなども売られている為、危険性をしっかりと説明するようにして下さい。」

質問:「説明したにもかかわらず、動かれて火傷してしまった場合、何か出来ることは?」

座長:「しっかりと水洗する。あるいは私の場合、ビタミンEのカプセルを割り、中の液体を塗るようにしています。」

質問:「ホームとオフィスを併用してまだらな感じが残ってしまった場合の対応は?」

座長:「もう少し低濃度(10%)なものを長く使用してもらうことでまだらな感じを減らせると思う。」

【感想・考察】

9月21日に参加させて頂いたホワイトニングアドバンストセミナーの前半部分をまとめ、レポートしてみました。内容としては、知っている部分や医院として既に行っている部分もあり、改めて復習することが出来たり、苦手分野としている説明などに関しては参考に出来そうな話も多く、勉強になりました。積極的に勧めることが強調されていましたが、私としては患者さんに寄り添いながら、コンプレックスとなるものを巧みに見抜き、無くしていけるように尽力できたらいいなと思いました。                                    

                                       衛生士 河本

  2014/12/22   ふくだ歯科

局所麻酔薬について、勉強会で発表して

 

*局所麻酔薬…身体の一部の感覚、特に痛みの喪失を目的として表面塗布あるいは

        局所の注射によって投与される。

        全身麻酔下、鎮静化でも、局所麻酔は必要。

 

◎術部のpH、体温、服用薬等が局所麻酔薬の効きを左右する。

   (→局所麻酔薬の量は、人によって、あるいは時と場合によって異なる)

  薬物は体内に入ると「吸収」「体内分布」「代謝」「排泄」が起こる。

   ⇒効きやすいか否か(効果が発現するまでに時間がかかるか否か)は「吸収」がかかわ

っており、薬物の性質(酸解離定数:pka)とヒトの組織の性質(pH)に左右される。

 

通常ヒトの組織(健康な場合)は、pHが7.4付近(中性)で保たれており、一方局所麻酔薬

はそのほとんどが弱い塩基(pka)。種類にもよるが、リドカインでは注射すると25%ず

つが遊離塩基(イオンに変換されない)になり、この遊離塩基が細胞膜を通過して、局所

麻酔薬の効果として発現していく。

 ★ex)リドカインが1000分子あったとした場合

   健康な組織では細胞膜を通過できるのは25%なので1000分子のうち25%

(250分子)が効果を発揮できる!

残りの750分子はその25%ごとに、また膜を通過しやすい形になって細胞に

到達し効果を発揮することになる。750分子の25%(約180分子)が膜を通過、

そして残りの約570分子がまた膜を通過して効き目を発揮。

  ⇒このような経過を経ていくため時間がかかる。

        ↓↓↓

    組織に炎症があると、その部位は酸性に傾く。

    すると、その部位では局所麻酔薬が細胞膜を通過するのに中性のときよりも時間

    がかかり、効くのにも時間がかかる!

 

  ※吸収を左右するものはこの他にも、体温や組織構造、年齢、器質的疾患の有無、

   進行性の疾患で服用している薬物の分子形態などが挙げられる。

 

 ◎炎症により酸性化するのは体の正常な変化

  ・急性炎症や慢性炎症でpHが低くなる(酸性になる)ことは、通常の生理学的病理的

   変化。   ex)リウマチ性関節炎…関節液のpH6.7~7.4

          充実性腫瘍(悪性の卵巣のう腫)…pH5.8~7.6

  ・炎症の酸性化には、細菌の代謝によってできた脂肪酸や低酸素が関係している。

   炎症において重要な役目を果たす好中球やマクロファージもかかわっている。

     →好中球やマクロファージの浸潤で産生される乳酸によって酸性に傾く。

 

   ☆このようにして起きる酸性化は急性炎症をさらに激しくするという説もあるが、

    免疫細胞の遺伝子発現や機能に影響することが知られており、酸性の環境下では

    炎症を抑える遺伝子が活性するという報告もある。

      ⇒このような酸性化の特性を利用して、炎症に関与している疾患を解決して

       いこうとする遺伝子研究が現在進められている。

 

