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スタッフレポート

スタッフによるレポートを掲載しています。

ホワイトニングコーディネーター講習会に参加して

歯のホワイトニング 基礎編

 

 

)1.ホワイトニングとは…歯の漂白(ブリーチ)

2.ホワイトニングコーディネーター制度

☆歯科衛生士の職域を越えてはならない

歯科衛生士の行う事柄(補助)

◆カウンセリング・ホワイトニングについての説明

        ◆歯科医師の指示の下

…術前の状態の記録・ホワイトニング効果の判定・歯面清掃・ホワイトニング処置

 

)1.ヒトの歯の色

比較的透明なエナメル質を透過して、不透明で淡黄色の象牙質が見えることにより知覚される。

☆象牙質の厚い犬歯は黄色っぽく見える

☆乾燥すると白く見える

   2.歯の測色と記録…L***

L*…明るさ(明度)→100=白、0=黒

a*…色相(赤み)→+a=+赤、-a=-緑

b*…色相(黄色み)→+b=+黄、-b=-青

   3.歯の測色における留意点

     測色計による色調の測定(商品名:クリスタルアイ測色計)

     術前・術中・術後の口腔内写真の撮影

     片顎ずつ行う事も重要

 

シェードテイキング…最も明度が高い(白い)のはB1

 

)歯の着色・変色

ファインマンのテトラサイクリン変色歯分類

F1…淡い黄色、褐色、灰色で歯冠全体が一様に着色されていて、縞模様は見られない…漂白◎

F2…第1度よりは濃く歯冠全体が一様に着色されていて、縞模様は見られない…漂白○

F3…濃い灰色、青みがかかった灰色で縞模様を伴うもの…漂白△

F4…着色が強く、縞模様も著名なもの…漂白×

 

テトラサイクリン系薬剤による歯の変色のメカニズム

・歯冠形成期に投与されたテトラサイクリンが硬組織内に取り込まれ、象牙質中にテトラサイクリン

-リン酸塩を形成→太陽光線が当たると光化学反応により色調変化を起こし、黄色から褐色を呈する。

・徐々に変色が濃くなる。

 

)ホワイトニングのメカニズム

ホワイトトニング材

オフィス…3.5~35%過酸化水素

ホーム…10%過酸化尿素

ウォーキングブリーチ…30~35%過酸化水素水+過ホウ酸ナトリウム

過酸化水素の分解と漂白作用

活性酸素が着色有機成分を色の薄い物質or無職の物質に分解する

 

ホワイトニング材の歯質内部への作用

☆変色しているのはほとんどが象牙質

☆象牙質内部まで浸透する

→ホワイトニング材は歯の表面のみならずエナメル質を透過して、

エナメル象牙境、象牙質まで漂白される。

 

 

)ホワイトニングの安全性

ホワイトニングの適応症、非適応症ならびに禁忌症

1.有髄歯

適応症

増齢に伴う変色(黄ばみ)

…年齢とともにエナメル質が薄くなり黄ばんだ象牙質の色を透過して見えている

・軽度のテトラサイクリン変色歯(Feinmanらの分類第1、2度)

・軽度のフッ素症

 

非適応症ならびに注意を要する症例

・重度ならびに縞模様のあるテトラサイクリン変色歯(Feinmanらの分類第3、4度)

・重度の石灰化不全のあるもの

・重度の象牙質知覚過敏症

・形成不全など実質欠損の大きいもの

・エナメル質の切縁が黒っぽく見えるもの

          →切縁の色調は変わらない(口腔内の暗い色を透過しているから)

・(注)エナメル質に亀裂のあるもの

→知覚過敏の可能性が大きい…検査の時によくエアをかけてチェック

…鏡を見せてKr.に説明

・(注)コンポジットレジンなど大きな修復物があるもの →レジンの色調は変化しない

・(注)軽度の石灰化不全 →(一時的に)縞模様が目立つ

 

2.無髄歯

適応症→歯髄疾患による変色

・歯髄死による象牙質内有機質の変性

・打撲による出血歯髄死

・失活剤による歯髄出血

・抜髄時の不完全な止血

・不適切な修復による歯髄死

・抜髄、根管治療時の歯髄の取り残し

 

非適応症

・金属物質による変色(アマルガム、メタルコア)

・歯質が不十分なもの

・仮封がしにくいもの

・根未完成歯

 

3.全身的な要因による禁忌症(有髄歯および無髄歯)

無カタラーゼ症(過酸化水素を分解する酵素であるカタラーゼを持たない)

→ホワイトニング時に発生する活性酸素が口腔内や血管内の赤血球に働きかけ

口腔壊死を起こしてしまう

・妊娠中、授乳中の女性

・小児

・光線過敏(オフィスホワイトニング)

・呼吸器疾患(ホームホワイトニング)

 

 

30~35%高濃度過酸化水素

→軟組織に付着した場合、ただちに多量の水で洗い流す

10%過酸化尿素

3.6%の過酸化水素と6.4%の尿素に分解される

 

 

 

 

)ホワイトニングの問題点

1.象牙質知覚過敏症

知覚過敏が生じた場合、ただちにホワイトニングを中止

→シュウ酸やCPP-ACPなどを含む薬剤などで象牙質知覚過敏処置を行う

→症状の改善後は時間を短くして再開

 

2.後戻り

ホワイトニング直後はエナメル質表面を覆っているペリクル(ムチンによる歯面の保護膜)

が除去されるため、歯面に色素が付着しやすい

→オフィスホワイトニングの施術後24時間、ホームホワイトニングの実施期間中は、

着色しやすい飲食物摂取を避けるよう指導

 

ホワイトニング後、2週間くらいの間に多少の後戻りがありますが、その後は比較的安定する。

1か月から3か月に1回程度のPMTCを促し、必要に応じてタッチアップホワイトニング(再漂白)を行う。

 

)ウォーキングブリーチ法

無髄歯の髄腔内に漂白剤30~35%過酸化水素水と過ホウ酸ナトリウムの混合ペースト)

を封入し、内部から漂白する方法

 

)デュアルホワイトニング(コンビネーションホワイトニング)

同一歯に対して2種類のホワイトニング法を併用する方法…ホーム+オフィス

 

 

【感想・考察】

ホワイトニングコーディネーター講習会に参加させて頂き、基礎編をレポートとしてまとめてみました。講習会では、教科書通りにはいかない診療現場での実情と実際的な内容を、エビデンスと、先生方のこれまでの経験に基づいた、テキストにこだわらない講義をして下さり、大変興味深かったです。知っていることもありましたが、それ以上に初めて知り得た情報も多く、有意義な一日となりました。今まで何気なく行なっていたことや部分的に知っていた内容など、自分の中で“点”として存在していたものが一つに繋がったようなそんな感覚もあり、「あぁ、そういうことだったのか」と大いに納得出来ました。講習会に参加することが出来て本当に良かったと感じています。

