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スタッフレポート

スタッフによるレポートを掲載しています。

「歯肉炎、何を診て何を考える」について、勉強会で発表して

★炎症の原因をつきとめるには、患者と歯肉の十分な観察を!

 どんな疾患においても、原因や病理的特徴、細菌学的特徴、免疫学的特徴、遺伝学的特徴などを把握することが重要。それにより診断や治療に必要な情報を得ることが出来る。

  原因や特徴を把握するためには①病歴(医科・歯科)の収集

                ②歯肉の症状・サインの読み取り

                ③病理検査(症状により行わない場合もある)

                                の3項目を行う

 ①「患者を知る」は歯肉を診るうえで欠かせない

   歯肉に影響を及ぼす全身疾患や薬物などの知識をどれだけもっているか、そして

   病歴等の患者の情報をどれだけ収集できるかがカギ。

    〈歯肉に影響をもたらすもの〉

    *プラークに起因する歯肉炎の場合

      ・ホルモン動態の変化(妊娠性の歯肉炎、思春期性の歯肉炎)

      ・薬物

      ・全身疾患…糖尿病、アレルギー(金属、アマルガム)など

      ・栄養状態

    *プラークに起因しない歯肉炎の場合  *その他

      ・特定の細菌             ・食べ物(チューイングガムなど)

      ・ウイルス              ・化学物質(歯磨剤、洗口剤など)

      ・真菌                ・物理的損傷、怪我、温熱刺激

      ・遺伝的

 ②細部まで見逃さないで!歯肉の症状・サイン

   *歯肉溝の温度…34℃前後

   *色調…コーラルピンク色(サンゴ色)が通常だが、色素沈着のある場合もある。

       黒人では歯肉の色素沈着は通常みられるもの。

   *きめ…引き締まっている、抵抗性がある。

   *歯肉の外形…歯間乳頭部の歯肉はその空隙をうめている。

          歯肉辺縁はスキャロップ型あるいは平坦なタイプのこともある。

   *出血…プロービング時に出血を認めない

   *歯肉溝からの浸出液…最小限

 

★歯肉の症状・サインの観察ポイント

 ①歯肉の炎症の広がる方向、波及する部位

  →炎症部位が拡散されて、大きな範囲に広がっていくことがある。

   炎症の波及は、組織の比較的抵抗性の少ないところから進行していくのが常。

   みえている炎症のサインの局所に必ずしも原因が潜んでいるわけではない。

 ②歯肉の炎症の範囲

  →必ずしも炎症の範囲が広いからといって重症とはいえない。

   限局した歯肉炎でも、急激に進行するものもある。

   なぜ範囲が限局しているのかを考えることも大切。

    ex)上顎前歯に限局…補綴物の辺縁の不適合、口呼吸、口唇の安静時の閉鎖状況等

 ③炎症や違和感の期間

  →問診により、違和感に気付いた時期、その期間、違和感や疼痛の程度と頻度などを確認する。

    ※多くの場合、初期の歯肉炎では自覚症状が希薄。

     ブラッシング時出血をみたときに初めて異常に気付くことが多い。

 ④炎症の程度

  →判定にはいくつかの方法がある。いずれかの方法を用いて進行の程度をみていく。

    ex)Gingivalindex(GI)、BOPなど

 ⑤歯肉のきめ:硬さ、軟らかさ

  →歯肉の色調やきめの状態(硬い、軟らかい)を把握して記録する。

    ※プローブ側面を歯肉に平行にあてて周囲の組織の可動性や、最小限の組織の圧迫によってできる貧血帯を調べるという方法がある。

 ⑥疼痛・違和感

  →患者の言葉そのままの訴えを記録し、比較して診療に役立てることが大切。

   疼痛や違和感が持続的なのか、間欠的なのかも把握する。

 ⑦出血傾向

  →プロービング時の出血は、疾患の活動性を判断するうえで非常に重要。

   プロービングなしに自然出血している場合も見逃してはいけない。

    ※持続的あるいは間欠的な自然出血では、全身疾患の存在が考えられる。

     ex)白血病などの血液疾患や抗血液凝固剤の使用、肝疾患、消化器疾患など

    ※心内膜炎の既往を持つ患者や人口ヒップなどの装置を最近装着した患者では、感染の配慮からプロービング自体が禁忌。

・・・サイン、症状を把握するためには、これら(①~⑦)の臨床的観察に加えて、ポケットの深さ、歯肉退縮の様相、歯の動揺度、エックス線写真などによる検査も行う。

 

★症例で再確認!歯肉炎の症状・サインの読み取り

 〈矯正治療で臼歯にバンドを装着する必要があるため、歯周病科に紹介された患者〉

  ①臼歯間に歯肉の発赤と腫脹を認める。特に口蓋側に顕著。

  ②ほとんど臼歯に限局している。したがって局所に原因があると考えられる。

  ③患者による申告では違和感は訴えなかった。したがって罹患時期などの把握はできなかった。

  ④エックス線写真により歯根の近接状態を認める。したがって早急になんらかの処置を施さなければ、歯槽骨の吸収はすみやかに進んでいくことが考えられる。

  ⑤軟らかい組織の様子から、比較的時間が経過していないと考えられる。

  ⑥自覚症状がなく、患者による訴えはなかった。

  ⑦プロービングにより易出血性を示した。

   ・・・以上のことから、本症例では、すみやかに確実なプラークコントロールができる環境、これ以上の症状の悪化を防ぐ環境に整える必要がある。

      そのため歯周外科処置で歯肉の形態を調整する。

 

《感想・考察》

 患者さんの状態はいつも同じではありません。その時々で常に変化しています。

また同じ口腔内でも部位によって異なり、症状の出る背景には全身状況や心理的要素も

深く関わっています。

 目で観察できることは限られていますが、そのサインや症状は身体が出している重要

な情報だということを頭において、患者さんへの対応に活かしていきたいです。今回の

レポートでまとめたような情報を、正しく認識して日々の診療に役立てていきたいと思

います。

                                     衛生士 西内 

  2014/07/16   ふくだ歯科
タグ:歯周病

「洗口剤の適切な使い方が正常な治癒へと導く」について、勉強会で発表して

 

洗口剤は、使い方によっては創傷治癒の妨げに!