 ◎局所麻酔薬投与にあたっての重要事項

  ①使用する局所麻酔薬の管理

    ⇒使用期限、保存方法を確認する。

     直射日光が当たったり、気温の変動が激しい場所での保存はしない。

     使用期限内であっても他の薬剤と同じく変質をきたす場合がある。

     カートリッジの液体の色が濁っていたり変色していた場合は大変危険。

     常にチェックする習慣をつけておく。

  ②局所麻酔薬の投与量の確認

    ⇒どのくらい使ったかを常に確認してメモする。

     手術が終わるまでトレーなどの決まった場所に使用済みのカートリッジを置き

     常に術者が毒性や使用限界量を計算しやすいようにする。

  ③服用薬の確認

    ⇒局所麻酔薬と薬物相互関係のある薬には注意する。

  ④全身疾患の確認

    ⇒局所麻酔薬の種類によっては、禁忌となる全身疾患の患者さんがいるため

注意する。

ex)高血圧症…エピネフリン(血管収縮薬)を含まないものか低濃度を選ぶ

腎臓疾患…リドカインなど腎毒性のないものを選ぶ

 

《感想・考察》

 局所麻酔薬は、歯科診療に欠くことのできない重要なものです。麻酔薬の投与というと、歯科医師の領域になると考えられがちですが、私たち衛生士にも注意すべき事項が多々あることを再認識しました。

 

☆痛みの閾値について

  精神状態によっても上がったり下がったりする

   →不安や悩みなどのストレスによって下がる、血流の滞りによって下がる

    (下がる=痛みを感じやすくなる)

      ⇒局所麻酔薬投与の際は、なるべく患者さんにリラックスしてもらい、

余分な力を抜いてもらう方が痛みを感じにくい!

 

意識が他のほうへ向いていても、痛みの閾値は下がるそうです。

患者さんに一番近い位置にいる私たち衛生士が、声かけなどコミュニケーションをとることも効果的なのではないかと思いました。                                           衛生士 西内

  2014/11/03   ふくだ歯科
タグ:麻酔薬

「PMTCは口腔衛生状態の改善にどれだけの効果があるのか?」について、勉強会で発表して

頻繁に引用されている論文を取り上げ、その結論からどう臨床に繋げると正しいのか解説。

PMTCには、一体どれだけの効果があるのでしょうか?その効果について調査した研究がこちらです。

研究内容…デンマークのある歯科大学で半年毎にメインテナンスに通う患者さんから、ランダムに30名を選出。その後、4mm以上のポケットが複数あった人やスケジュールが合わなかった人を除き、最終的に25歳から64歳の28名(男性15名、女性13名)を研究対象とした。

調査に先立ち、対象者全員にPMTCを徹底的に行い、プラークフリーの状態にした。1ヵ月後からスプリットマウス法(同一患者の口腔内で試験側と対象側を区別する方法)により、試験側にはPMTCを行った。一方、対象側には口腔衛生指導を含め何も行わなかった。その後1ヵ月毎に、試験側のみ徹底的なPMTC(ポリッシングペーストやデンタルフロス、エバチップ、ラバーカップを使用したDHによる清掃。プラークが落ちているかどうか赤染めで確認)を行い、4ヵ月後、8ヵ月後、12ヵ月後にプラーク指数を両群で比較。なお、評価者、分析者にはどちらが試験群であるかは知らせていない。

結果、両群に差は認められなかった。

 

☆PMTCをする事で、患者さんの口腔意識が上がる。

☆PMTCの実施に関わらず、毎月専門家が口腔衛生状態をチェックする事が大事、等様々な考察がされている。PMTCは、患者さんにセルフケアを行って貰う動機付けになる。しかし、プロフェッショナルケアだけで健康を保つ事は難しいと示唆。

☆PMTCで患者さんに「口の中がきれいになって気持ちいい」と思って貰ったうえできちんとTBIを行うと、モチベーションアップに繋がるだろう。

 

〈感想〉患者さんが少しでも自分の口腔内に興味を持ったり、セルフケアの向上に繋がるように、また、歯科医院に通院する動機付けのひとつとして、PMTCを引き続き取り入れていきたい。      衛生士 千田

  2014/10/26   ふくだ歯科

「健口を支えるコミュニケーションスキル」について、勉強会で発表して

~患者さんとの出会い~

ラポール形成

ラポール形成…相手と結びついているという感覚、友愛や信頼の感覚

 

ラポールの形成に最も大事なのは言葉、価値観や信念、姿勢、呼吸、行動を含め、相手のペースに合わせること。

 