                                                         衛生士 河本

  2014/06/01   ふくだ歯科

平成25年度 岡山県歯科医師会医療安全研修会に参加して

ヒューマンエラーと医療安全

      損保ジャパン日本興亜リスクマネジメント(株)  橋本 勝先生

 

1.医療リスクマネジメント概論

  ★医療の質・安全の契機となった医療事故

     ex)京都大学病院事件

  ★“To error is human“

   ☆年間4万4千人~9万8千人の患者が医療事故により死亡

   ☆交通事故やエイズよりもアメリカ人の死因の大きな割合を占める

   ☆投薬ミスによる死亡者数も、年間約7千人に上る

  ★歯科診療における賠償事故の特徴

 

2.患者さんとのコミュニケーションの重要性

  ★歯科における医療事故の事例

  ★苦情発生の一例

  ★苦情発生の下地

    ☆治療期間の延長について納得いただいていますか?

    ☆適切な説明無しに時間を守っている患者さんをお待たせしていませんか?

    ☆会計上のトラブルはありませんでしたか?

    ☆専門用語を使わずに患者さんに病状を説明していますか?

    ☆患者さんの不満・悩みを聞き流していませんか?

        ⇒知らず知らずのうちに、苦情発生の下地を作っているかもしれません

   *2011年受療行動調査(厚生労働省)

     医師から受けた説明に対する疑問や意見

      →13.7% 十分に伝えられなかった

            理由:質問しにくい雰囲気だった

               的外れな疑問や意見のような気がした など

  ★伝えたこと≠伝わったこと

     コミュニケーションのズレが原因のことが多い

      (勝手な解釈、思い込み、意味の取り違え)

★説明時の状況を記録に残す

     【記載項目】

       ・説明時間(○時○分~△時△分)

       ・説明時の内容、様子を再現できるくらい

         患者さん側からの質問と、それに対する医療側の回答

         患者さん側の反応等(うなずいていた、メモをとっていた等)

       ・質問が無ければ

          「質問の有無を尋ねたが、質問が無かった」と記載

    ☆記載時の注意点

①前もって、これから行う処置やケアを記録しない

②自分が実際に見ていない患者さんの記録をしない

③記録の途中で行を空けない →書き忘れ等の誤解を与える                                                  ④思考過程が見えない、行動(実践)につながらない書きっぱなしの情報・アセスメント、は適切ではない                         ⑤勝手に要約しない…言った通りに書いておく                                               ⑥擦ると消えるボールペンは使用しない、職場におかない

    ☆説明用語はわかりやすいですか?

    ☆コミュニケーションの種類

     ・バーバルコミュニケーション(言語的コミュニケーション)

     ・ノンバーバルコミュニケーション(非言語的コミュニケーション)

    ☆良い話し手とは

     ・相手(目や顎など)を見て、ゆっくり話す

       →信頼関係の構築

     ・身近なものに例えて、分かりやすい言葉を使って話す

       →写真や絵を使用(イメージの共有)

     ・相手の理解するペースに合わせて話す

       →相手のノンバーバルに注視(うなずきのリズム、視線の先 等等)

     ・「常識」「共通認識」を捨てる

       →「自分の常識」=「相手の常識」と思わない

 *コミュニケーションはずれやすいことを肝に銘じ、常に確認を怠らないこと!

   →医療事故や訴訟、クレームを防ぐ1番のポイントとなる

〔まとめ〕クレームに発展させないために

  ◎医療者の常識≠患者、家族の常識

  ◎相手・自分のノンバーバルコミュニケーションに要注意

  ◎接遇は自分の身を守る1つの手段

 

3.ヒューマンエラーと医療事故

  ★医療事故の発生要因

   1位 確認を怠った→「確認をきちんとする」

   2位 観察を怠った→  「観察を怠らない」・・・でいいのでしょうか?

   ①関心のあるものに注意が向く

   ②強い注意が向けば、その範囲が狭くなる

   ③注意力は持続できない

   ④強い注意の後に弛緩がくる

     ⇒注意にも限度がある⇒システムによるエラー対策!! 

  ★安全意識低減の法則

    ・安全意識は、事故が発生しない限り単調に減少する

       →安全状態が続くほど安全意識が低下し事故発生の準備が整う

★偽りの記憶

・記憶に頼った作業には、虚記憶の入り込む余地がたくさんある →薬品やカルテの記載事項、医療用具の有無などの確認は、記憶に頼らず、現物を前にして目で見ながら確認しなければならない                                                         *個々の確認精度を上げる方法                                                                   ○指差し確認を行う                                                                       ○確認済みのものと未確認のものの区別を明確にする                                                ○ゆっくり確認する                                                                     ○誰が確認したかが分かるようにする                                                      ○中断しない                                                                             ○複数で行う場合は役割分担を明確にする                                                       ★危険感受性                                                                       一般の大学生と看護学生に対して行ったテスト結果                                                    目に見えない危険に関しては看護学生のほうが気付いたが、目に見える危険に関しては一般学生のほうがたくさん気付いた                                                                          ⇒専門的な知識や経験が増すと、一般の人が危ないと思うような当たり前の目に見える危険に対する意識はおろそかになっていく可能性を示唆                                                              ★錯誤                                                                              新人の行動:意識的に注意しながら行動する                                                    ⇒意識しすぎると他に注意がいかなくなり、上手く実行できなくなる                                         ベテランの行動:体に刷り込まれていて意識せず(無意識)に何かのきっかけで行動する                                        ⇒普段と異なる作業変更なのに、普段どおり作業してしまう                                             ★同じエラーが繰り返されるときは…                                                           何が起きたのか⇒調査・確認⇒分析⇒システムへの対策立案                                          →ヒューマンエラーの追及の前にシステムの問題に目を向ける                                           〔まとめ〕ヒューマンエラーと医療事故                                                         ◎ヒューマンエラーを0にすることは難しいが、減らすことは可能                                       ◎慌てているときは、事故が発生しやすいという意識を持つ                                               ◎エラー情報(知識・経験)の共有                                                            ◎ヒヤリ・ハット段階で対策を実行し、事故に至らないようにする                                      《感想・考察》                                                                         医療事故の発生要因の大半は”確認を怠った””観察を怠った”という小さなミスです。                               どんなに注意していても「人は誰でも間違える」ということを理解した上で、エラーの発生率を極力低くし、事故を未然に防げるよう常に意識して診療に臨みたいと思います。                 衛生士 西内                                                                                         

  2014/04/23   ふくだ歯科

平成25年度 第5回 ホワイトニングアドバンスセミナーに参加して

 

千田彰先生(日本歯科審美学会会長/愛知学院大学歯学部保存修復学講座教授)

 全ての歯科医療の結果は審美的であるべき。患者さん・社会が歯科医療に求めるものが変わってきている。①歯の色 ②口のにおい ③歯並び ④歯茎の状態 ⑤歯の痛み …

審美歯科の意義…歯科医療は、健康で幸せな長寿・質の高い生活を実現させる。きれいな笑顔をつくる事を目的とする。

 検査→診断→治療→予防(プロの管理のもと)   予防の先頭に立つのがDH!

