スタッフレポート

頑張っている歯科衛生士

頑張っている歯科衛生士への応援メッセージの講演に参加して

SデンタルクリニックのTさん

「歯科衛生士になって嫌いだった自分を好きになれた」

Tさんは何も持っていない自分が嫌いで、人生なんかどうでもいいと思っていましだが、26歳で離婚し

本当に何もなくなった時に人生をやり直してみようと28歳の時に歯科衛生士学校に入学。でもいざ就職

すると、時間が経つにつれて仕事をするのがつらい日が増えてきました。辛くなった理由は患者さんに

対して、数値が良くならなかったり、指導がうまくできずもうTBIしたくないと思ったり、私じゃなくて

もいいのでは、歯科衛生士に向いてないと思い出したからです。

その時担当した患者さんは、喫煙をしている49歳女性飲食店勤務の方で歯磨きは1日3回、最長5分の

ブラッシング、歯磨きは嫌いじゃないとのことでした。歯周基本治療は順調に進み、患者さんはタバコ

を全く吸わなくなりました。しかし再評価時に、「旅行に行ったら楽しくなってタバコを吸って

しまって、それからずっと吸っている」と言われ、また1からかと思い「絶対また禁煙できます、

頑張りましょう」と言ったみたいです。それからは患者さんの来院が途絶えてしまいました。

Tさんはとても落ち込みましたが、同じミスをしないようきちんと原因を知ろうと思いました。

禁煙指導がうまくいかなかった原因として、

1. 0か100でしか考えていなかった

2. 具体的な禁煙方法の提案、話し合いができていなかった

3. リスク説明を何度もすべきだった

の3つを上げました。

反省をもとにTさんが実践した禁煙指導

1. 諦めずに寄り添う

  禁煙できている場合

  →禁煙できていることを褒める

   都度、禁煙の進み具合の確認

   問題点について話し合う(傾向と対策)

  禁煙できていない場合

  →小さな成功や過去の成功も褒めていく

   都度、禁煙の進み具合の確認

   再チャレンジに向けての勧め

2. 具体的な禁煙方法の提案

 ① 禁煙を開始する日を決める

 ② 禁煙外来などの医療機関を勧める

 ③ タバコを吸いたくなった時の対策

  →シュガーレスガムやアメを口にする

   灰皿やライターなど喫煙道具を処分する

   歯磨きしたり運動したりする

   などの具体的な対策を考えておく

3. 繰り返しリスク説明を行う

 非喫煙者より歯周病に2~8倍罹患しやすいこと

 生活習慣病や歯周病などの様々な疾患のリスクファクターになること

 歯周治療、様々な歯科治療の成功率が低下すること  

 などを説明

この3つのことに配慮し、喫煙をしている49歳男性事務職の方で歯磨きは1日2回、最長1分の

ブラッシング、歯磨きが嫌いな患者さんを担当。なかなか禁煙できない中、小さなことを褒めるなど

患者さんの速度に合わせた禁煙指導を行った結果、禁煙に成功したそうです。それからTBIの回数を

増やすなどし、今では補助清掃用具を追加するなど歯磨きが好きになったそうです。

まとめ

患者さんの発言の真意に気づくこと

自分の弱い部分を知り諦めずに挑戦し続けることで成長できる

成長できたことで自分のことを好きになれる

自分を大切にできると仕事も大切にできる

 

感想

これから患者さんに指導していくと良い方向に行ったり悪い方向に行ったりするかもしれません。

もし悪い方にいってしまった時は、何がダメだったのか原因を知り同じ失敗をしないようにしたいと

思いました。そして苦手なことには挑戦し続け成長していけたらいいなと思いました。

                         衛生士 檜垣

  2024/04/07   ふくだ歯科

「頑張っている歯科衛生士への応援メッセージ」に参加して

1.奥山洋実 歯科衛生士

(歯科衛生士としての目標)

・患者さんに情報を伝えて歯の健康に目覚めてもらい、行動変容を促す

(奥山さんの過去)

・1986年の歯科医院→先生が削って、衛生士が埋める

↳・歯周病は歯がグラグラになってから来院(抜歯になることも多い)

  ・全てにおいて痛みなどの症状が出てから来院

  ・助手もスケーリングをしていた→歯科衛生士は先生の“お手伝いさん”

・患者さんによくなって欲しい気持ちが先走り、意見を押し付けてしまう…

 ↳逆に不快感を与えてしまい、治療中断になる事も経験した

(患者さんとの信頼関係の築き方)

・初診を任せてもらう、担当歯科衛生士になるには…?