得られる効果 ・ミラーリングやマッチング効果

       ・シンクロニシティー(共感、同調)効果

               ↓

      相手に親近感(親和性)をもたらし、安心感を与える

 

アドヒアランスを支援

ラポールの形成の次に重要なのはいかに患者さんの自己管理能力を高めるかである

 

アドヒアランス…患者さんが主体となって、自分に必要な医療指示や養生方(セルフケア)を取り入れ、自己責任の下にたゆまず努力し行動していくこと

 

私たちが対象とする疾患は生活習慣に基づいて慢性的に進行していくため、患者さん自身が生活を見つめ直し、自分に合わせてライフスタイルを変化させ、それを持続していく力が必要→アドヒアランスという考え方が重要となる

私たちはそれを支援する役割

 

アドヒアランスを引き出すための要件

①患者に内在する期待の明確化

②患者の自己決定と医療者による支援  ①②…患者さんの健康獲得行動のモチベーションになる

③客観的な情報提供

④判断基準の獲得           ③④…インフォームドコンセントにつながる

 

モチベーションとは、人を行動へと狩り立て、目標へ向かわせるような内的な過程を指す

アドヒアランスの向上に寄与する

 

~相手を理解するには~

3つの視点

①他者の目を通して理解する

②自分で自分を理解する

③相手とともに理解する…相手が自分自身をどう思っているのか、相手の枠組みの中で理解する方法

 

この3つを上手に駆使することが大事!

 

聴くから始まる

2つの質問法 ◎閉じた質問(closed question)

                yes/noで答えられる質問、答えが限局される質問

       ◎開いた質問(open-ended question)

                その人なりの見方、意見、感情、思考等を明らかにするための質問

 

具体的にしていくためには「閉じた質問」が必要だが、「開いた質問」ではその方の心理、社会的な背景が聞き出せる。

 

私たちは、患者さんの知識、問題に対する行動、健康問題に対する意欲など、こうした質問を通して情報を得て、そのレベルに合わせてアプローチする必要がある。

オーダーメードの医療提供

 

関わるポイント

コミュニケーション(メッセージの伝えられる割合)

言語(verbal)…7%

非言語(non verbal) ボディランゲージ…55%

         音声…38%

 

言語と非言語が不一致のときこそ、コミュニケーションで関わる必要がある

→必ず非言語に本音が隠れている

 

《まとめ・感想》

患者さんは様々な問題を抱えて来院されます。

まずは私たち歯科衛生士がよく見て、よく聴き、患者さんの本音に気付き、その方の状態を受け止めることが大事です。

患者さんの気持ちに寄り添い、長くお口の健康を支援していける歯科衛生士でありたいと思います。

衛生士 関口

  2014/10/08   ふくだ歯科
タグ:話し方

「ブラキシズム患者さんへのチームによるアプローチのしかた」について、勉強会で発表して

 

  • ブラキシズム患者さんへのチームアプローチ重要性
    • 歯科衛生士の指導:患者さんのセルフコントロールを促すためのアプローチ
    • 歯科医師による治療:口腔内の力による影響の原因除去や口腔を力から守るための

口腔内環境の整備

  • 歯科衛生士による指導

 

Step1:導入=動機づけ

  患者さんが自分のもつさまざま症状にブラキシズムが関連していると理解できる

  ようになってもらうことが必要。

 

        ブラキシズムと関連があるとみられる患者の症状:

時間の経過の短い急性的な症状:

    知覚過敏症、部位を特定できない歯痛、顎顔面痛、咬合性外傷や歯周組織の急性症状、歯の破折など

    時間の経過の長い慢性的な症状:

      欠損の拡大傾向や義歯の度重なる破損、多発的な歯の破折、歯の摩耗や歯の劣化傾向など

 

  

Step2:いつ,どんなときにブラキシズムがあるか自覚してもらう=気づき

    患者さんが自分にはいつ、どんなときにブラキシズムがあるかを自覚してもらう

ようアプローチする。

     ◎日中の問題から自覚してもらう

       無意識に力が入ってしまうことがあるか;仕事中、家事

       そこまで力は入っていないが無意識で行っている;歯列接触癖(TCH)

 

     ◎夜のブラキシズム

       無意識下で行われるため、最初から気づいてもらうのは困難

                 ↑

       問診から考察する方法、スプリントを用いた診断で診査する

 