 

講演Ⅰ「歯科衛生士と歯科審美の広がり」 日本歯科審美学会副会長 武井典子先生

近年の衛生士を取り巻く「保健・医療・介護・福祉」の環境の変化

 口腔機能に着目(医療の場でも歯科衛生士が期待されている)…口腔機能維持・向上 全身の健康へのアプローチ 高齢化の進展・疾病構造の変化(疾病により口腔ケアが異なる)

 口腔の健康…口腔細菌コントロール 口腔機能維持・向上 栄養の構築 健康生活 QOLの向上   →このサイクルの中で健康な口腔を作っていく事ができる。

 今後は、口腔ケアマネジメント(Dr.の指示のもと、高齢者の口腔ケア)をどんどんしていく必要がある。

 

色々なデータから… 患者さんに、お口の中でとても重要だと思う事は?と聞くと、よく噛める、歯肉が健康、という答えが多い。お口の中で気になる事は?と聞くと、色、におい、という答えが多い。

雑誌「プレジデント」のデータより…男性や70歳以上の方が健康面で後悔している事は? ①歯の定期検診 ②スポーツで体力強化 ③ウォーキング

 

ホームケア支援のポイント ①患者さんとのコミュニケーションアップ(+の気持ちで働きかける) ②口腔の重要性のモチベーションアップ ③自分の口腔の問題点を客観的に知る(多項目唾液検査システム…簡便、短時間、多項目であること) ④自分で決めて実行する力を高める ⑤ホームケアの有効性を実感する

 

講演Ⅱ「ホワイトニングコーディネーターの次なる視点 ―白い歯の意味するところ―」ナグモ歯科赤坂クリニック 田島菜穂子先生

 

ホワイトニングの難しさ→期待していた白さになったか、しみたり痛みはないか。

ホワイトニング…漂白して白くする

世間では「ホワイトニング」という言葉が一人歩きして「サロン」やマンションの個室でやっている…医療行為ではないホワイトニング

ホワイトニングは術前のカウンセリングが最も大切 ①ゴールをお互いにしっかり見る。(求める白さの度合いを確認) ②ホワイトニングがどういうものなのかを説明(限界・時間・期間・回数・費用等) ③患者さんからの質問に答える(適応症・禁忌症。場合によっては、初めからベニアの方が良かったりする) 心の声を聴く…様々な価値感・主訴・過去のホワイトニング経験談 「ホワイトニングしたい」という希望→今すぐ、なのか、考えてから後日、なのか。    →処置の選択をしてもらう(同意)

 

<感想> 最近のデータからも、審美的な治療が注目されている事が分かりますが、患者さんの希望(心の声)に耳を傾けながら、仕上がりに繋げていきたいです。ホワイトニング(審美的治療)をきっかけに、表情が明るくなったり、お口の中の健康に興味を持つ患者さんが増えるといいなと感じました。                         衛生士 千田                                           

  2014/04/17   ふくだ歯科

「なんとしても守りたい6歳臼歯」について、勉強会で発表して

 

~萌出前からの継続した管理で6歳臼歯を守ろう!~

 

《萌出前の管理と指導》

保護者・子どもへの情報提供がもっとも重要!

☆この時期に考慮したいこと☆

①生えてきたことに保護者が気づきにくい。そのため、萌出直後の6歳臼歯の適切なケアがされない

②保護者が6歳臼歯を乳歯と勘違いしてしまうことが多い。そのため、萌出直後の6歳臼歯が「はじめて生える大切な永久歯である」との認識が欠け、適切な準備ができない

 

☆歯科衛生士業務のかんどころ☆

①萌出時期を推測する

6歳前後になると乳臼歯の後方の歯槽堤が膨らんできます。
それが萌出のサインですので、5歳を過ぎたら第二乳臼歯後方の歯槽堤を注意深く観察し、

萌出時期を推測します。(図1)

また、同じ時期には下顎前歯がぐらぐらして抜ける、上顎前歯に隙間(発育空隙)などの影響が出てきます。このような変化も観察します。

②う蝕予防についての健康教育

保護者の理解・強力が不可欠であるため、保護者(一番に母親)の予防に対する関心をもってもらうような教育をします。

 

《萌出開始時期の管理と指導》

特にう蝕になりやすいことを考慮したケアを!

☆この時期に考慮したいこと☆

①萌出時は歯肉弁に覆われているため、うまく咬合面を磨けない

②萌出したての歯は、石灰化が未熟で軟らかいため、脱灰しやすい

③まれに萌出の段階で形成不全を起こしている歯がある(エナメル質形成不全、減形成)

④咬合面溝が、乳歯よりも複雑かつ深いためプラークが溜まりやすい

⑤乳歯列より約1cm後方に位置し、そこまで歯ブラシを入れることは、子どもにとって難しい

 

☆歯科衛生士業務のかんどころ☆

①萌出直後の6歳臼歯の問題を見逃さない

萌出してきた6歳臼歯の状態をよく確認します。歯冠部エナメル質に形成不全や象牙質深部う蝕が発見された場合、早期に対応が必要となります。完全萌出時には歯髄まで達するう蝕に進行してしまう危険があるため、短い間隔での観察をします。

②予防の計画を立てる

③困難な部位へのケアのサポート

歯肉弁の覆われた状態では、ホームケアではプラークを完全に落とせてないことがあります。(図2)

歯肉弁に覆われた部分や咬合面溝などケアができてない部位のプラークを、プロフェッショナルケアで除去します。

④変化する口腔内の状態を記録に残す

 

萌出以降の管理と指導

近心面・遠心面のう蝕に注意!

