スタッフレポート

スタッフによるレポートを掲載しています。

「患者さんのやる気を引き出すセルフケア指導」について、勉強会で発表して

歯周病は、プロフェッショナルケアだけではコントロールし得ないものであり、歯周治療には患者さん

によるプラークコントロールが欠かせません。 プラークコントロールの成否は、患者さんの行動変容に

よって左右されます。したがって、口腔衛生指導(OHI)は術者が一方的に指導するのではなく、患者

さんの想いを聞いたり、患者さん自身に気づきをもたらしたりするというアプローチが欠かせません。

1. なぜ歯周治療に"患者さんの主体性"が必要なのか?

 ・プラークコントロールは術者だけでは達成できない 歯周病は、歯肉縁上のコントロールと歯肉縁下

  のコントロールの両方で初めて完成します。したがって、術者が主に縁下のコントロールを担当

  する代わりに、患者さんには縁上のコントロールを担当してもらう必要があります。

 ・患者さんに"お願いして"行動を変えてもらっても長続きしない

  生活習慣病は習慣の蓄積です。改善するためにはその習慣を変える必要があります。セルフケアで

  担うべき部分を「術者がやってあげる」というアプローチは最低のラインになります。そこで、

  患者さんの行動を変えるための介入が必要ですが、「〜してください」という、患者さんに"お願い

  する"指導だと、もしかすると目標設定が低くなって、妥協的になり、患者さんが良くなろうとする

  のを邪魔してしまうかもしれません。患者さんがセルフケアを行う目的が「自身のため」にならな

  ければ、「自分の健康を守る」という長期的なゆるぎない価値観は根付きません。そのためには、

  患者さんが問題を自分事化し(=主体性をもち)、受動的な姿勢からより能動的な姿勢になるように

  サポートすることが必要なのです。

 ・患者さんができることを奪えば、自立を損なう

  セルフケアで目指すのも患者さんの自立です。私たちはあくまでも患者さんを支える立場です。

  緑上のプラークコントロールは、患者さんができること、患者さんが活躍するステージという意味

  合いもあるのです。

2. "患者さんの主体性"を生み出すエッセンス

 ⑴お互いの「つもり」を共有する 歯科疾患を診ていくうえで、SPTの重要性について、歯科医療者の

  イメージと患者さんのイメージを一致させていくことが必要です。今現在、患者さんが歯科に対し

  てどのような価値観を持っているか、SPTの重要性を理解しているか確認することは、患者さんの

  主体性を育む最初の入口であるとともに、価値観の向上を要するのかどうかのスクリーニングにも

  なります。

 ⑵患者さんのいちばんの専門家は患者さん自身である

  プラークコントロールにおける基本は、"やってあげる"を過剰に増やさず、"患者さん自身ができる

  ことを増やす"です。患者さんが自分で考え行動することが、自分自身の問題として捉えられる

  もっとも効率のよい道程です。しかし、一般的には歯周組織検査を終えると、患者さん自身が考え

  る間を与えず、即座に術者が説明を始めたり、その解決方法やアドバイスを与えたりしてしまい

  がちです。一見患者さんのために良かれと思っての行為は、患者さん自身の口腔衛生習慣の結果

  が、口腔内の状態にどのように反映されているかを自分で結びつけるチャンスを奪ってしまうの

  です。まずは、患者さん自身による自己評価の機会を設け、チェアサイドにてセルフケアの取り

  組みに関して想起してもらい、患者さんがその評価を表明するための機会を準備することが何より

  も重要です。 患者さん自身による患者さんの評価も主体性を育むためには大切で、そのためには

  自身の取り組み(セルフケア)を点数化してもらうといいでしょう。実際に患者さんにやってもらう

  と、満点ではないことも多々あります。満点をつけないということは、減点となる理由について

