スタッフレポート

サポート

「患者さんの心身をサポートするためのテクニック」について、勉強会で発表して

歯科治療における全身的偶発症の発生する場所でもっとも多いのは、診療室のデンタルチェアの上で、

偶発症でもっとも多いのは、脳貧血発作(血管迷走神経発作)。

他にも、過換気症候群(過呼吸症候群)、血管収縮薬過敏症(血管を収縮させて末梢血管抵抗性を増大

させる薬物により、何らかの症状が起きる)、局所麻酔薬のアレルギーなどがある。  

これらの偶発症は、局所麻酔施行時、歯科治療中、歯科治療終了後のタイミングで起きている。

患者さんの心身をサポートするには、どんなことに気をつけ、どんな声かけをすればよいのだろうか?

 

治療前  

全ての患者さんに体調を聞いておく。 例 「体調はお変わりないですか?」  

緊張が強く顔がこわばっているような患者さんには、「緊張しますよね」 「昨夜は眠れましたか?」

「ご飯は食べてきましたか?」など、患者さんが不安を打ち明けるきっかけを作り、普段通りの生活が

送れているかを確認。

脳貧血発作を予防するためには、患者さんのストレスをいかに取り除くかがポイント。  

治療前に患者さんの不安を聞き出しておけば、対処法を考えることができる。

適切な対処で患者さんに安心感を与えることができれば、患者さんとの信頼関係の確立にも繋がる。

 

局所麻酔時  

眉間にしわが寄っている、手のひらを握りしめたまま力が入っている、全身に力が入りすぎている

など、緊張で体が固まっている患者さんには、「体や顔の力を抜きましょう」と声をかけ、全身の力みを

解く。緊張をほぐすために、ゆっくり深呼吸を続けてもらう。麻酔が終わったら、ユニットを起こして

一休憩設けたり、「気分が悪くはありませんか?」と体調を確認してから処置へ。

 

治療中  

患者さんの全身を観察。患者さんの体に動きがないか、額や鼻に汗が出ていないか、口唇の血色が悪く

ないか、顔面が蒼白になっていないかを確認。痛みがあれば、手を強く握るなど、体を動かす場合が

あるので、「痛いですか?」と確認。気分が悪くなっている可能性があれば、ユニットをしばらく水平位

に保ち血圧の急激な低下を防ぐ。

 

治療後  

患者さんの全身の観察を続ける。

治療が終わってすぐに脳貧血発作を起こすこともあるため、注意が必要。

 

患者さんの気分がよくなさそうだったら  

「気分が悪い」「目の前が暗くなってきた」などといった場合は、脳貧血発作が疑われるため、すぐに

ユニットを水平位にする。意識があることを確認してから、すぐに歯科医師に報告。

また、衣服に締め付けるものがないかを見る。ベルトが締まっていれば、ゆるめる。

血圧が一時的に低下しているので、血圧がある程度回復する(最高血圧90㎜Hg以上)まで待つ。

落ち着いてきたら受け答えがきちんとできるかを確認。

一人で帰る場合は待合室などでしばらく休んでからお帰りいただく。

治療が終わっても、油断せずに患者さんの様子を観察しておくことが大切。

 

感想・・・

普段の診療では、患者さんの口腔内に集中してしまいがちだが、もっと広い視野で、顔色や体の動き

にも目を向けなければいけないと思った。

脳貧血発作などに直面したときは、上記の内容にあるように、すぐに対応していきたい。

                                                                                                  衛生士 岡本

  2018/09/12   ふくだ歯科
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