☆この時期に考慮したいこと☆

①第二乳臼歯の脱落後、第二小臼歯の萌出スピードが速いため、6歳臼歯近心面チェックがなされない場合がある。すると近心の脱灰など病変に気づくのが遅れてしまう

②6歳臼歯が第二乳臼歯よりも低い状態で萌出している場合では、ケアが困難

③歯肉弁が取れない状態での萌出早期では、ラバーダムがかけにくくシーラントが困難

④外見上では歯冠部エナメル質に問題ないが、隠れた象牙質う蝕が起きている場合があり、見つけにくい

 

☆歯科衛生士業務のかんどころ☆

①6歳臼歯近心面の観察

6歳臼歯が萌出、側方歯の交換が進んだ10歳ごろに第二乳臼歯が脱落します。脱落後には6歳臼歯近心面に脱灰があるかを観察します。第二乳臼歯遠心にう蝕があった場合は、高確率で6歳臼歯近心面に初期う蝕が発見されます。このときを逃すと第二小臼歯と接触してしまい初期う蝕の発見が遅れます。

②定期観察中での6歳臼歯の問題を見逃さない

③時期をみてシーラント処置をする

④6歳臼歯の上下咬関係の確認

⑤成長を考慮して保護者とのコミュニケーションに努める

学年が高くなると、塾や習い事で予約が難しくなり、また保護者から離れて子ども1人での来院が多くなります。そのため保護者とコミュニケーションがとりづらくなります。

手紙や連絡ノートなどの工夫で、来院が中断しないようにする努力が一段と必要となってきます。

⑥デンタルフロスによるケア

完全萌出後には、遠心にデンタルフロスを使うように伝えます。これは、6歳臼歯だけでなく、第二大臼歯を守るためということも理解してもらいましょう。

 

《まとめ・感想》

6歳臼歯は「歯の王様」と呼ばれるとても重要な歯です。しかし、永久歯の中では最もう蝕になりやすい歯です。そのため、かかりつけ歯科医と歯科衛生士が、なるべく早い時期から支援の手を差しのべ、6歳臼歯を守っていくことが大切です。子どもの成長発育は様々です。歯科衛生士はどの時期に何をすべきか、その子どもに合わせた計画を立て、認識しておく必要があります。このことが子どもたちの将来的な正しい歯並びや噛み合せ、咀嚼の上達に繋がります。                                                          衛生士 関口                                             

  2014/04/01   ふくだ歯科
タグ:虫歯予防

「高齢期の根面う蝕ストラテジー」について、勉強会で発表して

 

あなたの患者さんがもつ危険因子はどれ?

 

一般に、人は加齢にしたがい根面う蝕のリスクが高くなります。

 全身状態や生活  ①身体機能の低下

          ②全身疾患&服薬

          ③食生活

          ④気力の低下

 高齢者特有の口腔 ①歯周病

          ②補綴物・義歯

          ③楔状欠損

          ④歯髄の変化

     上記すべてが高齢者の根面う蝕の因子と考えられる。

 

全身状態や生活

①身体機能の低下が関係する理由とは?

●手指感覚が低下し、ブラッシングや歯間ブラシがうまく使えない

●視力が低下し、自分の口の状態や病変が見えないため十分なセルフ

ケアができない

    *対策と気をつけるポイント

     セルフケアをプロフェッショナルケアでサポートしよう

      高齢者の場合、染め出しや、PCRはセルフケアができなくなって

      きた部位を術者側が確認するためと、セルフケアが低下している

      部位に対して、どうサポートする必要があるかを把握するために

      活用できる。

     口の筋力と唾液分泌量を低下させないトレーニングをしよう

      日常的も噛み応えのある食品を取り入れてゆっくり咀嚼する。

      ガムを噛むことで、咀嚼筋や唾液の分泌量が衰えないように指導

      する。必要に応じて唾液腺のマッサージや、食前の口腔周囲筋の

     ストレッチ体操等を薦める。

 

   ②全身疾患&服薬

    ●全身疾患の症状として唾液分泌量が少なくなる

    ●治療薬の副作用で口腔乾燥症になる場合がある

    ●全身疾患が原因で体が動かしづらく、セルフケアが困難である

   *対策と気をつけるポイント   

    患者さんの服用薬は必ず把握しよう

     患者さんが服用している薬の把握は必須です。薬の名前を覚えてい

     ない患者さんも多いので、「お薬手帳」や処方箋、糖尿病手帳等を

     持参してもらいましょう。また、薬の副作用項目に「口渇」などと

     書いてあっても、すべての人に口腔乾燥症の症状がでるわけではな

     いので、診査時に粘膜の観察をする。

 

   ③食生活

    ●一回ごとの食事摂取量が減少し、間食が多くなる

    ●味覚が鈍くなるため、甘味の強い食べ物を好むようになる

    ●健康に良いとうたった食品を極端に摂ることがある

   *対策と気をつけるポイント

    患者さんの生活を責めず、できることを一緒に考えよう

     話しの中から、それぞれの患者さんの個性や状況にマッチする、ま

     た患者さんが受け入れ可能な改善方法を提示する。   

 

   ④気力の低下

    ●やる気が低下しているためセルフケアが持続・定着しない

    ●指導されたことを忘れてしまう

   *対策と気をつけるポイント

    できることを少しずつ進めよう

     患者さんの身体的変化や生活状況にも気配りし、話しをよく聴き、    

     患者さんができることに合わせるのも大切なセルフケア指導です

     清掃用具の選択も極力シンプルで継続できるものを指導する。その                                                                                        ・                                                                                        ・    分リスク部位の支援として、プロフェッショナルケアの間隔を短く                                   ・                                                                               ・    設定する。通院困難な場合は、患者さんのご家族とコミュニケー                                    ・                                                                              ・    ションを取り協力を得ることも時には必要となる。

まとめ

 加齢にしたがい根面う蝕のリスクが高くなるのは、高齢者の「全身状態や生活」「高齢者特有の口腔」が深く関      ・                                                                                      ・係しています。一般に50歳過ぎると暦年齢と生物学的年齢の間に大きな個人差が生じるといわれているそ                                  ・                                                                                         ・うです。患者さんの口腔内はもちろん身体や背景にあるものを把握するのは必須です。今回は全身状態や生             ・                                                                                 ・活がなぜ根面う蝕に関係しているかがわかりました。また、「高齢者特有の口腔」についても調べていきたいと          ・                                                                                 ・思います。                                                                             ・                                                                                 ・                                                            衛生士 赤木

  2014/03/21   ふくだ歯科
タグ:虫歯予防

創傷治癒のメカニズムについて、勉強会で発表して

創傷治癒のメカニズムは次の3つのステージに分けることができる。

ステージ①炎症のステージ

     →まずは“炎症”が起こる。

      臨床的な症状として、発赤、腫脹、熱感、不快感(疼痛を含む)

    ※発赤、腫脹、熱感は血管の拡張によるもので、血流量の増加と血管壁の

透過性の亢進の結果。

ステージ②増殖、肉芽形成のステージ

     →炎症の後、細胞の増殖、肉芽形成のステージに移行する。

      そのとき重要な役目を果たすのがサイトカイン(可溶性の小さなプロテイン)

      主に免疫細胞から放出されたサイトカインが、炎症に関与する細胞の機能を促進したり阻害したりして、炎症をコントロールする。

    ※熱を産生するサイトカインは、代表的なものの1つ。

     また、成長因子が別のカテゴリーの細胞間のシグナル伝達(コミュニケーション)

     をしており、これは細胞の増殖、分化に関与し、組織を構成する細胞外マトリ

     ックスの生成と成熟にかかわっている。

    ※「どれくらいコラーゲンをつくって増やすのか?」「いつ止めるか?」「そのスピードは?」などをコントロールしている。

ステージ③リモデリングと組織の成熟のステージ

     →結合組織がリモデリングするためには、結合組織の主成分であるコラーゲンが必要。コラーゲンをつくるには繊維芽細胞が不可欠。

⇒これには②の細胞外マトリックスがかかわってくる!