歯周外科手術後やインプラント手術直後は、歯ブラシ等のちょっとした刺激で出血しやすく、機械的な清掃を避けたい時期。しかし、創傷治癒がなされる為には、手術部位を清潔に保つ必要があり、洗口剤で局所を消毒する事が有効。消毒薬の中でもクロルヘキシジングルコネート(CHX )は最も広く使われている。しかし、CHXを手術後に用いる時は慎重にならなければいけない。CHXには副作用がある他、創傷治癒に不可欠な繊維芽細胞に影響を与えるからだ。これを「細胞毒性」という。細胞に対して死あるいは機能障害、増殖阻害の影響を与える性質のこと。

創傷治癒のタイムテーブル…外科手術等で創傷がつくられると、体はただちに創傷を修復する為に、炎症という反応で創傷治癒をスタートする。沢山の物質が出てきて炎症を起こす。この時に繊維芽細胞も出現。術後24時間以内に十分な量の繊維芽細胞が発現して、結合組織を修正するべくその成分であるコラーゲンを生成していく。

 

CHXの副作用

1984年、日本でアナフィラキシーショックの報告がある。1998年には、アメリカでも同じような報告がされている。CHXのアレルギーの既往のある患者では、皮膚の洗浄は勿論、歯磨剤や洗口剤等に微量でもCHXが含まれている場合は、最大の注意を払うよう喚起している。アナフィラキシーショックほどではないが、CHXの長期的連用によって、粘膜剥離や、歯表面の色素沈着、味覚の変化、創傷治癒の障害、繊維芽細胞の歯根面への付着の減少がある。

 

上記の創傷治癒のタイムテーブルに示す通り術後最初の24時間で十分な量の繊維芽細胞の出現が必要で、それによってコラーゲンが生成され、創傷治癒を速やかに促す事ができる。CHXの使用は、術後約24時間経ってから、と指示。

全身疾患の存在や薬物の長期服用等の影響が、結合組織を創るコラーゲン、またコラーゲンを創る繊維芽細胞等の物質へ何らかの影響を及ぼしている事は想像できるので、普段身近にある洗口剤でも、その使い方に注意をする必要がある。また、前述のようなアレルギー反応も稀ではあるが存在する。洗口剤等の薬理効果については、良い部分だけでなく、必ず好ましくない効果についても知らなければならない。

 

〈感想〉例えばコンクールFは高い殺菌・静菌作用があり使用感もすっきりするので、ブラッシング時によく用いるが、これもCHX洗口剤に分類される。稀ではあるがアレルギー反応も存在する事を意識し、注意していきたい。           衛生士 千田

  2014/07/07   ふくだ歯科
タグ:創傷治癒

「歯周病は薬で治る?」について、勉強会で発表して

歯周病には薬は意味はないのでしょうか?そうではありません。

できあがった細菌バイオフィルムには効き目が悪くても、いったん細菌バイオフィルムを除去した根面に

抗生剤を振りかければ、最近バイオフィルムの再形成を遅らせることが出来ます。

 

<ポケット内の細菌に抗菌剤を届かせる方法>

  • 局所投与・・・ポケットの外から抗菌薬を入れる。

「洗浄」:ポピドンヨード(イソジン)、クロルヘキシジン(ConCool)など

  クロルヘキシジンは口腔内に長時間とどまるため、洗口液としては最も優秀な抗菌剤だが、

タンパク質で不活化する性質があるため、タンパク質が多いポケット内では洗浄液には

ポピドンヨードが推奨される。

「LDDS(Local Drug Delively System)」:ペリオクリン、ぺリオフィール、ヒノポロンなど

  経口投与と比較して、少量で済み、副作用や腸内細菌への影響などがない点が利点といえる。

  • 全身投与・・・内服した抗生剤を歯肉溝浸出液と一緒に染み出させる。

 「ペニシリン系、セフェム系」:ポケット内濃度は血中より下がる。

 「テトラサイクリン系」:血中濃度の数倍まで上昇する。

 

<当院にある局所投与抗生剤>

ペリオフィール/ペリオクリン

主成分 ミノサイクリン塩酸塩

  抗菌スペクトルは他のテトラサイクリン系抗生物質よりも広い。抗菌性は静菌的である。生体内半減期が

長いため、血漿中濃度は他のテトラサイクリン系抗生物質よりも2-4倍高く保たれる。

ヒノポロン口腔用軟膏

 主成分 ヒノキチオール

  殺菌力や抗菌力があり、養毛剤や基礎化粧品にも使われる。

歯周病の予防、治療に用いられる。ヒノキチオールの殺菌力の特徴は、幅広い微生物に対して殺菌力を

発揮するということと、わずかな濃度で微生物の発生を阻止する効果がある。

ちなみに生葉(小林製薬薬用歯磨き)にも入っている。

コンクールF 

主成分 グルコン酸クロルヘキシジン

  薬用洗口液などに添加され、歯肉炎などの歯周病を軽減・予防する効果があるとされる。

 

