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スタッフレポート

スタッフによるレポートを掲載しています。

H.26年度 歯科医療安全研修会・HIV医療講習会に参加して

HIV医療講習会講演「歯科診療時の院内感染対策」 則安俊昭先生

歯科診療時の院内感染対策

 一般的な感染経路(進入経路)

  経口(食中毒、糞口感染)

   感染性胃腸炎、腸管出血性大腸菌感染症、赤痢、アメーバ赤痢、A型感染症 など

  経気道

   麻しん、インフルエンザ、結核、感冒 など

  粘膜

   流行性結核炎、りん病、梅毒、性器クラミジア、(エイズ(HIV)、B・C型肝炎)など

  創傷(血液感染)←→皮膚は強力なバリア

   エイズ(HIV)、B・C型肝炎 など…なんでも

  スタンダードプリコーション(標準予防策)

   湿性生体物質(血液・体液〔汗は除く〕・分泌物排泄物)、粘膜、損傷のある皮膚は、何らかの

   病原体を持っている可能性があることを前提に行う予防策

     標準的な予防策

    1.「1ケア1手洗い(ウォッシュ)、「ケア前後の手洗い」

      ・汚れがあれば、流水と(液体)石けん

      ・汚れがなければ、擦式アルコールで手指消毒

      <禁止> ・ベースン法(浸漬法、溜まり水) ・共用タオル

    2.防護用品:手袋、エプロン、ガウン、マスク等、汚染の可能性に応じて

            3.針刺し、切創事故防止(医療従事者の感染防止)

                       リキャップ禁止、直ちに廃棄ボックスへ

                           (どうしてもリキャップしなければいけない時は片手法で)

            4.従事者自身も感染源

                       鼻腔、咽頭、創部にはMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)が存在

                       指輪、腕時計、爪、マニキュア…

                       咳エチケット(必要に応じマスク着用)

                            →※咳・くしゃみの際はティッシュなどで口と鼻を押さえ、他の人から顔をそむけ

                                   1m以上離れる。

                                ※鼻汁・痰などを含んだティッシュをすぐに蓋付きのごみ箱に捨てられる環境を

                                    整える。

                                ※咳をしている人にマスクの着用を促す。

                                    咳をしている場合、周りの方にうつさないために、マスクを着用する。

                                ※マスクの使用は説明書を読んで、正しく着用する。

              5.環境の清浄化

                         汚染は速やかに除去

                         床よりも高頻度接触部位の消毒(撤去)…ベッド柵、ドアノブ、手すり、のれん等

              6.異変を早期に察知して対策を

                         2週間以上の咳…結核を意識

                          発熱、嘔吐、下痢患者の多発など(入院施設院内感染など)

   B型・C型肝炎ウィルス(=感染力強い)の感染経路

     ●血液感染

     ◇注射針・注射器を肝炎ウィルスに感染している人と共用

       …麻薬・刺青・歯科処置等において滅菌不十分な場合

     ◇血液を傷のある手で触ったり、針刺し事故を起こした場合

     ◇歯ブラシ・ひげそりの共用 ◇B型肝炎ウィルスに感染している人と性交渉をもった場合

               ◇B型肝炎ウィルスに感染している母親から生まれた子に対して適切な母子感染予防措置を

                   講じなかった場合(ワクチン接種などで防げる)

               ※日常生活でうつることはまずありません。

           エイズ 後天性免疫不全症候群

     HIV(人免疫不全ウィルス)が、免疫のしくみの中心であるヘルパーTリンパ球

             (CD4細胞)という白血球に感染し、次第に免疫を破壊する。

                自覚症状のない時期(無症候期)が数年続き、その後、免疫が低下してしまうと、本来なら

                自分の力で抑えることのできる病気(日和見感染や悪性新生物など)を、発症するように

                なる。 HIVは、感染力の弱いウィルスです。

              【感染経路】

                     ◆性行為…HIVは主に血液や精液、膣分泌液に多く含まれ、感染者の血液・精液・膣分

                                       泌液から、その性行為の相手の性器や肛門、口などの粘膜や傷口を通って感染

                                       する。 コンドームの正しい使用は、予防に有効な手段。

                     ◆血液感染…針刺し事故、“回しうち”による注射器具の共用など

                     ◆母子感染…HIV治療薬の服用や母乳を与えないことで、予防可能

                                        (感染を1%以下に)