    *患者さんが自分の口腔内の変化に危機感をもち、本気でブラキシズムをやめたい    と自然に思ってくれるようになることが大切。

 

 

 

 

 Step3:セルフコントロールの実行

    解決の難易度の低いものから具体的なセルフコントロールの方法を伝える。

     ◎TCHや日中の筋肉の緊張をやめることから始める

       ①顔の表情筋や咬筋などの咀嚼筋を1日中リラックスさせるよう意識してもらう

       ②食事のとき、20~30回を目安に咀嚼を意識しながら、弱めの力で噛んでもらう

 

       *強いストレスを感じている患者さんの場合:

            私たちがストレス自体を取り除くことは不可能

               ↑

           ・話を聞いてあげるだけで十分かもしれない

 

   ◎夜間のブラキシズム

    無意識に力を抜くことができるようになれば、夜間のコントロールも良い状態に向かっていく

                                        

       *夜間の強力なブラキシズムへのアプローチが必要となる場合

               ↑

         ・自律訓練法などを応用して筋肉の緊張感をとる

         ・夜間にブラキシズムをまったくしていない自分をイメージし、

          全身の余計な力を抜いて眠りにつくよう指導する

 

  • 歯科医師による治療:ブラキシズムの力から守るアプローチ
    • 患者さんが比較的若く、残存歯が多い場合

  ブラキシズムが将来の口腔内へ及ぼす影響について啓発。

  • 顎関節症状が主訴の場合

  顎関節症の診断をし、疼痛の緩和や機能障害に対する処置を行う。

  :消炎鎮痛剤の投与、開口訓練などの顎関節運動療法の指導、スプリント療法など、生活指導や保存的療法が中心となる。

*再発を繰り返している、症状の緩解がとれない場合は、ブラキシズムなどの力の関連性を疑いTCHのコントロールを中心に指導していくことで対応する。

  • 欠損が拡大傾向にあり咬合支持が少なくなったり、歯周病の進行が進んで咬合維持 

を損失している場合 処置自体が極端に難しくなる。歯周治療や欠損治療を行い、左右の偏りのない咬合を整え、ブラキシズムに耐えうる口腔内環境をつくることが必要になる。

 

 

《まとめ》 

   ブラキシズムは無意識に行ってしまう行動なので、患者さん自身では見つけにくいことが考えられます。そこで、歯科医師や歯科衛生士などがその徴候に気づくことで早期の対応へつなげることができるので、患者さんへの関心度は常に高くなければならないと思った。    

                                                       衛生士 赤木

  2014/09/24   ふくだ歯科
タグ:歯ぎしり

「歯周病予防の新常識」について、勉強会で発表して

歯周病予防の新常識!

「歯周病」…痛みがないまま進行し、重傷化すると歯が抜け落ちてしまう怖い病気。

30歳以上日本人の約8割が罹患し、歯を失う原因の第一位となっている。

歯周病菌の原因菌が血液中に入ると糖尿病や動脈硬化を悪化させるといわれている。

それで、歯周病対策は健康維持のために不可欠である。

 

本人の自覚がないまま進行する怖い病気「歯周病」

歯周病の原因菌は、歯に付着した歯垢の中に大量に潜んでいます。

歯垢をそのままにしていると、歯と歯茎の溝に菌が入り込み、炎症を引き起こします。

それが進行すると、歯槽骨という骨が溶け、歯と歯茎の溝が深くなります。

そこに歯垢がたまっていき、さらに進行すると、溶けた歯槽骨が歯を支えきれなくなって、最悪の場合、抜け落ちてしまいます。

 

歯周病が疑われる症状

・歯茎から出血する

・歯の間に食べ物が挟まりやすい

・歯が長くなったように見える

・歯の根元が赤黒い

・口臭が強くなった

 

歯茎からの出血の理由はほぼ歯周病が原因だと考えられる。

出血が一番分かりやすい歯周病のサインである。

 

新常識① 歯と歯の間のケア

歯ブラシだけだと歯垢は5割ほどしか除去できません。

歯間ブラシを併用することでほとんどの歯垢が除去できます。

その他、デンタルフロスもオススメ。

 

新情報② 歯磨きの時間は15分

歯周病を予防するための「歯磨きの時間」→「15分」

歯垢はネバネバしているバイ菌の塊なのできれいに磨き落とすためにはそのぐらい時間がかかる。

 

効果的なブラッシング法 (15分の内訳)