  患者さんに思い当たることがあるということです。それに対して、術者が根掘り葉掘り聞いたり、

  解決策を言ったり、指摘してしまいがちですが、それでは患者さんの主体性を育む機会を摘み取っ

  てしまうでしょう。むしろ術者は今できていることに対して評価するとともに、減点されている

  部分をどう満点につなげるか患者さん自身に問題を抽出してもらい、解決法を模索してもらうよう

  導くことが重要です。また、"大きな行動変容"を促すためには"小さな成功体験"を積み重ねること

  が大切です。染め出しにおいても、"染め出された赤い部分を減らす"という発想ではなく、"染め

  出されない白い部分を増やす"という見方で考えれば、言葉がけ1つとってもおのずと変わります。

 ⑶患者さんの言葉を重視する

  日常の臨床のなかで患者さんのプラークコントロールの改善が難しかったり、できていたはずの

  セルフケアが急に悪化したりするのは、なぜでしょうか。この「なぜ?」を解決するには分析が

  必要で、そのためには患者さんが問題に対しどのように向き合っているのか、あるいは何を難しい

  と捉えているのかを理解する"声"の拾い上げが重要です。患者情報はSOAPIE形式で記録を行うと

  有効です。その際、主観的な情報(S)として患者さん自身の考え方(価値観)や発言を拾い、歯周治療

  に対する患者さんの認識(温度)を確認します。それにより、モチベーションと(ブラッシングの)

  テクニックのどちらに比重をおいて介入すべきかをその都度判断します。

Subjective:主観的情報

問題に対する患者自身の発言

Objective:客観的情報

術者が測定する患者の情報

Assessment:評価

Sの分析評価(何がその発言につながっているのか)、

Oの分析評価(何がその測定内容につながっているのか)

Planning:計画

問題解決のための介入を優先機序などから計画立案

Intervention:介入

実際の介入・治療内容

Evaluation:期待される結果

今後の見立て、期待されること、次回以降のチェック事項など

 

 

〈まとめ〉

歯周治療にはプロフェッショナルケアとセルフケアの両方が大切というのは理解していましたが、

どうしても日々のTBIなどではこちらから色々説明してしまう事が多く、患者さん自身に気づきを

もたらせるような説明は出来ていなかったかもしれないなと思いました。染め出しの例にもありました

が、今後は患者さんにも意見を聞いて、自分で改善点に気づいてもらえるようなTBIもしていきたいな

と思いました。

                          衛生士 星島

  2022/08/07   ふくだ歯科
タグ:TBI

TCH(上下歯列接触癖)について、勉強会で発表して

TCHとは、安静時(非機能時)にあっても上下の歯が接触し続ける癖を指す。ふだん上下の歯を接触

させている方が楽だという人がいるが、本来、安静にしている時は、 上下の歯の間には1~3㎜程度の

空隙(安静空隙)がある。長い時間接触させ続けることで、顎の関節や筋肉、歯や粘膜などに問題が

生じることがあり歯科ではこのことをTCHと呼んでいます。

 

*口腔内の問題につながる癖がある

歯の接触は噛んでいる時や飲み込むとき、発音するときなどに起こるだけで、時間にすると 1日17.5分

しかありません。しかし、緊張する場面であったりゲーム操作など少しうつむいて作業する場合では

自然と歯を接触させる状態になります。歯を接触させる状態が繰り返し続くと、その状態に脳が慣れ、

「触れていることが普通」になります。 短時間の接触ならば問題になりませんが、本来は1日20分程度

しか接触しないはずの歯を何時間も接触させていれば、顎や関節も徐々に疲労していきます。その疲労

状態が続けば痛みになり、顎の関節や口に中の異常として感じられます。

*くいしばりと噛みしめとの関係

ブラキシズムには歯ぎしりやくいしばりなど、寝ている間にしてしまうもの(睡眠時ブラキシズム)