                      ※性感染症(クラミジアなど)を発症しているとエイズにかかりやすくなる。

まとめ

  感染力や感染経路をよく理解して正しく警戒する。

  恐れすぎず、侮らずやるべきことを確実に行う。

 みんな一人ひとりがかけがえのない人。

  感染症はその人の付帯状況であり、人格を尊重し、正しく対応すべき。

      ↓

 プロとして正しい知識と適切な対応を。

  ※診療拒否が起こらないようにすべき

  ※B型肝炎ウィルス、HIVを完全に排除することは出来ない

     ※感染力…HBV>HIV

【感想・まとめ】

 今回のこの講習会の話から、改めて自分の考えや気持ちを調整することが出来たように思います。

 もちろん知っていることや医院として行なっていることも多くありましたが、段々と“慣れ”から見え

 なくなっている部分もあると思いますので、自分が今までどう考え、どのように行なってきたかを

 振り返るきっかけになったと思います。感染しないこと、感染させないことに十分気を付ける必要は

 ありますが、過度に恐れることなく、日々の診療を行なっていけたらと思いました。

                                      衛生士 河本

  2015/06/03   ふくだ歯科

「妊婦さんにこれだけは伝えたい!」について、勉強会で発表して

☆う蝕予防

 *う蝕リスク

  ①「食事、間食の回数が増えることで虫歯になりやすくなるので注意しましょう」

   ⇒妊娠中はホルモンバランスの変化や唾液量の減少、免疫力の低下などによって 口腔内は細菌が  

    繁殖しやすい環境になる。

    また食べ物の好みが極端に変化したり、食事回数が増えることがよくある。

    食物中に含まれる炭水化物が細菌によって分解され、口腔内が酸性に傾くと、 歯の表面が溶け

    やすくなり、う蝕リスクが高まる。

  ②「つわりの時期は虫歯になりやすくなります。歯磨きで気持ち悪くなる場合は小さい歯ブラシに

   する、においや刺激の少ない歯磨き粉を使うなど工夫しましょう。」

   ⇒妊娠中には眠気が強くなったり、頭痛やめまい、発熱の症状、精神不安定になったりする

    ので、口腔ケアがおろそかになりやすい。

    吐き気・嘔吐の症状がある場合には、歯磨きで嘔吐をもよおすこともある。

    また嘔吐時の胃酸は口腔内を酸性に傾けるので、エナメル質が脱灰しやすくなることが考え

    られる。

 *フッ化物の利用

  ③「フッ化物配合の歯磨材や洗口剤によるお口のケアは、虫歯予防の有効な手段です」

   ⇒フッ素にはエナメル質の脱灰抑制作用、再石灰化促進作用、プラーク細菌の酸産生の抑制作用

    があります。フッ化物配合の歯磨材や洗口剤による口腔ケアは、エナメル質を酸による

    ダメージから守るのに有効。

  ④「赤ちゃんに虫歯菌を移さないためにも定期的に通院して虫歯予防をしっかり行いましょう。」

   ⇒歯科医院でう蝕の進行をとめる処置や専門的なプラークコントロールを受けることは、妊娠中

    のう蝕予防に有効であるだけでなく、口の中の細菌数を減らし環境を整えることで、う蝕原因

    菌の母子感染を予防する。

☆歯周病予防

 *妊娠性歯肉炎

  ⑤「妊娠中は歯肉炎になりやすいです。きちんとプラークコントロールできていないと、ひどい

   歯肉炎や歯周炎になってしまう危険性があります。歯肉炎の予防や症状悪化を防ぐために

   プラークコントロールをしていきましょう。」

    ⇒妊娠中はエストロゲンやプロゲステロンなど女性ホルモンの分泌がさかんになり、口腔内で

     はこれらのホルモンを好む歯周病細菌が増えるため歯肉炎になりやすくなる

     (=妊娠性歯肉炎)

     妊娠による内分泌系の変化が大きく関係しているので、出産後は自然消失することも

     多いが、きちんとプラークコントロールできていない場合にはひどい歯肉炎、歯周炎を

     起こす危険がある。

      ※妊娠中期のプラークと歯肉炎の関係についての調査

       →プラークの多いグループは少ないグループに比べて歯肉炎指数が2.6倍だった!

*低体重児出産・早産と歯周病

   ⑥「歯周病は早産のリスクを高め、反対に歯周病を治療することによって早産の発生が減少する

   可能性があります。早めの検査と必要な治療が大切です。」

  ⇒早産の25~40%が産科器官の感染症からおこるといわれている。

   膣内に感染が起こるなどの炎症状態になると、プラスタグランジン(PGE2)などの子宮収縮物質

   が羊膜腔や胎盤膜に作用し、子宮収縮や頚管熟化などを促進して早産を引き起こすと考えられて

   いる。 歯周病は慢性感染症であり歯周病巣内では歯周病細菌やその構成成分などにより炎症反応

   が起こりさまざまな炎症性物質が放出される。

   これらが血液中で上昇することにより、胎盤を通過して胎児の成長に影響を与えたり、子宮収縮

   を促進して早産を引き起こすことが考えられる。

    ※低体重児出産、早産と歯周病の関連性はまだ確立されていないが、歯周病は早産のリスク

     ファクターになるという報告や、歯周病の治療によって早産の発生率が減少するという報告

     がある。

    ※歯周病による早産発生のメカニズム

      歯周病→血中のサイトカイン上昇→子宮収縮→早産

☆喫煙のリスク

   ⑦「喫煙は歯周病を重症化させ、またお母さんの身体だけでなく胎児の発育にも悪影響を及ぼ

    します。」

      ⇒喫煙者の歯周病罹患率は非喫煙者の2~9倍も高く、喫煙本数と比例して歯周病が重症化  

       することがわかっている。

       喫煙は妊婦の身体だけでなく、胎児の発育にもさまざまな悪影響を及ぼす。

       喫煙すると子宮血液量が減少し、母体側から胎児側へ十分な栄養物質や酸素が届かなく

       なってしまうため、低体重児出産、早産が高頻度に発生するとされている。妊婦本人が

                       タバコを吸わなくても、妊娠中に受動喫煙にさらされただけでそのリスクは高くなる。

      ※喫煙の胎児へのリスク

       ・因果関係の証拠:示唆的

        →流産、子宮外妊娠、先天性奇形(口蓋裂)