    ★術後3~4日で繊維芽細胞が新しい結合組織をつくり始める

    ★コラーゲンの産生には幅があり7~21日でピークに達する

   ※傷が治りかけてくるとムズムズ、チクチク痒い感じがするのは、繊維芽細胞が

    活躍している印!繊維芽細胞には尖った部分があり、それらが周囲の組織を刺激している。またヒスタミンなどの痒みを誘導する物質も存在する。

 

☆歯周外科手術では、一次治癒、二次治癒、三次治癒の3タイプの治り方がある

   一次治癒…非常に良い組織の閉鎖がされて、治癒のために的確な血流の回復が

なされる。

   二次治癒…創傷の組織がぴったりと閉じずに隙間をもって治っていく。

        その隙間は肉芽細胞を埋めるように治っていき、時間がかかる。

   三次治癒…二次治癒と関連し、感染などが起きて治癒のメカニズムが中断され

        た状態。

☆リモデリングに要する時間

 ・血管…切開後3~4日で始まる。血液から治癒に必要な栄養を取り入れ、血管内皮

     細胞が増殖して新しい血管を作り始める。術前と同じくらいの血液循環を達成

     するために10~15日間ほど血管を作り続ける。

 ・骨…破骨細胞は約3~4日で壊死した骨を除去し始める。創傷における炎症反応に

    よって起こる骨吸収は8~10日がピーク、14~21日位まで続く。

    骨の生成が21~28日の間に起こり、組織学的治癒には約1~2年かかる。

 

《感想・考察》

外科的手技による創傷治癒は、体のどの部分も同じプロセスをたどります。

治癒に要する時間は、その範囲と程度(大きさ、深さ、ボリュームなど)が関係しており、

またどれくらい的確に治癒に必要な栄養が周囲組織から供給されるかにもよるとのこと。

加えて歯周外科手術では、先に挙げた3タイプの治り方があります。

創傷治癒のメカニズムを正しく理解し、それぞれのケースにおける最適な治癒に導いて・                    いけるよう適切な衛生指導を心がけたいと思います。                                                                                                                 衛生士 西内                                                                                                                           

  2014/02/24   ふくだ歯科
タグ:創傷治癒

創傷治癒に関係する術後の食事について、勉強会で発表して

術後はなぜ食事に注意を払うの?

 歯周外科手術後の最初の週は、術後の創傷治癒を促す環境が大切。それには局所部位が「清潔である事」「適度な水分を保つ事」「免疫機構が正常に働くのを助ける為に不必要な刺激をできるだけ排除する事」が重要。このような環境を確保する為にも、術後の患者さんには飲食に注意を払って貰う必要がある。例えば、①硬い物は避ける。②術後すぐは熱い食べ物を避ける。③小さい形状の食べ物を食べる。④バランスの取れた食事を摂取する。⑤ビタミンCを多く含んだ食品を摂取する。⑥辛い物は避ける、等。

その裏づけは?

 

①“硬い物は避ける”→手術した部位に機械的刺激を極力少なくする為。硬いフランスパンやお煎餅で新たな傷を創ったりする例はよく見かける。(ピーナッツやアーモンド、硬い林檎、柿等も同様)

②“術後すぐは熱い食べ物を避ける”→術後暫くは、局所麻酔が効いている。熱い物を飲食して、口腔粘膜に火傷を負っても気がつかない。不必要な火傷によるダメージを防ぐ為には重要。

③“小さい形状の食べ物を食べる”→大きな物を口の中で噛み砕く為には、口腔周囲筋を十分に使わなければいけない。しかし、歯周形成手術(ぺリオドンタルプラスティクサージェリー)等のデリケートな手術の後では、ちょっとした筋肉の動きで創傷治癒に影響が出る事がある。そこで、小さな形状にして口腔周囲筋の過度な運動を避けて貰いたい。(縫合糸にも影響が出る事がある)

④“バランスの取れた食事を摂取する”→創傷治癒には、体に元来ある治癒の為の代謝機構、免疫機構等が正常に機能する事が不可欠。しかし、この機能に影響を与える物がある。年齢、性差、器質的疾患の有無、代謝障害、薬物の種類、生活習慣、精神的傾向等。妊娠時や月経時、或いは更年期等、女性ホルモンの変動が顕著な場合も影響を及ぼす。そこでバランスの取れた食事や栄養のある食事が大切になる。これらの食事は、体の生理学的な働きを助け、正常な創傷治癒に繋がる。

⑤“辛い食べ物は避ける”→香辛料には抗酸化物質(活性酸素を消す働きをする物質で、多くの疾患の治療に使われてきた)や、疲労回復、創傷治癒、の促進、血管新生の調節、抗がん作用等の効能がわかっているが、別の角度から香辛料を見ると、レッドペッパーの摂取により体温の上昇がみられたという報告がある。熱の生成が創傷治癒にどう影響するかまだはっきりとはわかっていない。ただ、「炎症で起きる熱の生成」と「辛い食べ物を食べて起きる熱の生成」は様相が異なるという事は考えられる。沢山の報告がなされているが、いずれも研究段階のもので、創傷治癒時の患者さんに勧められる段階にはまだ達していない。できるだけ局所の刺激を少なくしたいので、辛い食べ物は好ましくないといえる。

⑥“ビタミンCを多く含んだ食品を摂取する”→結合組織を構成しているコラーゲン繊維は、300以上のアミノ酸の配列でできている。組織が治癒するには、アミノ酸が正しく決められた順番に並んだ状態でなければならないが、それにはビタミンCが必要。抗酸化物質であるビタミンCを多く含んだ食品を摂る事で組織のダメージを防いでくれる。

 

<感想> 術後の患者さんに聞かれる事がある為、今回の内容をお伝え出来ればと思った。辛い物に関しては、個人によって異なったり、まだ研究段階という事なので、今後も情報収集(他の件でも)していきたい。                           ・                                                       衛生士 千田