<感想>

日頃何気なく使用している抗生剤についてもう一度自分で調べなおすことで大変勉強になった。たくさんの種類の抗生剤が現在存在し、また新しい抗生剤が開発されているため、その都度勉強し、患者さんの症状にあった抗生剤を選択することで、治療に役立てたいと思う。 

                                                      歯科医師  太田

  2014/06/29   ふくだ歯科
タグ:歯周病

「歯のホワイトニング(実践編)」について、勉強会で発表して

 

 

1.カウンセリング

 ☆患者と医療者側との信頼関係を築く(ラポールの形成)

 ☆患者の要望・悩みを把握し、お互いのゴールを一致させる

2.口腔内検査

 ①歯の状態…う蝕、亀裂、形成不全、磨耗、咬耗、楔状欠損、知覚過敏、歯髄の状態、歯冠修復物など

 ②歯の色調…シェードテイキング(視感比色、機械測色)、口腔内写真撮影

 ③歯列の状態

 ④口腔内清掃状態

 ⑤歯周疾患の有無とその程度

3.診断と治療計画

 ①診断

  歯の着色・変色の原因

   外因性の歯の着色・変色…コーヒー、茶、赤ワイン、タバコなどの嗜好品

   内因性の歯の変色…遺伝性疾患、代謝性疾患、歯の障害、科学物質や薬剤

 ②治療計画の立案

  1)ホワイトニング方法の選択

  2)使用薬剤の決定

   無髄変色歯…ウォーキングブリーチ法

   有髄変色歯…オフィスホワイトニング法、ホームホワイトニング法あるいは両方

を併用するデュアルホワイトニング法

 ③治療期間・通院回数・費用の確認

 ④同意書

4.インフォームドコンセント

 ホワイトニングを行うにあたって、患者に伝えるとともに確実に理解してもらわなけれ

ばいけない事項が多くあります。患者の納得が得られるまで十分に説明し、その後にホワイトニングに着手することに同意していただきます。

 

※ホワイトニング後に注意すべき食品

ホワイトニング直後…柑橘系飲食物などの酸性食品                                      ホワイトニング後24~48時間…コーヒー、茶、コーラ、赤ワイン、タバコ、醤油、ソース、マスタード、ケチャップ、ベリー類などの色の濃い飲食物                                                5.処置                                                                ①前処置                                                                      必要に応じて、口腔内清掃指導、スケーリングあるいはPMTCを行います。                        ②ホワイトニング                                                                   6.評価                                                                            ①色調の比較                                                                      ②患者の満足度                                                                      十分な満足度が得られない場合は①ホワイトニング回数を増やす.②ホワイトニング期間を伸ばす         ③他のホワイトニング法の併用を検討することなどが必要です。                                      7.修復物の再製の必要性                                                             8.メインテナンス

 ホワイトニング効果を高めるためのセルフケアとプロフェッショナルケア、そして健康で白い歯を維持するためのメインテナンスの継続が必要となります。

   ①セルフケア

   ホワイトニングの効果を維持するためには、毎日の適切なセルフケアが大切であることを説明し、患者に認識していただくことが大切です。

     ②プロフェッショナルケア

通常3~6ヶ月の間隔で来院していただき、PMTCを行います。プロフェッショナルケアをしながら後戻りの程度を観察します。

③タッチアップホワイトニング(再ホワイトニング)                                      後戻りの程度、口腔内の状態、患者の生活環境に応じて、オフィス、ホーム、デュアルホワイトニングを選択します。

 

《まとめ・感想》

ホワイトニングコーディネーター講習会に参加させていただき、実践編をレポートにまとめました。

歯科衛生士の重要な役割として、患者に対するカウンセリング、セルフケアの指導、プロフェッショナルケアが挙げられ、どれもホワイトニングには欠かすことのできません。正しい情報を提供し、より効果的な、そして何より患者が安心してホワイトニングを行えるよう努めたいと思います。

                             衛生士  関口 

  2014/06/22   ふくだ歯科

ホワイトニングコーディネーター講習会に参加して

歯のホワイトニング 基礎編

 

 

)1.ホワイトニングとは…歯の漂白(ブリーチ)

2.ホワイトニングコーディネーター制度

☆歯科衛生士の職域を越えてはならない

歯科衛生士の行う事柄(補助)

◆カウンセリング・ホワイトニングについての説明

        ◆歯科医師の指示の下

…術前の状態の記録・ホワイトニング効果の判定・歯面清掃・ホワイトニング処置

 

)1.ヒトの歯の色

比較的透明なエナメル質を透過して、不透明で淡黄色の象牙質が見えることにより知覚される。

☆象牙質の厚い犬歯は黄色っぽく見える

☆乾燥すると白く見える

   2.歯の測色と記録…L***

L*…明るさ(明度)→100=白、0=黒

a*…色相(赤み)→+a=+赤、-a=-緑

b*…色相(黄色み)→+b=+黄、-b=-青

   3.歯の測色における留意点

     測色計による色調の測定(商品名:クリスタルアイ測色計)

     術前・術中・術後の口腔内写真の撮影

     片顎ずつ行う事も重要

 

シェードテイキング…最も明度が高い(白い)のはB1

 

)歯の着色・変色

ファインマンのテトラサイクリン変色歯分類

F1…淡い黄色、褐色、灰色で歯冠全体が一様に着色されていて、縞模様は見られない…漂白◎

F2…第1度よりは濃く歯冠全体が一様に着色されていて、縞模様は見られない…漂白○

F3…濃い灰色、青みがかかった灰色で縞模様を伴うもの…漂白△

F4…着色が強く、縞模様も著名なもの…漂白×

 