↳・生活背景、家族背景、職業や役職を会話の中から聞き取り、患者さんへの心に響く 情報提供をして

     健康意識を上げる  

  ・一人一人を啓蒙者に「なるほど!他の人にも教えてあげたい」と思う指導を心がける

 ※啓蒙…知らない人を教え導く

 ・歯科衛生士として結果を示す

  ①臨床の成果

   症例発表;・資料の規格性

        ・患者さんへの健康意識を高める

        ・歯周基本治療の施術力

  ②経営的成果

   アポイント管理;・キャンセル率・継続率

(奥山さんが思う歯科衛生士の課題)

自分の指導が正しければ、患者さんがもっと美味しく食事ができて、健康で生き生きとした毎日を

送っていたかもしれない。近年、国民は歯の不具合が無くても、定期的に歯科医院を通うようになって

きた。その分、多くの国民は生涯、自分の歯で食事をしたいと望んでいるのではないか。歯を守るべき

私たち歯科衛生士は、その国民の切なる願いに応えられているだろうか。メインテナンスは快適になる

ためのお掃除だけではない。保険のSPT(歯周病安定期治療)をこなすことでもない。どうか歯の健康

を守る歯科衛生士としての予防歯科医療をするべきだ。一人一人が結果を出して、歯の健康を守ると

いう本来の使命を全うし、歯科衛生士の価値を上げていく必要がある。

2.安藤千晃 歯科衛生士

(安藤さんが考える歯科衛生士が抱える責任)

・担当の責任性

↳・患者の未来が変わる

・100点の答えを出さないといけない

↳結果ばかりをみて、患者の意見に応えることができない

・伝わる話し方

↳焦って言葉に詰まり、本来伝えたいことが伝えられない

(OHIにより行動変容できた例)

・生涯、歯科医院に関わってもらうベースを作る

↳一回一回の来院を大切にする

・気持ちの汲み取りを上達させる

↳知識が増え、リスクをより深く考察できる

 ↳患者さんの口腔清掃に対する意識の変化

・SRPが上達、自信がつく→患者さんの信頼を得ることに繋がる

(若い人の世代に危機感を持ってもらうためには)

・これから年を重ねていく上でどのような人になりたいか?

・どう年を重ねていきたいか?

(例)「自分の歯を失うことを想像できますか?」

   ↳今が、早い時から健康を作っていく、大切な時期であることを気づかせる

(安藤さんが歯科衛生士になって身についたスキル)