  2014/02/17   ふくだ歯科
タグ:創傷治癒

歯周病菌DNA検査について、勉強会で発表して

 

 

Amazon.co.jp

 【ヒト歯周病菌 遺伝子検査キット】

「歯周病菌DNA検査」は口腔内から採取した検体を用い、代表的な歯周病菌を持っているかどうかを調べるDNA検査。大学や研究機関などのチームが開発したキットを利用し、歯周ポケットから採取した検体を検査することで、どの歯周病菌に感染しているかを知ることができる。

 

歯周病3項目の検査項目

 代表的な歯周病菌2種類(Actinobacillas actinomycetecomitans, Parphyromonas gingivalis)と常在菌(歯周病には直接関係ない一般的な菌で、検査の陽性コントロールとして使用)の検出をします。

 歯周病の予防、歯周病の治療に当たっては,ご自分の口腔内の症状を自覚した上で、早めに検査をし、治療することが重要です。

 歯周病菌DNA検査によって、ご自分の口内の健康状態を知り、治療や日常のプラークコントロールの指標としてお役立てください。

 

Actinobacillas actinomycetecomitans

 若年性歯周病の患者から高い確率で検出される。10代、20代の若者に見られ、急速に進行し、一般的な歯周病治療では治りにくい歯周病の原因。

 

Parphyromonas gingivalis

 最も一般的な歯周病菌、成人性歯周病の患者から高い確立で検出される。30代から始まることが多い。比較的ゆっくりと進行する歯周病の原因。

 

常在菌

 歯周病では直接関係ない一般的な菌で、検査の陽性コントロールとして使用。

 

 

検査方法:歯周ポケットを綿棒で擦り、それを検体として提出。

価格  :11,200円

 

 

株式会社ビー・エム・エル  デンタルラボ課

【歯科検査サービス】

  検査内容:口腔内における検査目的菌をPCR-インベーダー法または、インベーダー法により菌を定量的に検査します。

  検出目的菌種〈歯周病関連菌〉

  1. Actinobacillus actinomycetemkomitans
  2. Porphyromonas gingivalis
  3. Prevotella intermedia
  4. Bacteroides forsythus(Tannerella forsythensis)
  5. Treponema denticola
  6. Fusobacterium nucleatum

 

検体採取方法:だ液・歯周ポケット

価格    :記載なし。

 

 

大阪大学大学院歯学研究科 予防歯科学教室

 【歯周病菌リスク検査】

  歯垢や唾液中の歯周病菌の遺伝子を調べることで、歯周病のかかりやすさや進みやすさを予測する検査です。お口の細菌は歯がある限り住み続けるので、一生に一度しかリスク判定検査を受ける必要はありません。

 

検査項目:歯周病細菌の有無と量(5種類)

A.actinomycetecomitans(Aa)

P. gingivalis(Pg)

P. intermedia(Pi)

T.forsythensis(Tf)

T.denticola(Td)

(F.nucleatum(Fn)

  Pg遺伝子型(悪性度)

     Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ

 検体:歯垢(唾液)

 価格:12,400円

 

 

歯周病原因菌 遺伝子診断認定歯科医院→Microexam社

【歯周病菌DNA診断】

  リアルタイムPCR法

   Treponema denticola

      PorPhyromonas gingivalis

      Tannerella forsythensis  

 検体:歯垢

価格:10,500円

 

《終わりに》

   以前のレポート発表の流れでAmazon.の通販サイトに「歯周病菌遺伝子キット」があるということで調べました。インターネット上では数件の歯周病菌DNA検査についての内容があったので今回の紹介となりました。検体となる菌や菌数、価格もまちまちなので、利用していく場合には、より詳しい情報を得ることが必要であると思います。

                                                         衛生士 赤木

  2014/02/02   ふくだ歯科
タグ:歯周病

BRONJについて、勉強会で発表して

BRONJ

~徹底した口腔衛生で発症させない、進行させない~

参照:歯科衛生士2013.1月号

BRONJ」とは…ビスフォスフォネート系薬剤(BP製剤)関連顎骨壊死の略称。

顎骨のみに症状が現れる重篤な疾患。

発症すると骨が露出し、骨壊死や骨髄炎の症状を呈する。

発症に関しては、必ずしも疼痛や腫脹などの炎症症状をともなうわけでは

ないためやっかい。

 

※発症頻度は、骨粗しょう症などで服用の場合では、投与を受けた症例の0.04%に、注射用BP製剤では0.4%~40%が発症すると報告されている。

注射用製剤の方が顎骨壊死の症状が大きく、予後も悪い。

 

★BP製剤は幅広い疾患に応用されている

  →強力な破骨細胞機能抑制作用を有することから、低骨量を呈する疾患に投与されている。

ex) 注射用製剤◇悪性腫瘍骨移転(乳癌・肺癌・前立腺癌)

              ◇多発性骨髄腫

       経口用製剤◇骨粗鬆症

            ◇骨ページェット病

            ◇副甲状腺機能亢進症

             ◇ステロイド性骨症

 

BP製剤一覧

注射用製剤

・アレディア(パミドロン酸ニナトリウム)…悪性腫瘍による高カルシウム血症

                       乳癌の溶骨性骨転移

  ・テイロック(アレンドロン酸ナトリウム水和物)…悪性腫瘍による高カルシウム血症

  ・ボナロン(アレンドロン酸ナトリウム水和物)…骨粗鬆症

  ・ゾメタ(ゾレドロン酸水和物)

…悪性腫瘍による高カルシウム血症、多発性骨髄腫による骨病変および固形癌骨転移による骨病変

経口用製剤

  ・ダイドロネル(エチドロン酸ニナトリウム)

     …骨粗鬆症、脊髄損傷後・股関節形成後における初期、および進行期の異所性骨硬化の抑制、骨ページェット病

  ・フォサマック(アレンドロン酸ナトリウム水和物)…骨粗鬆症

  ・ボナロン(アレンドロン酸ナトリウム水和物)…骨粗鬆症

  ・アクトネル(リセドロン酸ナトリウム水和物)…骨粗鬆症、骨ページェット病

・ベネット(リセドロン酸ナトリウム水和物)…骨粗鬆症、骨ページェット病

・ボノテオ(ミノドロン酸水和物)…骨粗鬆症

・リカルボン(ミノドロン酸水和物)…骨粗鬆症

 

◆口腔内細菌や歯周病のコントロールが術前から必要!!