テトラサイクリン系薬剤による歯の変色のメカニズム

・歯冠形成期に投与されたテトラサイクリンが硬組織内に取り込まれ、象牙質中にテトラサイクリン

-リン酸塩を形成→太陽光線が当たると光化学反応により色調変化を起こし、黄色から褐色を呈する。

・徐々に変色が濃くなる。

 

)ホワイトニングのメカニズム

ホワイトトニング材

オフィス…3.5~35%過酸化水素

ホーム…10%過酸化尿素

ウォーキングブリーチ…30~35%過酸化水素水+過ホウ酸ナトリウム

過酸化水素の分解と漂白作用

活性酸素が着色有機成分を色の薄い物質or無職の物質に分解する

 

ホワイトニング材の歯質内部への作用

☆変色しているのはほとんどが象牙質

☆象牙質内部まで浸透する

→ホワイトニング材は歯の表面のみならずエナメル質を透過して、

エナメル象牙境、象牙質まで漂白される。

 

 

)ホワイトニングの安全性

ホワイトニングの適応症、非適応症ならびに禁忌症

1.有髄歯

適応症

増齢に伴う変色(黄ばみ)

…年齢とともにエナメル質が薄くなり黄ばんだ象牙質の色を透過して見えている

・軽度のテトラサイクリン変色歯(Feinmanらの分類第1、2度)

・軽度のフッ素症

 

非適応症ならびに注意を要する症例

・重度ならびに縞模様のあるテトラサイクリン変色歯(Feinmanらの分類第3、4度)

・重度の石灰化不全のあるもの

・重度の象牙質知覚過敏症

・形成不全など実質欠損の大きいもの

・エナメル質の切縁が黒っぽく見えるもの

          →切縁の色調は変わらない(口腔内の暗い色を透過しているから)

・(注)エナメル質に亀裂のあるもの

→知覚過敏の可能性が大きい…検査の時によくエアをかけてチェック

…鏡を見せてKr.に説明

・(注)コンポジットレジンなど大きな修復物があるもの →レジンの色調は変化しない

・(注)軽度の石灰化不全 →(一時的に)縞模様が目立つ

 

2.無髄歯

適応症→歯髄疾患による変色

・歯髄死による象牙質内有機質の変性

・打撲による出血歯髄死

・失活剤による歯髄出血

・抜髄時の不完全な止血

・不適切な修復による歯髄死

・抜髄、根管治療時の歯髄の取り残し

 

非適応症

・金属物質による変色(アマルガム、メタルコア)

・歯質が不十分なもの

・仮封がしにくいもの

・根未完成歯

 

3.全身的な要因による禁忌症(有髄歯および無髄歯)

無カタラーゼ症(過酸化水素を分解する酵素であるカタラーゼを持たない)

→ホワイトニング時に発生する活性酸素が口腔内や血管内の赤血球に働きかけ

口腔壊死を起こしてしまう

・妊娠中、授乳中の女性

・小児

・光線過敏(オフィスホワイトニング)

・呼吸器疾患(ホームホワイトニング)

 

 

30~35%高濃度過酸化水素

→軟組織に付着した場合、ただちに多量の水で洗い流す

10%過酸化尿素

3.6%の過酸化水素と6.4%の尿素に分解される

 

 

 

 

)ホワイトニングの問題点

1.象牙質知覚過敏症

知覚過敏が生じた場合、ただちにホワイトニングを中止

→シュウ酸やCPP-ACPなどを含む薬剤などで象牙質知覚過敏処置を行う

→症状の改善後は時間を短くして再開

 

2.後戻り

ホワイトニング直後はエナメル質表面を覆っているペリクル(ムチンによる歯面の保護膜)

が除去されるため、歯面に色素が付着しやすい

→オフィスホワイトニングの施術後24時間、ホームホワイトニングの実施期間中は、

着色しやすい飲食物摂取を避けるよう指導

 

ホワイトニング後、2週間くらいの間に多少の後戻りがありますが、その後は比較的安定する。

1か月から3か月に1回程度のPMTCを促し、必要に応じてタッチアップホワイトニング(再漂白)を行う。

 

)ウォーキングブリーチ法

無髄歯の髄腔内に漂白剤30~35%過酸化水素水と過ホウ酸ナトリウムの混合ペースト)

を封入し、内部から漂白する方法

 

)デュアルホワイトニング(コンビネーションホワイトニング)

同一歯に対して2種類のホワイトニング法を併用する方法…ホーム+オフィス

 

 

【感想・考察】

ホワイトニングコーディネーター講習会に参加させて頂き、基礎編をレポートとしてまとめてみました。講習会では、教科書通りにはいかない診療現場での実情と実際的な内容を、エビデンスと、先生方のこれまでの経験に基づいた、テキストにこだわらない講義をして下さり、大変興味深かったです。知っていることもありましたが、それ以上に初めて知り得た情報も多く、有意義な一日となりました。今まで何気なく行なっていたことや部分的に知っていた内容など、自分の中で“点”として存在していたものが一つに繋がったようなそんな感覚もあり、「あぁ、そういうことだったのか」と大いに納得出来ました。講習会に参加することが出来て本当に良かったと感じています。

                                                         衛生士 河本

  2014/06/01   ふくだ歯科

平成25年度 岡山県歯科医師会医療安全研修会に参加して

ヒューマンエラーと医療安全

      損保ジャパン日本興亜リスクマネジメント(株)  橋本 勝先生

 

1.医療リスクマネジメント概論

  ★医療の質・安全の契機となった医療事故

     ex)京都大学病院事件

  ★“To error is human“

   ☆年間4万4千人~9万8千人の患者が医療事故により死亡

   ☆交通事故やエイズよりもアメリカ人の死因の大きな割合を占める

   ☆投薬ミスによる死亡者数も、年間約7千人に上る

  ★歯科診療における賠償事故の特徴

 

2.患者さんとのコミュニケーションの重要性

  ★歯科における医療事故の事例

  ★苦情発生の一例

  ★苦情発生の下地

    ☆治療期間の延長について納得いただいていますか?