Ⅰ.歯ブラシの毛先を歯の表面にまっすぐ当てて、横に20往復させて磨く

→重点的に磨くべきは歯と歯茎の間。

歯の裏側やかみ合わせの部分もあわせて、1本につき20秒かけて磨く

…28本磨くとしめて10分

Ⅱ.歯間ブラシやフロスで歯と歯の間を丁寧に5分磨く

 

無理なく15分磨き続けるために…

・「テレビを観ながら」「新聞を読みながら」「お風呂に入りながら」

→ながら磨きがオススメ

・「何もつけずに磨く」→歯磨き粉をつけて長時間磨くと泡だらけになる

…歯垢は歯ブラシだけで取り除ける

・歯ブラシをペンを持つように軽く握る→疲れにくく、歯茎を傷めにくい

 

☆1日1回はゆっくり丁寧に15分かけて磨く

 

※基本的には一日三回食後磨く

※「殺菌作用」「炎症抑制」などの効果がある歯磨き粉は「15分歯磨き法」とは別に食後歯磨きに使用すれば効果が期待できる

 

Q&A

歯磨きは食後すぐ?

歯周病の場合はいつ磨くかというより1日1回は15分かけて丁寧に磨くことが大切

 

塩歯磨きはしたほうがいいの?

塩歯磨きは収斂作用があるので引き締まった感じがするかも知れないが、根本的な解決にはならないので、上手に磨いていくことが大切。

 

歯ブラシの換え時は?

目安は1か月。毛先が開いてきたら交換する。

 

磨いた時の出血は?

大体1週間から2週間で収まってくる

 

 

【感想・考察】

少し前にテレビ番組で放映されていた内容をまとめてみました。

衛生士としては基本的な内容ではありますが、患者さんからは質問としてよく尋ねられる内容だとも思います。ですので、改めて振り返ることができ、良かったと思います。

「歯周病予防の新常識」や「本人の自覚がないまま進行する怖い病気「歯周病」」といった項目の内容は、ふくだ歯科としては院長が以前から初診時説明として話してこられた内容だと思います。それで、これからもこのような番組があったことやその内容などを会話の中で上手に交えながら日々の診療に活かしていけたらと思いました。

                                                          衛生士  河本

  2014/08/21   ふくだ歯科
タグ:

「歯肉炎、何を診て何を考える」について、勉強会で発表して

★炎症の原因をつきとめるには、患者と歯肉の十分な観察を!

 どんな疾患においても、原因や病理的特徴、細菌学的特徴、免疫学的特徴、遺伝学的特徴などを把握することが重要。それにより診断や治療に必要な情報を得ることが出来る。

  原因や特徴を把握するためには①病歴(医科・歯科)の収集

                ②歯肉の症状・サインの読み取り

                ③病理検査(症状により行わない場合もある)

                                の3項目を行う

 ①「患者を知る」は歯肉を診るうえで欠かせない

   歯肉に影響を及ぼす全身疾患や薬物などの知識をどれだけもっているか、そして

   病歴等の患者の情報をどれだけ収集できるかがカギ。

    〈歯肉に影響をもたらすもの〉

    *プラークに起因する歯肉炎の場合

      ・ホルモン動態の変化(妊娠性の歯肉炎、思春期性の歯肉炎)

      ・薬物

      ・全身疾患…糖尿病、アレルギー(金属、アマルガム)など

      ・栄養状態

    *プラークに起因しない歯肉炎の場合  *その他

      ・特定の細菌             ・食べ物(チューイングガムなど)

      ・ウイルス              ・化学物質(歯磨剤、洗口剤など)

      ・真菌                ・物理的損傷、怪我、温熱刺激

      ・遺伝的

 ②細部まで見逃さないで!歯肉の症状・サイン

   *歯肉溝の温度…34℃前後

   *色調…コーラルピンク色(サンゴ色)が通常だが、色素沈着のある場合もある。

       黒人では歯肉の色素沈着は通常みられるもの。

   *きめ…引き締まっている、抵抗性がある。

   *歯肉の外形…歯間乳頭部の歯肉はその空隙をうめている。

          歯肉辺縁はスキャロップ型あるいは平坦なタイプのこともある。

   *出血…プロービング時に出血を認めない

   *歯肉溝からの浸出液…最小限

 