       ・因果関係の証拠:確実

        →低体重児、早産、妊娠中の異常、乳幼児突然死症候群

      ※早産や低体重児、乳幼児突然死症候群、妊娠中の異常は、妊婦本人が喫煙しなくても

       周囲の喫煙だけでリスクが上昇することが明らかにされている。

☆妊婦の歯科治療の安全性について

  ⑧「歯科治療を行ってはいけないという時期はありません。局所麻酔も大丈夫です。 妊娠中は普段

   よりもトラブルを起こしやすいので、自覚症状がなくてもクリーニ ングや適切な治療を受けま

   しょう。」

   ⇒原則的に妊娠中に歯科治療を行ってはいけないという時期はない。

     安定期に入れば母体に負担がかかる治療でなければ、局所麻酔も大丈夫。

     妊娠中は普段より口腔内にトラブルを起こしやすい状態。産まれてくる子ども の歯の健康の

             ためにも正しい知識を吸収し、口腔ケアに対する意識を高める重要 な時期でもある。

《感想》

 妊娠をきっかけに検診希望で来院される患者さんも多くいらっしゃいます。

 「妊娠中は虫歯や歯周病になりやすい」ということはなんとなく知られていますが、来院された患者

    さんに科学的根拠に基づいてしっかりと説明できるように今回のレポートの内容を頭にいれておき

    たいと思います。

 妊娠、出産は人生でとても大きなイベントであると同時に、妊婦さんや生まれてくる乳児の健康に

    関する意識が、本人はもちろん周囲の人たちも含めてとても高まる時期です。

 妊婦さんへのアプローチから、予防の重要性を家族単位で伝えていけるよう、情報を活用していき

    たいと思います。                                 

                                     衛生士 西内 

  2015/05/27   ふくだ歯科
タグ:妊娠

「フィッシャーシーラントで効果的にう蝕を防ごう」について、勉強会で発表して

う蝕予防効果が期待できるフィッシャーシーラント。

昨今の製品には様々の機能が付加され、さらには、簡便なものと進化してきています。

今回のレポートでは、注目したい機能についてまとめました。

 