    ☆適切な説明無しに時間を守っている患者さんをお待たせしていませんか?

    ☆会計上のトラブルはありませんでしたか?

    ☆専門用語を使わずに患者さんに病状を説明していますか?

    ☆患者さんの不満・悩みを聞き流していませんか?

        ⇒知らず知らずのうちに、苦情発生の下地を作っているかもしれません

   *2011年受療行動調査(厚生労働省)

     医師から受けた説明に対する疑問や意見

      →13.7% 十分に伝えられなかった

            理由:質問しにくい雰囲気だった

               的外れな疑問や意見のような気がした など

  ★伝えたこと≠伝わったこと

     コミュニケーションのズレが原因のことが多い

      (勝手な解釈、思い込み、意味の取り違え)

★説明時の状況を記録に残す

     【記載項目】

       ・説明時間(○時○分~△時△分)

       ・説明時の内容、様子を再現できるくらい

         患者さん側からの質問と、それに対する医療側の回答

         患者さん側の反応等(うなずいていた、メモをとっていた等)

       ・質問が無ければ

          「質問の有無を尋ねたが、質問が無かった」と記載

    ☆記載時の注意点

①前もって、これから行う処置やケアを記録しない

②自分が実際に見ていない患者さんの記録をしない

③記録の途中で行を空けない →書き忘れ等の誤解を与える                                                  ④思考過程が見えない、行動(実践)につながらない書きっぱなしの情報・アセスメント、は適切ではない                         ⑤勝手に要約しない…言った通りに書いておく                                               ⑥擦ると消えるボールペンは使用しない、職場におかない

    ☆説明用語はわかりやすいですか?

    ☆コミュニケーションの種類

     ・バーバルコミュニケーション(言語的コミュニケーション)

     ・ノンバーバルコミュニケーション(非言語的コミュニケーション)

    ☆良い話し手とは

     ・相手(目や顎など)を見て、ゆっくり話す

       →信頼関係の構築

     ・身近なものに例えて、分かりやすい言葉を使って話す

       →写真や絵を使用(イメージの共有)

     ・相手の理解するペースに合わせて話す

       →相手のノンバーバルに注視(うなずきのリズム、視線の先 等等)

     ・「常識」「共通認識」を捨てる

       →「自分の常識」=「相手の常識」と思わない

 *コミュニケーションはずれやすいことを肝に銘じ、常に確認を怠らないこと!

   →医療事故や訴訟、クレームを防ぐ1番のポイントとなる

〔まとめ〕クレームに発展させないために

  ◎医療者の常識≠患者、家族の常識

  ◎相手・自分のノンバーバルコミュニケーションに要注意

  ◎接遇は自分の身を守る1つの手段

 

3.ヒューマンエラーと医療事故

  ★医療事故の発生要因

   1位 確認を怠った→「確認をきちんとする」

   2位 観察を怠った→  「観察を怠らない」・・・でいいのでしょうか?

   ①関心のあるものに注意が向く

   ②強い注意が向けば、その範囲が狭くなる

   ③注意力は持続できない

   ④強い注意の後に弛緩がくる

     ⇒注意にも限度がある⇒システムによるエラー対策!! 

  ★安全意識低減の法則

    ・安全意識は、事故が発生しない限り単調に減少する

       →安全状態が続くほど安全意識が低下し事故発生の準備が整う

★偽りの記憶

・記憶に頼った作業には、虚記憶の入り込む余地がたくさんある →薬品やカルテの記載事項、医療用具の有無などの確認は、記憶に頼らず、現物を前にして目で見ながら確認しなければならない                                                         *個々の確認精度を上げる方法                                                                   ○指差し確認を行う                                                                       ○確認済みのものと未確認のものの区別を明確にする                                                ○ゆっくり確認する                                                                     ○誰が確認したかが分かるようにする                                                      ○中断しない                                                                             ○複数で行う場合は役割分担を明確にする                                                       ★危険感受性                                                                       一般の大学生と看護学生に対して行ったテスト結果                                                    目に見えない危険に関しては看護学生のほうが気付いたが、目に見える危険に関しては一般学生のほうがたくさん気付いた                                                                          ⇒専門的な知識や経験が増すと、一般の人が危ないと思うような当たり前の目に見える危険に対する意識はおろそかになっていく可能性を示唆                                                              ★錯誤                                                                              新人の行動:意識的に注意しながら行動する                                                    ⇒意識しすぎると他に注意がいかなくなり、上手く実行できなくなる                                         ベテランの行動:体に刷り込まれていて意識せず(無意識)に何かのきっかけで行動する                                        ⇒普段と異なる作業変更なのに、普段どおり作業してしまう                                             ★同じエラーが繰り返されるときは…                                                           何が起きたのか⇒調査・確認⇒分析⇒システムへの対策立案                                          →ヒューマンエラーの追及の前にシステムの問題に目を向ける                                           〔まとめ〕ヒューマンエラーと医療事故                                                         ◎ヒューマンエラーを0にすることは難しいが、減らすことは可能                                       ◎慌てているときは、事故が発生しやすいという意識を持つ                                               ◎エラー情報(知識・経験)の共有                                                            ◎ヒヤリ・ハット段階で対策を実行し、事故に至らないようにする                                      《感想・考察》                                                                         医療事故の発生要因の大半は”確認を怠った””観察を怠った”という小さなミスです。                               どんなに注意していても「人は誰でも間違える」ということを理解した上で、エラーの発生率を極力低くし、事故を未然に防げるよう常に意識して診療に臨みたいと思います。                 衛生士 西内                                                                                         