BRONJ発症のリスクファクターの内、局所的ファクターでは口腔衛生状態の不良が

挙げられている

→良好な口腔衛生状態が保てていれば、BRONJを防げる可能性がある。

 

BRONJ発症のリスクファクター

①BP製剤によるファクター 

・科学的構造に窒素が含有されているBP製剤は、非含有製剤より、BRONJを起こしやすい

・注射用BP製剤は、経口製剤よりBRONJを起こしやすい

②局所的ファクター

・抜歯、歯科インプラント埋入、根尖外科手術、歯周外科など骨へ侵襲を与える歯科治療

・口腔衛生状態の不良

・歯周病や歯周膿瘍などの炎症性疾患の既往

・上顎より下顎が発症しやすい。

また下顎隆起、口蓋隆起、顎舌骨筋線の隆起部に発症しやすい。

③全身的ファクター

  ・各種臓器癌

  ・腎透析

  ・ヘモグロビン低値

  ・糖尿病

  ・肥満

  ・骨ページェット病

④先天的ファクター

  ・MMP-2遺伝子

  ・チトクロームP450-2C遺伝子

⑤その他のファクター

  ・ステロイド、シクロフォスファミド、エリスロポエチン、サリドマイドなどの薬物の服用

  ・喫煙

  ・飲酒

 

☆発症させないために…

  ・BP製剤内服状況を把握することは必須!

  ・将来的に内服する可能性も把握しておく!

  ・歯科治療計画に影響を与えるため、「いつから、いつまで」服用していたのかも把握する!

 

1)医療面接時に徹底して聞く

   ・年齢、閉経時期…閉経後の女性の場合、骨粗鬆症の発生頻度UP!

   ・体格(身長・体重)、姿勢…脊柱変形などによる姿勢異常などはBP製剤内服の可能性

 重要既往歴、現在治療中の疾患

      →既往歴が以下の疾患に該当する場合は、BP製剤の服用を特に疑おう!

         低骨量を呈する疾患

           ・続発性骨粗鬆症

           ・悪性腫瘍の骨転移

           ・多発性骨髄腫

など

         続発性骨粗鬆症の原因疾患など

           ・副甲状腺機能亢進症

           ・甲状腺機能亢進症

           ・胃切除後

           ・骨形成不全症

           ・糖尿病

           ・関節リウマチ

           ・アルコール多飲(依存症)

           ・慢性腎臓病

           ・副腎皮質ステロイドホルモン薬による薬物性のもの      

など

         その他

           ・骨折

 

特に関節リウマチでは、長期ステロイド薬を投与

されている患者さんに生ずる続発性骨粗鬆症に

対してBP製剤投与が行われることがあります。

 

・家族歴…BRONJのリスクファクターからもBP製剤内服を予測することもできる

・嗜好品…         〃

重要服薬状況、服薬期間

      ・BP製剤だけでなく、他の疾患のために内服している薬剤も把握しておく

       ・BP製剤の服薬期間は、休薬の目安の1つとなるため期間も確認!

 

2)定期的に服薬状況を確認する

→服薬状況の確認は、初診時だけでなく定期的に行う。

特に長期メインテナンスに入ってしまうと、知らぬ間に全身疾患に罹患して服薬していることもあるのでそれらを見逃さないように。

 

◆BRONJの予防と治療のガイドライン

※BP治療前、治療中、それぞれに合わせてケアをする

予防:BP治療開始前…感染源を減らすために抜歯や歯周治療などの歯科治療を行い、歯科インプラント、完全埋伏歯抜歯などの侵襲の大きい治療は避け、口腔衛生状態を良好に保つ。

予防:BP治療中…抜歯や高侵襲な歯周治療は可能であれば避ける。そして口腔ケアと定期的な口腔診査を行う。

治療:BRONJ発症後…露出している壊死骨を除去し、クロルヘキシジンでの含漱および抗菌薬の投与を行う。

 

  ※軟組織を傷つけないでケアする!!

    除石やプラーク除去によって感染源を減らすことは重要だが、BP製剤投与患者に対する侵襲的な歯周ポケットのルートプレーニングの安全性に関するコンセンサスはいまだ得られていない。

経口BP製剤の3年以上の投与やリスクファクターを保有されている患者さんに対しては、侵襲的な治療は避ける。

歯肉縁上のスケーリングにとどめ、軟組織の損傷はできるだけ回避することが望ましい。

セルフケアでは、プラークコントロールを徹底してもらう。

 

 

☆進行させないために…

◆ステージ別による治療法

※BRONJにはステージ0から3までの病期があり、ステージによって治療法が異なる。

 

     ステージ0

       基準値…骨露出・骨壊死は認めないが、オトガイ部の知覚異常、口腔内瘻孔、深い歯周ポケット、単純エックス線写真で軽度の骨溶解を認める。

       治療法…●抗菌性洗口剤の使用

           ●瘻孔や歯周ポケットに対する洗浄

           ●局所的な抗菌薬の塗布・注入

             ポピドンヨード・0.025%塩化ベンザルコニウムを使用して洗浄

 

ステージ1

       基準値…骨露出・骨壊死を認めるが、無症状。

単純エックス線写真で骨溶解を認める。

       治療法…●抗菌性洗口剤の使用

           ●瘻孔や歯周ポケットに対する洗浄

           ●局所的な抗菌薬の塗布・注入

             ポピドンヨード・0.025%塩化ベンザルコニウムを使用して洗浄

 

     ステージ2

       基準値…骨露出・骨壊死を認める。痛み、膿排出などの炎症症状をともなう。

           単純エックス線写真で骨溶解を認める。

       治療法…●病巣の細菌培養検査、抗菌薬感受性テスト

           ●抗菌性洗口剤と抗菌薬の併用

           ●難治例:併用抗菌薬療法、長期抗菌薬療法、連続静注抗菌薬療法

 

     ステージ3

       基準値…ステージ2に加えて、皮膚瘻孔や遊離腐骨を認める。

           単純エックス線写真で伸展性骨溶解を認める。

       治療法…●新たに正常骨を露出させない最小限の壊死骨掻爬

           ●骨露出・壊死骨内の歯の抜歯

           ●栄養補助剤や点滴での栄養維持

           ●壊死骨が広範囲に及ぶ場合:辺縁切除や区域切除

 

     ※ステージ0・1に対しては、抗菌性洗口剤の使用や瘻孔および歯周ポケットに対する洗浄、局所的な抗菌薬の塗布・注入があげられており、欧米では高濃度の1%クロルヘキシジン含有含漱剤の使用が推奨されている。しかし、日本ではクロルヘキシジンを主成分とする含漱剤の保険適用はない。

 