機能1 再石灰化&歯質強化を狙ったフッ素のリリース&リチャージ機能

現在主流のシーラントには、フッ素のリリースとリチャージ機能があります。

これにより再石灰化および歯質強化が期待できます。

シーラントを填塞すると、シーラントが水溶液や唾液に触れてフッ素が徐放(リリース)されます。

つまり処置した歯にフッ素が供給されるわけです。

その後もフッ素は徐放され続けますが、経時的に減少していきます。

しかし、填塞されたシーラントの中に、再びフッ素を取り込むことができます。

それがリチャージです。 ではどうすればリチャージできるのでしょうか。

それは私たちが日常的に行っているフッ化物歯面塗布です。

シーラントを9000ppmのフッ化ナトリウム溶液に3分間触れさせておくと、最初に徐放された量と

ほとんど同量のフッ素がシーラント中に取り込まれ、再び徐放し始めます。

つまり定期健診時に塗布したフッ素の効果を、シーラントによって長く持たせることができるのです。

機能2 イオン放出による酸緩衝能

プラークのpHが5.5以下になるとエナメル質が脱灰するため、プラークpHを5.5以上にコントロールする

ことがう蝕予防では重要です。シーラントはこの部分でも期待できます。

多種類のイオンを放出してシーラント周囲のpHを中性に誘導する作用(酸緩衝能)が、昨今のシーラント

にはあります。

機能3 簡便性

シーラントとエナメル質の接着メカニズムは、主としてエナメル質表面の酸処理による物理的接着に

よるものです。歯面処理にはリン酸が用いられてきました。

しかし現在では、セルフエッチングプライマーや1液性ボンディング材、あるいは歯面処理を不要と

するものまでが登場しています。

これによって時間が短縮でき、操作も簡便になり、よりスムーズに処置ができるようになっています。

機能4 エナメル質にやさしいシステム

前述のとおり、歯面処理にリン酸溶液が用いられてきました。しかし昨今では、酸処理によるエナメル

質表面の過度な脱灰を避けた、歯に優しいシステムが開発されています。

セルフエッチングプライマーとセルフエッチングアドヒーシブなどです。

機能5 接着力

シーラントの接着力も各社製品によって異なります。リン酸溶液で処理したシーラントがもっとも

接着力が大きいですが、いずれのシーラントも、臨床に使用可能な接着強さは示されています。

機能6 その他

シーラントにはこの他にもう蝕予防が期待できる物質が含まれており、シーラントから徐放されて

いきます。ストロンチウムによるエナメル質の酸耐性の獲得や、窩溝底部の石灰化封鎖や自己修復

されることにも期待されています。

《感想・まとめ》 シーラントは、接着技術の発展や歯科界の動きとともに改良されてきました。

以前にはなかった機能が追加され、う蝕予防への効果がより期待されています。

今回のレポートを参考に、シーラントの適応となる小児患者とその保護者に対して、適切な情報を

分かりやすく伝えることのできるよう努めていきたいと思います。

                                  衛生士  関口                       

  2015/05/21   ふくだ歯科

「やる気を引き出す!ほめ言葉ハンドブック」を読んで

効果的なほめ方の秘訣

 六つの原則と四つの心がけ

 《原則1》事実を、細かく具体的にほめる

    漠然とした言葉でほめられるより、自分のどの部分がよいかを細かく具体的にほめられた

    ほうがうれしい。

    ・「君はすばらしい」→「今の対応の仕方、心がこもっている感じがした」

 《原則2》相手にあわせてほめる

    相手の性格や、置かれている立場・状況に応じたほめ方をする。

    ・相手の話を聴き、状況をよく見て、心で受け止める。←観察上手

 《原則3》タイミングよくほめる

    相手がよいことをした時、成果を上げた時に、すかさずほめる。

    ・普段からコミュニケーションをとり相手の細かい変化を見のがさない。

 《原則4》先手をとってほめる

    一方的にほめるだけでなく、互いに喜びを共有する←互いにほめあう。

    ・大切なのは、相手より先にほめる。←謙虚な人、調和を大切にする人。

 《原則5》心をこめてほめる

    飾らない言葉、シンプルな言い回しで言葉と声に気持ちを乗せて伝える。

    ・相手に対する感謝の気持ちを心をこめて一言、伝えることから始める。

 《原則6》おだてず媚びずにほめる

    「ほめる」には、相手の自発性や意欲を引き出し、組織自体をよりよく していくという

     ポジティブな効果が付随する。

    ・ほめた時に相手がつけあがってしまうのは、ほめているつもりでも、 おだてたり、

     媚びたりしているかもしれない。

 ほめ上手になるための四つの心がけ

  《心がけ1》ほめる要素を探す

     ・何をほめていいかわからない時は、「結果」よりも、努力している「プ ロセス」の段階、

      日常の業務にこそ、目を向けることも大切。

     ・その人の心に響く最適なほめ方、ほめ言葉は、ほめているうちにわか ってくる。相手の

      反応を見ながら、一人ひとりにあったほめ言葉を 見つけていくことが大切。

  《心がけ2》ほめ方のレパートリーを増やす

     ・ほめる際は、事実を具体的にほめることが基本。

     ・ほめる材料が見当たらない場合は相手の可能性にフォーカスしたり、 人によっては過去の

      栄光や武勇伝を聞いてあげることが、ほめる以 上の効果をあげる場合もある。 

  《心がけ3》力加減をコントロールする

     ・評価にあわせてほめ加減を調整する。

  《心がけ4》あきらめずに実践する

     ・今までやっていなかったことをはじめると、最初は違和感があるが、 途中で投げ出さず、

      新しい習慣になるまで続けていくことが大切。

【感想】

  ほめ上手になると得する理由には、理解されている実感を相手に与えられ、 相手の自己信頼や自信

  もアップし、モチベーションも上がるということです。そして、相手だけでなく、ほめる側の

  エネルギーも上がるということです。ほめることをあまり意識していなかったので、ほめることを

  心がけていきた いと思います。                       

                                     衛生士 赤木

  2015/05/13   ふくだ歯科
タグ:話し方

顎関節症について、勉強会で発表して

 近年、増加しているといわれる顎関節症。時々痛みがあったり、音が鳴ったりするけれど、どう対処

したらいいのか分からないということはありませんか。日常の何気ない動作や習慣を見直して、顎の

負担を減らすポイントを知ることは大切です。

 

「顎関節症」とは?

 「顎の関節が痛い、顎の音が鳴る、口が開きにくい」といった症状を中心とした「慢性疾患群の総括

  的診断名」つまり、症状によって付けられた名前である為、人によって様々な原因があります。

 顎関節症に起因する因子

 ①かみ合わせ…入れ歯が合わない、抜歯したまま放置など

 ②関節円板の異常…骨と骨の間のクッションの役割が弱まる。

          ポキポキ、コクンコクンという音(クリッキング)の原因に

 ③異常習癖・筋の過剰活動…かみしめやくいしばり(ブラキシズム)、片側で咀嚼するなどが問題に

 ④心理学的な因子・ストレス…③の筋の過剰活動を引き起こすことにつながる

 ⑤外傷(けが)

   ⑥関節の過伸展性(伸びやすさ)