★歯肉の症状・サインの観察ポイント

 ①歯肉の炎症の広がる方向、波及する部位

  →炎症部位が拡散されて、大きな範囲に広がっていくことがある。

   炎症の波及は、組織の比較的抵抗性の少ないところから進行していくのが常。

   みえている炎症のサインの局所に必ずしも原因が潜んでいるわけではない。

 ②歯肉の炎症の範囲

  →必ずしも炎症の範囲が広いからといって重症とはいえない。

   限局した歯肉炎でも、急激に進行するものもある。

   なぜ範囲が限局しているのかを考えることも大切。

    ex)上顎前歯に限局…補綴物の辺縁の不適合、口呼吸、口唇の安静時の閉鎖状況等

 ③炎症や違和感の期間

  →問診により、違和感に気付いた時期、その期間、違和感や疼痛の程度と頻度などを確認する。

    ※多くの場合、初期の歯肉炎では自覚症状が希薄。

     ブラッシング時出血をみたときに初めて異常に気付くことが多い。

 ④炎症の程度

  →判定にはいくつかの方法がある。いずれかの方法を用いて進行の程度をみていく。

    ex)Gingivalindex(GI)、BOPなど

 ⑤歯肉のきめ:硬さ、軟らかさ

  →歯肉の色調やきめの状態(硬い、軟らかい)を把握して記録する。

    ※プローブ側面を歯肉に平行にあてて周囲の組織の可動性や、最小限の組織の圧迫によってできる貧血帯を調べるという方法がある。

 ⑥疼痛・違和感

  →患者の言葉そのままの訴えを記録し、比較して診療に役立てることが大切。

   疼痛や違和感が持続的なのか、間欠的なのかも把握する。

 ⑦出血傾向

  →プロービング時の出血は、疾患の活動性を判断するうえで非常に重要。

   プロービングなしに自然出血している場合も見逃してはいけない。

    ※持続的あるいは間欠的な自然出血では、全身疾患の存在が考えられる。

     ex)白血病などの血液疾患や抗血液凝固剤の使用、肝疾患、消化器疾患など

    ※心内膜炎の既往を持つ患者や人口ヒップなどの装置を最近装着した患者では、感染の配慮からプロービング自体が禁忌。

・・・サイン、症状を把握するためには、これら(①~⑦)の臨床的観察に加えて、ポケットの深さ、歯肉退縮の様相、歯の動揺度、エックス線写真などによる検査も行う。

 

★症例で再確認!歯肉炎の症状・サインの読み取り

 〈矯正治療で臼歯にバンドを装着する必要があるため、歯周病科に紹介された患者〉

  ①臼歯間に歯肉の発赤と腫脹を認める。特に口蓋側に顕著。

  ②ほとんど臼歯に限局している。したがって局所に原因があると考えられる。

  ③患者による申告では違和感は訴えなかった。したがって罹患時期などの把握はできなかった。

  ④エックス線写真により歯根の近接状態を認める。したがって早急になんらかの処置を施さなければ、歯槽骨の吸収はすみやかに進んでいくことが考えられる。

  ⑤軟らかい組織の様子から、比較的時間が経過していないと考えられる。

  ⑥自覚症状がなく、患者による訴えはなかった。

  ⑦プロービングにより易出血性を示した。

   ・・・以上のことから、本症例では、すみやかに確実なプラークコントロールができる環境、これ以上の症状の悪化を防ぐ環境に整える必要がある。

      そのため歯周外科処置で歯肉の形態を調整する。

 

《感想・考察》

 患者さんの状態はいつも同じではありません。その時々で常に変化しています。

また同じ口腔内でも部位によって異なり、症状の出る背景には全身状況や心理的要素も

深く関わっています。

 目で観察できることは限られていますが、そのサインや症状は身体が出している重要

な情報だということを頭において、患者さんへの対応に活かしていきたいです。今回の

レポートでまとめたような情報を、正しく認識して日々の診療に役立てていきたいと思

います。

                                     衛生士 西内 

  2014/07/16   ふくだ歯科
タグ:歯周病

「洗口剤の適切な使い方が正常な治癒へと導く」について、勉強会で発表して

 

洗口剤は、使い方によっては創傷治癒の妨げに!