  2014/04/23   ふくだ歯科

平成25年度 第5回 ホワイトニングアドバンスセミナーに参加して

 

千田彰先生(日本歯科審美学会会長/愛知学院大学歯学部保存修復学講座教授)

 全ての歯科医療の結果は審美的であるべき。患者さん・社会が歯科医療に求めるものが変わってきている。①歯の色 ②口のにおい ③歯並び ④歯茎の状態 ⑤歯の痛み …

審美歯科の意義…歯科医療は、健康で幸せな長寿・質の高い生活を実現させる。きれいな笑顔をつくる事を目的とする。

 検査→診断→治療→予防(プロの管理のもと)   予防の先頭に立つのがDH!

 

講演Ⅰ「歯科衛生士と歯科審美の広がり」 日本歯科審美学会副会長 武井典子先生

近年の衛生士を取り巻く「保健・医療・介護・福祉」の環境の変化

 口腔機能に着目(医療の場でも歯科衛生士が期待されている)…口腔機能維持・向上 全身の健康へのアプローチ 高齢化の進展・疾病構造の変化(疾病により口腔ケアが異なる)

 口腔の健康…口腔細菌コントロール 口腔機能維持・向上 栄養の構築 健康生活 QOLの向上   →このサイクルの中で健康な口腔を作っていく事ができる。

 今後は、口腔ケアマネジメント(Dr.の指示のもと、高齢者の口腔ケア)をどんどんしていく必要がある。

 

色々なデータから… 患者さんに、お口の中でとても重要だと思う事は?と聞くと、よく噛める、歯肉が健康、という答えが多い。お口の中で気になる事は?と聞くと、色、におい、という答えが多い。

雑誌「プレジデント」のデータより…男性や70歳以上の方が健康面で後悔している事は? ①歯の定期検診 ②スポーツで体力強化 ③ウォーキング

 

ホームケア支援のポイント ①患者さんとのコミュニケーションアップ(+の気持ちで働きかける) ②口腔の重要性のモチベーションアップ ③自分の口腔の問題点を客観的に知る(多項目唾液検査システム…簡便、短時間、多項目であること) ④自分で決めて実行する力を高める ⑤ホームケアの有効性を実感する

 

講演Ⅱ「ホワイトニングコーディネーターの次なる視点 ―白い歯の意味するところ―」ナグモ歯科赤坂クリニック 田島菜穂子先生

 

ホワイトニングの難しさ→期待していた白さになったか、しみたり痛みはないか。

ホワイトニング…漂白して白くする

世間では「ホワイトニング」という言葉が一人歩きして「サロン」やマンションの個室でやっている…医療行為ではないホワイトニング

ホワイトニングは術前のカウンセリングが最も大切 ①ゴールをお互いにしっかり見る。(求める白さの度合いを確認) ②ホワイトニングがどういうものなのかを説明(限界・時間・期間・回数・費用等) ③患者さんからの質問に答える(適応症・禁忌症。場合によっては、初めからベニアの方が良かったりする) 心の声を聴く…様々な価値感・主訴・過去のホワイトニング経験談 「ホワイトニングしたい」という希望→今すぐ、なのか、考えてから後日、なのか。    →処置の選択をしてもらう(同意)

 

<感想> 最近のデータからも、審美的な治療が注目されている事が分かりますが、患者さんの希望(心の声)に耳を傾けながら、仕上がりに繋げていきたいです。ホワイトニング(審美的治療)をきっかけに、表情が明るくなったり、お口の中の健康に興味を持つ患者さんが増えるといいなと感じました。                         衛生士 千田                                           

  2014/04/17   ふくだ歯科

「なんとしても守りたい6歳臼歯」について、勉強会で発表して

 

~萌出前からの継続した管理で6歳臼歯を守ろう!~

 

《萌出前の管理と指導》

保護者・子どもへの情報提供がもっとも重要!

☆この時期に考慮したいこと☆

①生えてきたことに保護者が気づきにくい。そのため、萌出直後の6歳臼歯の適切なケアがされない

②保護者が6歳臼歯を乳歯と勘違いしてしまうことが多い。そのため、萌出直後の6歳臼歯が「はじめて生える大切な永久歯である」との認識が欠け、適切な準備ができない

 

☆歯科衛生士業務のかんどころ☆

①萌出時期を推測する

6歳前後になると乳臼歯の後方の歯槽堤が膨らんできます。
それが萌出のサインですので、5歳を過ぎたら第二乳臼歯後方の歯槽堤を注意深く観察し、

萌出時期を推測します。(図1)

また、同じ時期には下顎前歯がぐらぐらして抜ける、上顎前歯に隙間(発育空隙)などの影響が出てきます。このような変化も観察します。

②う蝕予防についての健康教育

保護者の理解・強力が不可欠であるため、保護者(一番に母親)の予防に対する関心をもってもらうような教育をします。

 

《萌出開始時期の管理と指導》

特にう蝕になりやすいことを考慮したケアを!