★時には人に頼る

★患者さんの本当の感情に気づいて受け止める

★人間性を磨く→心が上達すると、自然と技術もついてくる

3.感想

歯科医院によっては自分が担当する施術や対応が違うのを利用し、積極的に他の医院の方針と自分が

思う歯科衛生士像を照らし合わせて頑張っている奥山さんの姿に感心しました。

自分ができることや技術を磨き、TBIのバリエーションを増やしていきたいと思いました。

目の前のことをこなすだけではなく、患者さんをどのように改善させていきたいのか、しっかり寄り

添った歯科予防をしていきたいです。                                   

                       歯科衛生士 小鐵 

  2023/07/12   ふくだ歯科

歯科衛生士根石さんの発表をきいて

「歯科衛生士になってよかった~人のためにできること~」

●症例1

49歳 男性

主訴:検査・クリーニング希望

歯科既往歴:4・5年前に治療

定期健診を会社から推奨されていたけれど、歯科医院が苦手でなかなか足が進まなかった。

そのため、今回も通えるか不安がある。

・どのような対応をしたか

丁寧に時間を掛けて説明 患者さんの希望を聞く 診療の1/3はお話をする

・結果

セルフケアをどのようにしたら良いか、熱心に聞いて頂ける関係性を作ることができた

→笑顔で通っていただけることで、やりがいを感じることができ、セミナーでSRPを学ぶ意欲になった

●症例2

54歳 男性

主訴:検査・クリーニング

既往歴:歯周病と言われた

特に何もしたことない

→このことから、危機感がないと感じた

・どのような対応をしたか

デンタルでの多量の縁下の確認ができたため、除石を行った

・結果

課題:縁下を取り切れずEXTになった歯があること

   SRPに捕らわれTBI不足になったこと

歯の大切さを伝えることができ、患者さんの意識の改善ができた

→患者さんと良い関係性を築くことができた

●症例3

57歳 男性

主訴:歯茎が痛い しみるところがある

既往歴:歯周病と言われた

10年前から歯医者に通っておらず、必要なところを最短で治してほしい

・どのような対応をしたか

口腔内所見とデンタルから、全顎的に縁上縁下歯石が多量にあることを確認

・結果

課題:残石があった

初来院時はブラッシングへの意欲も低く、ご自身でどれくらいの時間ブラッシングをしているのかの

意識もなかったが、今では時間をかけて磨いて頂けるようになった

●歯科衛生士という仕事へのモチベーションを上げる方法

・セミナーなどで頑張っている人を見る

・仕事でのモチベーションの高い友達と会う

・歯科衛生士をしてよかったことを具体的に考える

・長い目で見たときの人生のポジティブな目標を立てる

●奥山さんへのQ&A

Q、大きい歯石や深いポケットでの除石の方法

A、縁下は超音波ではなく、キュレットでミニファイブの細いタイプで取ることが多い。

また、しっかりレストを置き、一回で全て取ろうとするのではなく、数回に分けて取っている。

キュレットはしっかり研ぎ、使っていくことで、自分のキュレットを育てる。

探知はしっかり行い、小さいストロークでは、歯石を丸くしてしまうので、深いところから大きい

ストロークで取るようにする。また、根面と平行に当てられてないと、歯石の表面をつるつるさせて

しまうので、きちんと平行に当てるようにする。

→この探知力をあげるために、抜去歯牙を箱などで見えなくし、歯石を取ってみる。

 その後、取れて いるか確認をし、ちゃんと取れたという感覚を覚えるようにする。

Q、出産後の働き方

A、いろんな経験は自分のプラスになる。技術的ではなく、幅を広げる時期と考えるようにする。

子育ては待ってくれないか、仕事は待ってくれるので、ちゃんとこどもをみてあげることが大切だが、

仕事を楽しめなくならないように追い込みすぎないようにする。

子育ても歯科衛生士人生も楽しむ ということが大切である。

 

●感想

根石さんの歯科衛生士になったプロセスは、私とよく似ており、共感できるところや、今後自分が

どういう風に仕事に向き合っていくべきなのか、参考にできるところがすごく多かったです。

歯科衛生士としてはもちろん、女性として、どのように社会で過ごしていくかという点で“楽しむ”と

いうことがとても大切であると感じました。 もっと、技術力や経験値を上げ、患者さんに出会って

よかったと思える歯科衛生士になれるよう、今度も意欲的にがんばっていきたいです。

                    衛生士 福田

  2023/06/07   ふくだ歯科

「第8回 頑張っている歯科衛生士への応援メッセージ」に参加して

山本早織さん(歯科衛生士)

『子供の笑顔が原動力~苦悩と葛藤から見つけた私らしくいられる場所~』

三宅ハロー歯科で勤務されています。

小児歯科学会認定歯科衛生士を取得され、医院で主任に昇格。育児と仕事を両立させるために努力

されたそうですが、最初は苦悩も多かったそうです。医院ではキャリアと年齢がちょうど真ん中で、

後輩のアイデアと先輩の意見の調和が難しいと痛感したこともあるそうです。得意な小児歯科診療で

医院に貢献したそうです。 小児歯科では、いかに泣かさずに、歯医者を好きになってもらうかは歯科

衛生士次第とおっしゃっていました。泣いている子供に対しても褒めるところを見つけ、3wayなどの

器具は「シャワー」と呼んだりして、子供に遊び感覚で楽しんでもらえるよう工夫されていました。

金中章江さん(歯科衛生士)

『歯科衛生士人生を振り返って』

MAEDA DENTAL CLINICで勤務されています。

院長から主任を依頼され、細かいところに気づいて動けるマネージャーのような主任を目指し、

スタッフとのコミュニケーションを大事にされているそうです。 歯周炎の患者さんが来院されたとき

は、歯科衛生士の治療方針を決め、どうすれば改善するか考えているそうです。患者さんのセルフケア

を確立させるために、意識改革で来るような声掛けを工夫してされていました。SPT移行時には、治療

開始時と現在の写真を見てもらい、モチベーションの向上をはかっているそうです。

髙原千尋さん(歯科衛生士)