歯周外科手術後やインプラント手術直後は、歯ブラシ等のちょっとした刺激で出血しやすく、機械的な清掃を避けたい時期。しかし、創傷治癒がなされる為には、手術部位を清潔に保つ必要があり、洗口剤で局所を消毒する事が有効。消毒薬の中でもクロルヘキシジングルコネート(CHX )は最も広く使われている。しかし、CHXを手術後に用いる時は慎重にならなければいけない。CHXには副作用がある他、創傷治癒に不可欠な繊維芽細胞に影響を与えるからだ。これを「細胞毒性」という。細胞に対して死あるいは機能障害、増殖阻害の影響を与える性質のこと。

創傷治癒のタイムテーブル…外科手術等で創傷がつくられると、体はただちに創傷を修復する為に、炎症という反応で創傷治癒をスタートする。沢山の物質が出てきて炎症を起こす。この時に繊維芽細胞も出現。術後24時間以内に十分な量の繊維芽細胞が発現して、結合組織を修正するべくその成分であるコラーゲンを生成していく。

 

CHXの副作用

1984年、日本でアナフィラキシーショックの報告がある。1998年には、アメリカでも同じような報告がされている。CHXのアレルギーの既往のある患者では、皮膚の洗浄は勿論、歯磨剤や洗口剤等に微量でもCHXが含まれている場合は、最大の注意を払うよう喚起している。アナフィラキシーショックほどではないが、CHXの長期的連用によって、粘膜剥離や、歯表面の色素沈着、味覚の変化、創傷治癒の障害、繊維芽細胞の歯根面への付着の減少がある。

 

上記の創傷治癒のタイムテーブルに示す通り術後最初の24時間で十分な量の繊維芽細胞の出現が必要で、それによってコラーゲンが生成され、創傷治癒を速やかに促す事ができる。CHXの使用は、術後約24時間経ってから、と指示。

全身疾患の存在や薬物の長期服用等の影響が、結合組織を創るコラーゲン、またコラーゲンを創る繊維芽細胞等の物質へ何らかの影響を及ぼしている事は想像できるので、普段身近にある洗口剤でも、その使い方に注意をする必要がある。また、前述のようなアレルギー反応も稀ではあるが存在する。洗口剤等の薬理効果については、良い部分だけでなく、必ず好ましくない効果についても知らなければならない。

 

〈感想〉例えばコンクールFは高い殺菌・静菌作用があり使用感もすっきりするので、ブラッシング時によく用いるが、これもCHX洗口剤に分類される。稀ではあるがアレルギー反応も存在する事を意識し、注意していきたい。           衛生士 千田

  2014/07/07   ふくだ歯科
タグ:創傷治癒

「歯周病は薬で治る?」について、勉強会で発表して

歯周病には薬は意味はないのでしょうか?そうではありません。

できあがった細菌バイオフィルムには効き目が悪くても、いったん細菌バイオフィルムを除去した根面に

抗生剤を振りかければ、最近バイオフィルムの再形成を遅らせることが出来ます。

 

<ポケット内の細菌に抗菌剤を届かせる方法>

  • 局所投与・・・ポケットの外から抗菌薬を入れる。

「洗浄」:ポピドンヨード(イソジン)、クロルヘキシジン(ConCool)など

  クロルヘキシジンは口腔内に長時間とどまるため、洗口液としては最も優秀な抗菌剤だが、

タンパク質で不活化する性質があるため、タンパク質が多いポケット内では洗浄液には

ポピドンヨードが推奨される。

「LDDS(Local Drug Delively System)」:ペリオクリン、ぺリオフィール、ヒノポロンなど

  経口投与と比較して、少量で済み、副作用や腸内細菌への影響などがない点が利点といえる。

  • 全身投与・・・内服した抗生剤を歯肉溝浸出液と一緒に染み出させる。

 「ペニシリン系、セフェム系」:ポケット内濃度は血中より下がる。

 「テトラサイクリン系」:血中濃度の数倍まで上昇する。

 

<当院にある局所投与抗生剤>

ペリオフィール/ペリオクリン

主成分 ミノサイクリン塩酸塩

  抗菌スペクトルは他のテトラサイクリン系抗生物質よりも広い。抗菌性は静菌的である。生体内半減期が

長いため、血漿中濃度は他のテトラサイクリン系抗生物質よりも2-4倍高く保たれる。

ヒノポロン口腔用軟膏

 主成分 ヒノキチオール

  殺菌力や抗菌力があり、養毛剤や基礎化粧品にも使われる。

歯周病の予防、治療に用いられる。ヒノキチオールの殺菌力の特徴は、幅広い微生物に対して殺菌力を

発揮するということと、わずかな濃度で微生物の発生を阻止する効果がある。

ちなみに生葉(小林製薬薬用歯磨き)にも入っている。

コンクールF 

主成分 グルコン酸クロルヘキシジン

  薬用洗口液などに添加され、歯肉炎などの歯周病を軽減・予防する効果があるとされる。

 