☆この時期に考慮したいこと☆

①萌出時は歯肉弁に覆われているため、うまく咬合面を磨けない

②萌出したての歯は、石灰化が未熟で軟らかいため、脱灰しやすい

③まれに萌出の段階で形成不全を起こしている歯がある(エナメル質形成不全、減形成)

④咬合面溝が、乳歯よりも複雑かつ深いためプラークが溜まりやすい

⑤乳歯列より約1cm後方に位置し、そこまで歯ブラシを入れることは、子どもにとって難しい

 

☆歯科衛生士業務のかんどころ☆

①萌出直後の6歳臼歯の問題を見逃さない

萌出してきた6歳臼歯の状態をよく確認します。歯冠部エナメル質に形成不全や象牙質深部う蝕が発見された場合、早期に対応が必要となります。完全萌出時には歯髄まで達するう蝕に進行してしまう危険があるため、短い間隔での観察をします。

②予防の計画を立てる

③困難な部位へのケアのサポート

歯肉弁の覆われた状態では、ホームケアではプラークを完全に落とせてないことがあります。(図2)

歯肉弁に覆われた部分や咬合面溝などケアができてない部位のプラークを、プロフェッショナルケアで除去します。

④変化する口腔内の状態を記録に残す

 

萌出以降の管理と指導

近心面・遠心面のう蝕に注意!

☆この時期に考慮したいこと☆

①第二乳臼歯の脱落後、第二小臼歯の萌出スピードが速いため、6歳臼歯近心面チェックがなされない場合がある。すると近心の脱灰など病変に気づくのが遅れてしまう

②6歳臼歯が第二乳臼歯よりも低い状態で萌出している場合では、ケアが困難

③歯肉弁が取れない状態での萌出早期では、ラバーダムがかけにくくシーラントが困難

④外見上では歯冠部エナメル質に問題ないが、隠れた象牙質う蝕が起きている場合があり、見つけにくい

 

☆歯科衛生士業務のかんどころ☆

①6歳臼歯近心面の観察

6歳臼歯が萌出、側方歯の交換が進んだ10歳ごろに第二乳臼歯が脱落します。脱落後には6歳臼歯近心面に脱灰があるかを観察します。第二乳臼歯遠心にう蝕があった場合は、高確率で6歳臼歯近心面に初期う蝕が発見されます。このときを逃すと第二小臼歯と接触してしまい初期う蝕の発見が遅れます。

②定期観察中での6歳臼歯の問題を見逃さない

③時期をみてシーラント処置をする

④6歳臼歯の上下咬関係の確認

⑤成長を考慮して保護者とのコミュニケーションに努める

学年が高くなると、塾や習い事で予約が難しくなり、また保護者から離れて子ども1人での来院が多くなります。そのため保護者とコミュニケーションがとりづらくなります。

手紙や連絡ノートなどの工夫で、来院が中断しないようにする努力が一段と必要となってきます。

⑥デンタルフロスによるケア

完全萌出後には、遠心にデンタルフロスを使うように伝えます。これは、6歳臼歯だけでなく、第二大臼歯を守るためということも理解してもらいましょう。

 

《まとめ・感想》

6歳臼歯は「歯の王様」と呼ばれるとても重要な歯です。しかし、永久歯の中では最もう蝕になりやすい歯です。そのため、かかりつけ歯科医と歯科衛生士が、なるべく早い時期から支援の手を差しのべ、6歳臼歯を守っていくことが大切です。子どもの成長発育は様々です。歯科衛生士はどの時期に何をすべきか、その子どもに合わせた計画を立て、認識しておく必要があります。このことが子どもたちの将来的な正しい歯並びや噛み合せ、咀嚼の上達に繋がります。                                                          衛生士 関口                                             

  2014/04/01   ふくだ歯科
タグ:虫歯予防

「高齢期の根面う蝕ストラテジー」について、勉強会で発表して

 

あなたの患者さんがもつ危険因子はどれ?

 

一般に、人は加齢にしたがい根面う蝕のリスクが高くなります。

 全身状態や生活  ①身体機能の低下

          ②全身疾患&服薬

          ③食生活

          ④気力の低下

 高齢者特有の口腔 ①歯周病

          ②補綴物・義歯

          ③楔状欠損

          ④歯髄の変化

     上記すべてが高齢者の根面う蝕の因子と考えられる。

 

全身状態や生活

①身体機能の低下が関係する理由とは?

●手指感覚が低下し、ブラッシングや歯間ブラシがうまく使えない

●視力が低下し、自分の口の状態や病変が見えないため十分なセルフ

ケアができない

    *対策と気をつけるポイント

     セルフケアをプロフェッショナルケアでサポートしよう

      高齢者の場合、染め出しや、PCRはセルフケアができなくなって

      きた部位を術者側が確認するためと、セルフケアが低下している

      部位に対して、どうサポートする必要があるかを把握するために

      活用できる。

     口の筋力と唾液分泌量を低下させないトレーニングをしよう

      日常的も噛み応えのある食品を取り入れてゆっくり咀嚼する。

      ガムを噛むことで、咀嚼筋や唾液の分泌量が衰えないように指導

      する。必要に応じて唾液腺のマッサージや、食前の口腔周囲筋の

     ストレッチ体操等を薦める。

 

   ②全身疾患&服薬

    ●全身疾患の症状として唾液分泌量が少なくなる

    ●治療薬の副作用で口腔乾燥症になる場合がある

    ●全身疾患が原因で体が動かしづらく、セルフケアが困難である

   *対策と気をつけるポイント   

    患者さんの服用薬は必ず把握しよう

     患者さんが服用している薬の把握は必須です。薬の名前を覚えてい

     ない患者さんも多いので、「お薬手帳」や処方箋、糖尿病手帳等を

     持参してもらいましょう。また、薬の副作用項目に「口渇」などと

     書いてあっても、すべての人に口腔乾燥症の症状がでるわけではな

     いので、診査時に粘膜の観察をする。

 