 ⑦神経系の異常

    ⑧全身的因子…リウマチ、多発性関節炎など

口の使い方  

 痛みが強い場合や口が開かないような場合には堅い食べ物や、片側だけで咀嚼すること、不用意な

 あくびを避ける。

 カラオケなどで長時間大きく口を開けて歌ったり、吹奏楽の演奏などで口や頬の筋肉を緊張させる

 ことも顎の負担となる為、症状が出たら控えるようにする。

姿勢  

 猫背、長時間のパソコン操作や自動車の運転などで、頭が前に傾いた姿勢になると、首の後ろの筋肉

 が緊張を起こし、顎関節症だけでなく、緊張性頭痛の原因にもなります。

 睡眠時の姿勢→高い枕や硬い枕で顎が押さえられると顎に負担がかかる為、要注意。

 首を曲げる動作→ほおづえをついたり、電話を肩と頬に挟んで話したりすることも顎に負担がかかっ

         てしまう。

ストレスとの関連

 不安や怒りなどの情動的な問題があると歯ぎしり、食いしばりが増えて顎の筋肉が疲労し痛くなる。

 特に睡眠中のかみしめは起きているときの数倍の力がかかる為、目が覚めたときに 口が開かない

 こともある。

 歯ぎしりや食いしばりはストレス以外にもかみ合わせの問題や、重いものを持ち上げることなどでも

 生じます。

こんな思い込み、勘違いをしていませんか?

 1.症状があるからといって全てを病気ととらえる必要はありません。

   非患者集団の調査でもかなりの人に症状を認めているものの、積極的な治療が必要なのは4~

   7%といわれています。他は一時的で自然に症状が消えるもの。また、原因を全て取り除くこと

   は通常の生活の中では不可能。あまり気にするのもストレスとなる為、心配しすぎないことも

   大切。

 2.かみ合わせの問題も顎関節症の原因の一つではありますが、歯並びが悪いからといって必ずしも

   顎関節症になるわけではありません。すぐに歯を削るなどして治そうとするのではなく、まずは

   保存的な治療を試します。

 3.抜歯をしたまま長期間放置したり、虫歯の治療をせずに放置しておいたりすると、想像以上に歯

   が移動し、かみ合わせがおかしくなってしまいます。そうすると、片側で噛むなど咀嚼機能や、

   顎関節にも影響します。歯科医院での治療を済ませましょう。

 4.女性に多いといわれている顎関節症ですが、実は症状の有無には男女差はないという調査結果が

   あります。ただし、治療を受けるのは圧倒的に女性が多いという事実は、女性の方が音や痛みが

   強く出たり、健康に対する意識が高いといったことにも関係があると考えられます。

治療の具体的な内容は?