『出会いに感謝し、学びについて考える』

山脇歯科医院で勤務されています。

育児と仕事に追われ、歯科衛生士業務に対してやりがいを感じられていない時期があったそうです。

そこで一度退職し、違った業種で働いたことで、歯科衛生士の仕事の魅力に気づくこともあったそう

です。復職し、自身の行いに対して成果がでるとやりがいが得られることを実感し、楽しんで仕事が

できているそうです。 患者さんとの信頼関係を築くために、話すペースとトーンを合わせ、緊張を和ら

げるようにし、治療時には、痛みを与えないように歯肉の状態や歯根の形態を意識して、スケーラーの

ブレードの太さを検討することや、挿入角度を注意しているそうです。

川崎律子先生

『臨床って楽しい!~しごとに夢中になれるエッセンス~』

東京の長谷川歯科医院で勤務されています。

歯科衛生士になり、26歳の時ご結婚され、退職されたそうです。その後復職し、大学の非常勤講師と

しても働かれていました。日本歯周病学会認定歯科衛生士、日本審美学会ホワイトニングコーディ

ネーター、日本口腔インプラント学会認定インプラント専門歯科衛生士の資格も取得されています。

「長い間一人の患者を見ていくことは、自分がやってきた治療やケアの結果を見ること」とおっしゃ

っており、これが歯科衛生士を長く続けているわけのひとつなのだそうです。

<感想>

小児対応に対して苦手意識があるので、褒めることや、楽しく治療できる工夫を取り入れたいと思い

ました。まだできないことや勉強しなければならないこともたくさんありますが、自分が先輩になった

時に、円滑なコミュニケーションや的確な治療ができるように努力したいです。治療後に悔しさや達成

感を感じることがあるのですが、今回の講演を聞いてそれが仕事のやりがいへと繋がるとわかった

ので、これを大事にして、経験を積んでいきたいです。

                                   衛生士 國只

  2023/02/23   ふくだ歯科

「第6回頑張っている歯科衛生士への応援メッセージ」講演会に参加して

1.SPTとメインテナンス

SPTあるいは移行するかの判断には、プロービング時の出血、PD、プラークの付着状況、歯の動揺、

歯槽骨の吸収、根分岐部病変検査による再評価が必要となる。

2.メインテナンスの分類

メインテナンス分類には、「予防的メインテナンス」「治療後メインテナンス」「試行的メインテ

ナンス」「妥協的メインテナンス」の4つがある。患者によって動的治療のゴールが異なる以上、

メインテナンス患者のリスクは千差万別であり、プログラムの内容やリコール間隔も異なってくる。

ここの患者に適したメインテナンスを行なううえで、メインテナンスの分類は1つの指標となる。

※動的治療には、非外科療法と外科療法があり、外科療法はさらに切除療法、組織付着療法、

再生療法、歯周形成外科療法に分かれる。

⑴予防的メインテナンス:歯周病菌の感染や組織の破壊がほとんど認められない患者のメインテナンスを

    いう。そのため、セルフケアのチェックと歯肉縁上を中心とした細菌バイオフィルム破壊、PMTCを

    行う。予防的メインテナンスはリスクが最も低いため、最も長くリコール間隔を設定することが可能

    であるが、あまり長くしすぎるとセルフケアレベルの維持ができないことがあるので注意が必要。

⑵治療後メインテナンス:初診時にあった高いリスクを外科療法を含めた動的治療で改善し、安定した

    後に行うメインテナンスをいう。ただし改善度によってメインテナンス移行時のリスクの程度は

    異なるため、メインテナンスプログラムは変わってくる。また、行われた動的治療によっても治癒

    形態は異なるため、それぞれに適したメインテナンスが必要となる。

⑶試行的メインテナンス:動的治療が微妙な結果で終わったためさまざまな不安を抱えたまま行なって

   いくメインテナンスをいう。メインテナンス時には深いポケットや骨欠損などが存在するため、

   ハイリスク部位を中心に監視する。さらに、新たな問題が発生しないように、ローリスク部位に

   目を配る。セルフケアには限界があるものの、プロフェッショナルケアが成功の必要条件である。

   SPTを継続して行う。

⑷妥協的メインテナンス:動的治療が妥協的ゴールで終わっている最もリスクの高いメインテナンスを

   いう。ハイリスク部位をたくさん抱えているため、メインテナンス時に悪化する可能性は高く、

   歯肉縁下の細菌バイオフィルム破壊を徹底的に行う必要がある。また、深いポケット内では細菌の

   後戻りが早いため、リコール間隔短い方が好ましい。

3.長期的な安定

歯周治療成功=メインテナンスの成功と言える。歯周治療を成功させ、長期的な安定を得るためには

患者教育が重要となる。

⑴患者教育

   患者教育では、歯磨き習慣を含めた生活習慣の見直しを行い、その改善を促す。さらに、正しい

   プラークコントロールの方法を身につけるためにTBIを行う。

 〈ポイント〉

   ・歯周病の回復にはセルフケアとプロケアの両方が必要である事を理解してもらう。

   ・歯肉や骨などの病態の説明を行う。

   ・TBIでは重要なポイントを絞ってあまり多くは伝えない。

   ・染め出しなども効果はあるが、歯面がツルツルしているなど舌感で自覚する方が良い。

 

感想

    今回の講演を聴いて、メインテナンスにも種類があるということを知れました。お話の中で、歯科衛

    生士は患者さんに寄り添い、ポジティブな意識をもたせることが歯周治療では重要になると言われて

    いました。一方的な伝え方にならないよう、患者さんが何を希望しているのかを把握して口腔内を

    より良い状況に持っていけるようにしたいと思いました。

                              衛生士  星島

  2018/06/27   ふくだ歯科