<感想>

日頃何気なく使用している抗生剤についてもう一度自分で調べなおすことで大変勉強になった。たくさんの種類の抗生剤が現在存在し、また新しい抗生剤が開発されているため、その都度勉強し、患者さんの症状にあった抗生剤を選択することで、治療に役立てたいと思う。 

                                                      歯科医師  太田

  2014/06/29   ふくだ歯科
タグ:歯周病

「歯のホワイトニング(実践編)」について、勉強会で発表して

 

 

1.カウンセリング

 ☆患者と医療者側との信頼関係を築く(ラポールの形成)

 ☆患者の要望・悩みを把握し、お互いのゴールを一致させる

2.口腔内検査

 ①歯の状態…う蝕、亀裂、形成不全、磨耗、咬耗、楔状欠損、知覚過敏、歯髄の状態、歯冠修復物など

 ②歯の色調…シェードテイキング(視感比色、機械測色)、口腔内写真撮影

 ③歯列の状態

 ④口腔内清掃状態

 ⑤歯周疾患の有無とその程度

3.診断と治療計画

 ①診断

  歯の着色・変色の原因

   外因性の歯の着色・変色…コーヒー、茶、赤ワイン、タバコなどの嗜好品

   内因性の歯の変色…遺伝性疾患、代謝性疾患、歯の障害、科学物質や薬剤

 ②治療計画の立案

  1)ホワイトニング方法の選択

  2)使用薬剤の決定

   無髄変色歯…ウォーキングブリーチ法

   有髄変色歯…オフィスホワイトニング法、ホームホワイトニング法あるいは両方

を併用するデュアルホワイトニング法

 ③治療期間・通院回数・費用の確認

 ④同意書

4.インフォームドコンセント

 ホワイトニングを行うにあたって、患者に伝えるとともに確実に理解してもらわなけれ

ばいけない事項が多くあります。患者の納得が得られるまで十分に説明し、その後にホワイトニングに着手することに同意していただきます。

 

※ホワイトニング後に注意すべき食品

ホワイトニング直後…柑橘系飲食物などの酸性食品                                      ホワイトニング後24~48時間…コーヒー、茶、コーラ、赤ワイン、タバコ、醤油、ソース、マスタード、ケチャップ、ベリー類などの色の濃い飲食物                                                5.処置                                                                ①前処置                                                                      必要に応じて、口腔内清掃指導、スケーリングあるいはPMTCを行います。                        ②ホワイトニング                                                                   6.評価                                                                            ①色調の比較                                                                      ②患者の満足度                                                                      十分な満足度が得られない場合は①ホワイトニング回数を増やす.②ホワイトニング期間を伸ばす         ③他のホワイトニング法の併用を検討することなどが必要です。                                      7.修復物の再製の必要性                                                             8.メインテナンス

 ホワイトニング効果を高めるためのセルフケアとプロフェッショナルケア、そして健康で白い歯を維持するためのメインテナンスの継続が必要となります。

   ①セルフケア

   ホワイトニングの効果を維持するためには、毎日の適切なセルフケアが大切であることを説明し、患者に認識していただくことが大切です。

     ②プロフェッショナルケア

通常3~6ヶ月の間隔で来院していただき、PMTCを行います。プロフェッショナルケアをしながら後戻りの程度を観察します。

③タッチアップホワイトニング(再ホワイトニング)                                      後戻りの程度、口腔内の状態、患者の生活環境に応じて、オフィス、ホーム、デュアルホワイトニングを選択します。

 

《まとめ・感想》

ホワイトニングコーディネーター講習会に参加させていただき、実践編をレポートにまとめました。

歯科衛生士の重要な役割として、患者に対するカウンセリング、セルフケアの指導、プロフェッショナルケアが挙げられ、どれもホワイトニングには欠かすことのできません。正しい情報を提供し、より効果的な、そして何より患者が安心してホワイトニングを行えるよう努めたいと思います。

                             衛生士  関口 

  2014/06/22   ふくだ歯科