 ①まずは生活の中でのセルフケア指導

  顎周りの硬くなっている筋肉のマッサージ、首を回すなどのストレッチ、散歩などの適度な運動で

  血行を良くするのも効果的。心身のストレスを避け、よく眠れるようにカフェインを取りすぎない

  などの工夫も大切。

 ②効果無ければ保存的治療

  痛み止め、マウスピース、超音波、赤外線など。中には心理的な問題が大きく、抗うつ剤が効く

  場合もある。

 ③どうしても治りが悪く痛みが強い、口が少ししか開かない場合、外科的療法へ

  割合としては少ないものの、顎関節症の症状の中には、顎関節強直(キョウチョク)症や顎関節軟骨腫症

  など、外科療法を必要とする疾患もある為、症状が長く続く場合は専門の施設へ相談する。

【感想・考察】

  最近、顎関節症に悩む患者さんがよく来院されておられるように感じます。そんな折りにこの資料

 を見つけたのでレポートにしてみました。私自身も顎関節症の症状がありますが、実際の所あまり

 よく分かっておらず、マウスピースくらいしか出来ることはないだろうと今まででは高をくくって

 いた部分がありました。ですが今回調べてみて、日常生活で行う事の出来る顎への負担の軽減やセル

 フケアの具体的な情報を得ることができ、とても参考になりました。話題や説明の引き出しとして

 頭に留めておこうと思いました。

                                  衛生士 河本

  2015/04/19   ふくだ歯科
タグ:顎関節症

「適切なプロービング圧は何Nなのか?」について、勉強会で発表して

◎プローブによる人体への侵襲は限りなく小さい

  プロービングに関して「プローブのような鋭利なものを歯周ポケットに挿入して害はないか」という

  疑問がよく挙がる。プロービングに限らず、何かが身体に侵襲を与えるかどうかを確認するために

  人体を使って実験することは倫理的に難しい場合が多い。

  そこで、動物を使った実験によってシミュレーションされる。

   ex)1972年、TaylorとCamplellによる実験

     メスで歯肉溝部の歯肉と歯を切り離したところ、5日間で付着上皮のより 完全な治癒が

     起こった。

      →メスのような刃物で切開したとしてもこのような治癒が起こることから プロービングを

       しても特に大きな問題になるとは思えない。

◎プロービングを過度に危険視せず、正しい認識をもつことが大事

  プロービングを行った後には、当然ながら歯肉縁下のデブライトメントが行われる。

  場合によっては、歯周外科手術も行われる。歯周組織への侵襲という点だけを考えたら、これらの

  治療が引き起こすのはプロービングの比ではない。

   ex)2004年、Axelssonによる研究

     プラークコントロールプログラムに組み入れた患者を30年間追跡。

     その中でも繰り返しプロービングを行っているが、30年間で歯が喪失した原因としてもっと

     も多かったのは、プロービングが関係するとは考えられない「歯の破折」だった。

      →よほどやり方を間違えない限り、プロービングが非可逆的に組織破壊を引き起こす

       可能性は極めて少ないといえる。

 ◎プロービングの結果は、さまざまな要因によって左右されやすい

  ☆プロービングの結果に影響を及ぼす要因

    ・プローブの挿入方向

    ・歯石の有無

    ・修復物のオーバーハング

    ・プローブ先端の直径…大PPD浅、小PPD深

    ・プロービング圧…強PPD深、弱PPD浅

    ・プローブ先端の形態

    ・歯肉の炎症

《支持組織が減少しているが健康な歯周組織におけるプロービング時の出血とプロービング圧の関係に

ついての研究》

*研究目的

  慢性歯周炎で支持組織が減少したが、治癒によって歯周組織が健康となった患者における適切な

  プロービング圧を検証すること。

*研究対象

  中等度から重度の歯周炎に対する治療後のメインテナンスに2~6年通院していた患者10名。

  年齢層は36~69歳。

  被験者はメインテナンス期間を通じて極めて良好な口腔衛生状態を維持し、歯肉の炎症症状もごく

  わずかであった。また、期間中に支持組織の喪失がなかったこともPPDやエックス線写真で確認

  された。

*研究方法

  研究をはじめるにあたって、被験者全員に対し、ラバーカップやMIペーストを使った口腔清掃が

  行われた。その後、以下の内容を行った。

   研究開始14日後:プラーク指数および歯肉炎指数を記録した

   研究開始2日後、12日後:各クアドラントごとにそれぞれ0,125ニュートン(N)、0,25N、

               0,375N、0,5Nでプロービングが行われた。

               規格加重エレクトリックプローブ(先端の直径は0,4㍉)でプロービング

               を行った後、BOPの有無を記録した。

    ※クアドラント=4分の1顎のこと。

      上顎右側、上顎左側、下顎右側、下顎左側の4つに分けた場合の一つを指す。

    ※ニュートン(N)=力を表す単位。

     質量を表すグラム(g)とは意味合いが違うため、厳密には換算できないが、ここでは大体

     1Nを102gと考える。

  *主な結果

  プロービング圧が0,125Nの場合、BOPが起こる頻度は2,5%、0,25Nで4,7%、 0,375Nで5,1%、

  0,5Nで7,9%となった。

  また回帰分析の結果、プロービング圧とBOPの頻度との間に有意な相関がみられた。

上記の研究結果と、同じ研究者によって1991年に発表された研究の結果をあわせての結論は

「プロービング圧は0,25Nを超えるべきでない」というもの。

 →すなわち、0,25Nを超えると歯周組織が健康状態を保っているにもかかわらず、出血が起こる

  可能性(擬陽性率)が高くなってしまうということ。

    …しかし

   ・上記の結果をみると、0,25Nと0,375Nの場合ではBOPの頻度にさほど違いがないように

    思える。

   ・上記の研究、1991年の研究ともに、歯肉の炎症が存在する場合にどれだけ疾患を見逃す

    可能性があるか等の分析はなされていない。

     ⇒したがって「プロービング圧は0,25Nを超えるべきではない」という結論には少々疑問

      が残る。

数多くの文献などから総合的に考えると、プローブ先端の直径が0,35~0,4㍉の場合は0,25N~0,5N、

0,63㍉の場合は0,5~0,75Nのプロービング圧が最適であると考えられる。

 ⇒プローブ先端の直径によって、適切なプロービング圧にはばらつきがある。

  重要なことは治療前と再評価時で同様の圧でプロービングを行うということ。

  再現性の高いプロービングを目指すこと。

《感想》

 当院では頻繁にプロービングを行っています。 メインテナンスに移行した方では1~3ヶ月に1回。

P症状の強い方では2~3週間に1回ペースで行うこともあります。

歯肉を傷つけることがないよう細心の注意をはらって行いますが、それでもやはりレポートの初めに

あったような「プローブのような鋭利なものを歯周ポケットに挿入して害はないか」という疑問は

挙がって当然ではないかと思います。

 よほど間違えない限りプロービングが組織破壊を引き起こす可能性は極めて少ない、とあります

が、”よほど間違えたやり方”をすれば可能性は0ではないともいえます。

私たちDHは、プロービングを行うにあたり、適切なプロービング圧で細心の注意をはらって実施して

いかなければならないとあらためて感じました。

                                      衛生士 西内 

  2015/03/11   ふくだ歯科

「義歯が入った患者さんへのメインテナンス」について、勉強会で発表して

 可撤式義歯を装着している患者さんに歯科衛生士ができること

 昨今、「80歳まで20本の歯を残そう」というスローガンを掲げた8020運動が効を奏し、高齢者でも残存する歯数が多くなってきた。しかし、それでもそうした患者さんに全く欠損がないとは限らない。可撤式義歯を装着している患者さんの義歯を含めた口腔内の健康を、担当歯科衛生士としていかに長期間維持するかをテーマに、下記のポイントをふまえながらメインテナンスを行う。

 メインテナンスで義歯を診るときのポイント

 ●義歯の状態

  ・義歯床(破折線、破損、破折、変形)

  ・維持装置(クラスプ、レスト、アタッチメントの破損・破折・変形)

  ・人口歯(咬耗、破折、脱落、変色)

  ・装着状況(夜間装着の有無)