   ③食生活

    ●一回ごとの食事摂取量が減少し、間食が多くなる

    ●味覚が鈍くなるため、甘味の強い食べ物を好むようになる

    ●健康に良いとうたった食品を極端に摂ることがある

   *対策と気をつけるポイント

    患者さんの生活を責めず、できることを一緒に考えよう

     話しの中から、それぞれの患者さんの個性や状況にマッチする、ま

     た患者さんが受け入れ可能な改善方法を提示する。   

 

   ④気力の低下

    ●やる気が低下しているためセルフケアが持続・定着しない

    ●指導されたことを忘れてしまう

   *対策と気をつけるポイント

    できることを少しずつ進めよう

     患者さんの身体的変化や生活状況にも気配りし、話しをよく聴き、    

     患者さんができることに合わせるのも大切なセルフケア指導です

     清掃用具の選択も極力シンプルで継続できるものを指導する。その                                                                                        ・                                                                                        ・    分リスク部位の支援として、プロフェッショナルケアの間隔を短く                                   ・                                                                               ・    設定する。通院困難な場合は、患者さんのご家族とコミュニケー                                    ・                                                                              ・    ションを取り協力を得ることも時には必要となる。

まとめ

 加齢にしたがい根面う蝕のリスクが高くなるのは、高齢者の「全身状態や生活」「高齢者特有の口腔」が深く関      ・                                                                                      ・係しています。一般に50歳過ぎると暦年齢と生物学的年齢の間に大きな個人差が生じるといわれているそ                                  ・                                                                                         ・うです。患者さんの口腔内はもちろん身体や背景にあるものを把握するのは必須です。今回は全身状態や生             ・                                                                                 ・活がなぜ根面う蝕に関係しているかがわかりました。また、「高齢者特有の口腔」についても調べていきたいと          ・                                                                                 ・思います。                                                                             ・                                                                                 ・                                                            衛生士 赤木

  2014/03/21   ふくだ歯科
タグ:虫歯予防

創傷治癒のメカニズムについて、勉強会で発表して

創傷治癒のメカニズムは次の3つのステージに分けることができる。

ステージ①炎症のステージ

     →まずは“炎症”が起こる。

      臨床的な症状として、発赤、腫脹、熱感、不快感(疼痛を含む)

    ※発赤、腫脹、熱感は血管の拡張によるもので、血流量の増加と血管壁の

透過性の亢進の結果。

ステージ②増殖、肉芽形成のステージ

     →炎症の後、細胞の増殖、肉芽形成のステージに移行する。

      そのとき重要な役目を果たすのがサイトカイン(可溶性の小さなプロテイン)

      主に免疫細胞から放出されたサイトカインが、炎症に関与する細胞の機能を促進したり阻害したりして、炎症をコントロールする。

    ※熱を産生するサイトカインは、代表的なものの1つ。

     また、成長因子が別のカテゴリーの細胞間のシグナル伝達(コミュニケーション)

     をしており、これは細胞の増殖、分化に関与し、組織を構成する細胞外マトリ

     ックスの生成と成熟にかかわっている。

    ※「どれくらいコラーゲンをつくって増やすのか?」「いつ止めるか?」「そのスピードは?」などをコントロールしている。

ステージ③リモデリングと組織の成熟のステージ

     →結合組織がリモデリングするためには、結合組織の主成分であるコラーゲンが必要。コラーゲンをつくるには繊維芽細胞が不可欠。

⇒これには②の細胞外マトリックスがかかわってくる!

    ★術後3~4日で繊維芽細胞が新しい結合組織をつくり始める

    ★コラーゲンの産生には幅があり7~21日でピークに達する

   ※傷が治りかけてくるとムズムズ、チクチク痒い感じがするのは、繊維芽細胞が

    活躍している印!繊維芽細胞には尖った部分があり、それらが周囲の組織を刺激している。またヒスタミンなどの痒みを誘導する物質も存在する。

 

☆歯周外科手術では、一次治癒、二次治癒、三次治癒の3タイプの治り方がある

   一次治癒…非常に良い組織の閉鎖がされて、治癒のために的確な血流の回復が

なされる。

   二次治癒…創傷の組織がぴったりと閉じずに隙間をもって治っていく。

        その隙間は肉芽細胞を埋めるように治っていき、時間がかかる。

   三次治癒…二次治癒と関連し、感染などが起きて治癒のメカニズムが中断され

        た状態。

☆リモデリングに要する時間

 ・血管…切開後3~4日で始まる。血液から治癒に必要な栄養を取り入れ、血管内皮

     細胞が増殖して新しい血管を作り始める。術前と同じくらいの血液循環を達成

     するために10~15日間ほど血管を作り続ける。

 ・骨…破骨細胞は約3~4日で壊死した骨を除去し始める。創傷における炎症反応に

    よって起こる骨吸収は8~10日がピーク、14~21日位まで続く。

    骨の生成が21~28日の間に起こり、組織学的治癒には約1~2年かかる。

 

《感想・考察》

外科的手技による創傷治癒は、体のどの部分も同じプロセスをたどります。

治癒に要する時間は、その範囲と程度(大きさ、深さ、ボリュームなど)が関係しており、

またどれくらい的確に治癒に必要な栄養が周囲組織から供給されるかにもよるとのこと。

加えて歯周外科手術では、先に挙げた3タイプの治り方があります。

創傷治癒のメカニズムを正しく理解し、それぞれのケースにおける最適な治癒に導いて・                    いけるよう適切な衛生指導を心がけたいと思います。                                                                                                                 衛生士 西内                                                                                                                           

  2014/02/24   ふくだ歯科
タグ:創傷治癒