【感想・考察】

数年前、“歯科医師会からのお知らせ”のFAXでBRONJについて知りました。患者さんの中にもBP製剤を服用されている方がいらっしゃるので、BRONJを発症させないために私達が注意すべきことをしっかり把握しておかなければならないと思います。服薬状況の確認だけでなく、口腔衛生状態を良好に保つためのTBIや難組織を傷つけないSRPなど、日々の診療でも意識していきたいです。

                                                        衛生士 西内 

  2013/12/31   ふくだ歯科
タグ:BRONJ

「小児の歯科保健指導に役立つ・生かす15の食育知識」について、勉強会で発表して

①食育は知育・徳育・体育の基礎

食育は、知育・徳育・体育のいずれにもつながるものであり、それらの基礎をなすというとらえ方が正しい。

 

②幼児期の食育 7つの目標

(1)食事のときにお腹がすくリズムになっている子ども

(2)食べたいもの、好きなものが徐々に増えている子ども

(3)上手に噛むことができる子ども

(4)親や周りの大人と一緒に食べたいと思える子ども

(5)食事づくり、準備にかかわる子ども

(6)食べ物を話題にする子ども

(7)年齢相応の食具が使え、食事のマナーが身についている子ども

 

③学童期・思春期の食育 5つの目標

■学童期~食の体験を深め、食の世界を広げよう~

(1)1日3回の食事や間食のリズムがもてる子ども

(2)食事のバランスや適量がわかる子ども

(3)家族や仲間と一緒に食事づくりや準備を楽しむ子ども

(4)自然と食べ物とのかかわり、地域と食べ物のかかわりに関心をもつ子ども

(5)自分の食生活を振り返り、評価し、改善できる子ども

■思春期~自分らしい食生活を実現し、健やかな食文化の担い手になろう~

(1)食べたい食事のイメージを描き、それを実現できる子ども

(2)一緒に食べる人を気遣い、楽しく食べることができる子ども

(3)食料の生産・流通から食卓までのプロセスがわかる子ども

(4)自分の身体の成長や体調の変化を知り、自分の身体を大切にする子ども

(5)食にかかわる活動を計画したり、積極的に参加したりすることができる子ども

 

④一番大切なのは楽しく食べる子どもを育てること

もっとも大切なことは、子どもたちが「がんばって食べる」ことで前述のような子ども像を実現させるということでなく、「楽しく食べる」ことで実現させるということ。

 

⑤食は五感すべてを同時に使う唯一の行為

食は5大栄養素(たんぱく質・脂質・糖質・ビタミン・ミネラル)という物質的なものだけでなく、五感に働きかける情報を与えてくれる。食からもたらされた五感情報を受け取った脳に、「心」「知識・スキル」「体の機能」のプログラムがつくられる。

 

⑥楽しく食べるために知っておきたい食欲の仕組み

子どもの食欲を決める最大の因子は、血液中ブドウ糖の濃度(血糖値)である。脳にある満腹中枢と摂食中枢が常にこの血糖値を測っていて、血糖値が下がってくると摂食中枢が感知して食欲をわかせる。食事をとって血糖値が上がると、満腹中枢が感知して食欲を抑制する。これが食欲の仕組みである。

 

⑦食事時に空腹になる血糖値のリズムをつくろう

 

⑧夕食を楽しく食べるためのおやつのとり方

子どもの血糖値を上げるのに必要なブドウ糖(デンプン)はほんの数グラムである。帰宅後(午後3時以降)の夕食前におやつを食べてしまうと、血糖値が上がり脳は食欲をなくしてしまう。

 

⑨「10分早起き・簡単お手伝い」で朝食が楽しくなる

朝、人は血糖値が低くなっているが、脳が目覚めていないと摂食中枢が働かないため食欲を感じない。起きてから朝食までの間に、脳が覚める働きかけが必要になる。そこで、10分だけ早起きをして子どもに食事づくりの手伝いをしてもらう。食事づくりは五感すべてを使うため、多くの刺激が脳に入り、脳は早く目覚める。こうすることで、朝食を食欲がある状態でおいしく食べることができる。

 

⑩早寝・早起き・楽しい朝ごはんで脳のエネルギーを

糖質は最大のエネルギー減でありながら、蓄えがきかないという特徴をもっている。そのため朝食をとらないと体を動かす元気がでず、思考力や集中力もなくなる。

 

⑪楽しく食べられる食事の時間は30

食欲が維持できるのは、食事を始めてからおよそ30分間である。「ゆっくり食べ」と「早食い」のどちらのケースでも、指導・改善は食べ始めの早い時間帯に具体的に行うのが効果的。適量の食事をよく噛んで、30分くらいで楽しくいただき満足する食習慣をつくっていく。

 

⑫食のプラス情報で食べ物が好きになる

子どもたちに好きな食べ物を増やしていくには、第1においしい食事を用意すること。色よく形よく、おいしく香りよく調理して、より上質の五感情報を子どもたちに与える食事をする。

第2に食事の雰囲気が大切である。子どもたちは食事をしながら、その場の雰囲気も目や耳から得て、五感情報に結びつけ一緒に記憶している。さらに、大人がおいしそうに食べることや、言葉かけ(おいしそう!など)もプラスの情報として重要である。

 

⑬楽しく食べて意欲的になる脳の仕組み

楽しく食べている子どもの脳では、脳内物質のβ-エンドロフィン(気持ちを楽しくしてくれる物質)とドーパミン(前向きな気持ちにしてくれる物質)が分泌される。食事を楽しく食べれば、その後、意欲的な時間を過ごすことができる。

 

⑭食のプロセスに関わることで食が好きになる

脳にある扁桃体という器官で、その食べ物が安心かどうかを判断基準として好き嫌いが判断されている。しかし、「子ども自身が生産から口に入るまでの食のプロセスに関わること」で扁桃体に安心情報が送られ、食べ物を受け入れることができるのである。

 

⑮口中調味を知って味の世界を広げる

日本では、ごはん、おかず、汁物を交互に食べる「三角食べ」が奨励されている「三角食べ」では、口の中で自分の好きな味をつくり出すことができ、これを「口中調味」という。ご飯にどんなおかずをどれくらい合わせるかによって、味の楽しみを無限に広げることができる。これも、食の楽しみの1つと言える。

 

《まとめ・感想》

朝食の欠食、栄養素摂取の偏り、肥満あるいは痩せの増加、上手に咀嚼できない子どもの増加など、子どもの食をめぐっては様々な問題があり、将来の健康への影響が心配されています。そこで、口腔の専門家である歯科衛生士には、口腔内だけでなく、口腔を通して子どもの健康な身体、心の成長に関わることが期待されています。今回のレポートをきっかけに、子どもの食育の基本的な考え方を学び、歯科衛生士としてできることから取り組んでいけたらなと思います。

                                                         衛生士 関口 

  2013/12/01   ふくだ歯科
タグ:小児