  ・清掃状態(義歯洗浄剤の使用状況)

 ●義歯を支え歯

  ・力の問題(歯根膜腔の拡大、歯の動揺、チッピング)

  ・う蝕の発生(根面う蝕、二次う蝕)

 ●床下の粘膜

  ・床との不適合(歯槽堤の変化、粘膜の変化、義歯性潰瘍)

  ・粘膜の圧痕(クレンチング)

  ・日和見感染(カンジダ症)

 実際の義歯調整・修理は歯科医師が行うが、歯科衛生士が事前に上記のポイントをチェックし、小さな変化、または異常を察知し、歯科医師に報告する。

◇新たに義歯を作りたい患者さんに、義歯を作る前に聞いておきたい事

 現在の義歯のどんな点に不満があるか。ex…よく噛めない。(噛むと歯茎が痛い、傷ができやすい、片側で噛むと反対側の義歯が動く) ぴったりフィットしていない。舌触りが悪い。外観。義歯が壊れた、欠けた。etc…

 以前作製した義歯装着に抵抗がある患者さんや、初めて義歯を作製する患者さん、それぞれに合った義歯作製やメンテナンスの計画をたてていく事が大事となる。

〈感想〉 患者さんに、義歯と上手に付き合って貰えるように、私達が細やかな変化に気付く事が重要だと思った。できれば、義歯に至った経緯なども知り、今後どう診ていくか考え、アドバイス出来るようになりたい。                                           

                                   歯科衛生士 千田 

  2015/03/04   ふくだ歯科

「CAD/CAMと接着~今、臨床に必要なもの 坪田有史先生」の講演会に参加して

2014年に社会保険診療報酬改正で「小臼歯に限局されたハイブリッドレジンブロックを用いた

CAD/CAM冠」が新たに保険収載された。                 

ということは・・・ 「保険で白い歯」はHJKとハイブリッドレジン冠ができるように!

(ただしどちらも小臼歯まで)                 

HJKは強度が低く、破損しやすかったため、あまりおススメできなかったが、ハイブリッド冠は

強度がUP!!     

〈ヌープ硬さ〉

・ハイブリッドレジン・・・180                     

・コンポジットレジン・・・50~104                     

・エナメル質・・・345                     

・象牙質・・・68

≪ハイブリッドレジンとは??≫

ハイブリッドセラミックスとも呼ばれる。ナノフィラーと呼ばれる超微粒子セラミックスをレジン

(プラスティック)の中に高密度に混ぜ合わせたもの。重さの90%がフィラー。

〈利点〉

・保険内で見た目が白い。

・技工士さんが楽。

・HJKより強度がある。

・金属アレルギーが起こらない。

・セラミックスと比べると修理しやすい。

〈欠点〉

・オールセラミック、金属より強度が劣る。

・セラミックスより汚れが付着しやすい。時間が経つと変色。

・色調はオールセラミックスに比べると劣る。

・FCK と比べると形成量が多い。

・適合が悪く、セメントに頼っている部分がある。

・脱離することが多い。

感想

今回ハイブリッドレジンについていろいろ調べましたが、まだ4月から始まったばかりで情報があまり

ないように感じました。もう少ししたら欠点も詳しく出てきそうなので、その時点でもう一度本当に

患者さんにおススメできるか考えたいです。     

                                 歯科医師  太田

  2015/02/19   ふくだ歯科
タグ:CAD/CAM

「なぜ歯周治療でブラッシング指導が重要なのか?」について、勉強会で発表して

今回は歯周治療の中でまずブラッシング指導を中心とした歯肉縁上プラークコントロールが徹底される根拠について考えていきます。

研究目的

深い歯周ポケットをともなう部位の歯肉縁下インスツルメンテーション後の、歯肉縁下細菌叢の再集落化(菌が再び集まること)を調査すること。

研究対象

歯周炎が進行した患者16名。年齢層は33~63歳(平均年齢43歳)。

研究方法

1人につき、プロービング・ポッケト・デプス(PPD)6mm以上でプロービング時の出血(BoP)がみられる部位4ヶ所が対象とされた。研究開始時に被験者全員にブラッシング指導を1度行い、その後2~4回のアポイントで全額の歯肉縁下のSRPが行われた。次に、被験者はグループA(9人)とグループB(7人)の2グループに分けられた。このうちグループAにおいては、研究開始後16週間ブラッシング指導が行われなかった。16週後に歯肉縁下のデブライトメントが再び行われ、その後ブラッシング指導と1日2回のクロルヘキシジン(CHX)による洗口の指示、および2週間に1回の専門家による歯面清掃(PTC)が、32週間後まで続けられた。

一方、グループBには32週間、ブラッシング指導、1日2回のCEXによる洗口、2週間に1回のPTCが継続して繰り返し行われた。

point1 プラークコントロールの質が歯周治療の結果を左右する

今回の研究では、グループAにおいて、研究開始時に1回はブラッシング指導が行われたものの、その後16週間後まで一旦中止されました。その結果、グループBと比較して、臨床的パロメータの改善の程度が低くなりました。つまり、プラークコントロールの質が歯周治療の結果を左右することが示されたのです。

Point2 ブラッシング指導は繰り返し継続する必要がある ブラッシング指導を1回だけ行ったグループAでは臨床的パラメータは改善されませんでした。ブラッシング指導は「1回だけでいい」というものではありません。プラークコントロールの質を維持するためにも、患者さんがきちんとブラッシングできているか毎回チェックし、必要に応じてアドバイスしましょう。

《まとめ》 歯周炎の原因がプラークであるとわかる以前は、歯周治療の主体は対処療法でした。いきなり歯周外科手術を行ったり、「歯周病は治らない」と諦めてすぐに抜歯をして補綴治療が行われていたことを知り驚きました。 患者さん自身にブラッシングを継続して行っていただければ、患者さんと術者の両方にとってメリットは大きいです。ブラッシングの重要性についてお互いにしっかり理解したうえで治療をスムーズに進め、信頼関係を築いていきたいと思いました。

                                                    衛生士 関口

  2015/01/14   ふくだ歯科
タグ:歯周病

「新しい経口抗凝固薬を知って対応しょう!」について、勉強会で発表して

Ⅰ.医科から見た新しい経口抗凝固薬

1. 唯一の経口抗凝固薬だったワルファリン

  ・内服薬としての抗凝固薬は、長い間ワルファリンしかなかった。

 ・ワルファリンはビタミンKに拮抗し、凝固因子の産生を阻害し抗凝固作用を発揮。

  ・作用発現は遅く、内服を中止しても作用が消失するまで数日の時間を要す。

 ・食事や他の薬剤との相互作用が多く、Ptにより維持量のばらつきが大きいため、  

  定期的に採血し効果判定しなければならない。←使いがたい薬

2. 新しい経口抗凝固薬の登場

 ・直接トロンビン阻害(プラザキサ)や第Ⅹa因子阻害(イグザレルト、リクシアナ)は安定した抗凝固

  作用を発揮する。←ほとんど用量調節せずに、速やかに抗凝固法を行うことが可能になった。

《経口抗凝固薬》   ☆新薬  

 [商品名・一般名・特徴]  

 ★ワーファリン   ワルファリンカリウム    

  抗生剤内服で作用増強する可能性あり  

 ☆プラザキサ    ダビガトラン エテキシラート メタンスルホン酸塩         

  相互作用が少ない  

 ☆イグザレルト   リバーロキサバン         

  相互作用が少ない  

 ☆リクシアナ    エドキサバン トシル酸塩水和物         

  入院中の患者に限り使用(内服中に歯科を受診することはまれ)  

 ☆ELIQUIS アピキサバン         

  国内未発売(承認申請済)   

3. 医科における抜歯時の対応  

 ・抜歯を含む歯科治療や小手術では抗凝固薬は中止せずに、継続し、局所の

  止血処置で対応するのが原則。  

 ・出血がかなり多いと予想され、出血が負担になると思われる場合→休薬指示    

  (これらの指示は処方医に決めてもらう)

Ⅱ.歯科による抗凝固薬服用患者さんへの対応   

 ・問診により抗凝固薬が使用される可能性のある併存疾患を有していないか聞き取る。   

 ・おくすり手帳や持参薬から抗凝固薬服用の有無を確認する。  

《歯科臨床で遭遇することの多い抗凝固療法患者》  

  心疾患    : 弁膜症、心臓外科手術後、心房細動、 ペースメーカー埋め込み術後、心不全

  脳血管障害  : 心原生脳梗塞症      

  その他    : 肺塞栓、深部静脈血栓症、人工血管置換術後

《処置前にしておく対応》   

 ○主治医(医科)への対診・情報交換    

  ・観血処置時の抗菌剤予防投与の必要性があるか    

  ・抗凝固薬中止なしで観血処置可能であることの確認    

  ・後出血時の対応についての情報交換    

  ・ワルファリン服用の場合は最近のPT-INR値    

  ・平常時の血圧    

  ・血管収縮薬使用の可否   

 ○患者さんへの説明    

  ・むやみに薬剤を中止しないように指導する    

  ・基本的に抗凝固薬の中止をしなくても、外科処置が行えることを説明    

  ・服用している抗凝固薬を中止した場合、生命に危険を及ぼす合併症を生じる 可能性があること

   の説明     

  ・服用を継続して観血処置を行う場合、後出血の危険性があるが適切に対処する ことの説明

《感想》   

 循環器内科や心臓血管外科に通っている患者さんは抗凝固薬を内服していることが多い。有病者で

 あるか、どのような薬を内服しているかなど、患者さん自身が歯科と 関係ないと判断し、ご自分から

 申告されない場合もあるので、問診では、些細な ことでも見逃さないようにしなければならないと

 思う。                                 衛生士 赤木

  PT-INR :PTの国際標準比。従来から使用されているPTなど血液凝固能検査は各試薬に より同じ

      検体でも血液凝固時間にばらつきがみられていた。そのばらつきを補 正し、世界中のどの

      施設とでも比較できるように導入された。日本のワルファ リンの推奨治療域は、医師の

      ガイドラインではPT-IRN 1.6~2.8となっている。 

  2015/01/07   ふくだ歯科
タグ:抗凝固薬