と、起きている時にするもの(覚醒時ブラキシズム)があります。TCHもこの、起きている時にする

ブラキシズムのひとつと考えられています。TCHの症状は、日中に活動しているうちに強くなり、夕方

から夜にかけてピークになると考えられています。

*TCHの確認のしかた

頬の内側や舌のふちの部分に歯の痕が見られるような方では、なんらかの影響で長期にわたり、弱い

ながら力がかかり続けている可能性があります。こういった圧痕ができる原因には歯並びや噛む力の

弱さいろいろ考えられますが、頬の粘膜が歯にかけている圧力の強さ、 歯のくいしばり、歯ぎしりなど

との関係が考えられています。 また、強いTCHを持っている方は、「唇をとじてください」と言われる

と、一緒に上下の歯も接触させてしまいます。

*TCHを続けると何が起きる可能性があるか

TCHをそのままにしておくと、歯や歯茎などに力がかかり続けているため、歯周病の悪化や繰り返す

知覚過敏、原因が明らかではないのに歯が痛くなる、歯の根の治療中の痛みがとれないといったことを

引き起こす可能性があります。また、舌や頬の粘膜を絶えず歯に押し付けていることで、間違ってかん

でしまったり、口内炎ができやすくなるほか、咀嚼筋が疲労して口の開け閉めや舌の動きが悪くなり、

発音が不明瞭になったりする可能性があります。さらに、歯や詰め物に持続的な圧迫や揺さぶる力が

かかり続けることで、詰め物が外れやすくなったり、神経を抜いて弱くなっている歯にひびが入った

り、インプラントのネジの緩みなどにもつながる可能性があります。入れ歯の方では、入れ歯を絶えず

粘膜に押し付けているために、入れ歯の下の粘膜の血行が阻害され、傷ができやすくなります。

*TCHをとめるには

TCHは気づくことが大事です。癖は人から指摘されるまで気づかないということがよくあります。TCH

も自分では気づけないので、家の中で「歯を離す」とか「リラックス」「力を抜く」などのメモを見え

るところに貼ってください。それを見たとき上下の歯が触っていたら、鼻から息を吸いながら一度肩を

大きく上げて、一気に口から息を吐いて力を抜きましょう。これを繰り返すことで癖が自然と抜けて

いきます。

 

感想

ブラキシズムには種類があり、睡眠時ブラキシズムなどはマウスピースを入れることで予防ができる

が、TCHのような覚醒時ブラキシズムはまず自分がなっていることに気づくことが大切だとわかり

ました。今後患者さんでTCHの疑いがある方にはTCHについて知ってもらい日常での予防法についても

伝えていけたらと思いました。

                            衛生士 岡崎

  2022/07/03   ふくだ歯科
タグ:TCH

「金属アレルギー・治療前に知っておきたいこと」について、勉強会で発表して

局所性の金属アレルギー・・・ネックレスやピアス等が直接触れる部分が局所的に赤くなる  

全身性の金属アレルギー・・・原因とは離れた場所(手や足等)に症状が出る。歯科金属アレルギー。

歯科金属アレルギー  

 口腔内に存在する金銀パラジウム合金等が原因で、口腔内や皮膚に炎症が起きる疾患。  

 50歳代女性に多い。  

 しかし、皮膚に症状が出る原因は山のように存在し、歯科金属はそのごく一部にしか過ぎない。

 歯科金属を除去しても5割程度の患者さんしか治らないという報告もある。

皮膚科と連携し、アレルギーの原因を把握する。(パッチテスト)  

 パッチテストで歯科金属に陽性反応が認められた場合、原因とされる歯科金属を除去していく。

 しかし、歯周病等で歯茎に炎症がある場合、体内に金属イオンが取り込まれる確率が高まり、

 皮膚症状を悪化させる場合がある為、先に歯周治療を行う。  

 除去時にはラバーダムを用いて患部を分離し、粉末が飛散しないように配慮する。金属片が歯茎に

 飛び散ると、一時的に皮膚症状が悪化することもあるが、時間とともに治ることが多い。

置換される主なアレルゲンフリー材料  

 セラミック、レジン、CAD/CAMにて修復治療。置換後、皮膚症状が改善していくかをチェック

 するが、すぐに改善する方の割合は少なく、2年以上かかる方もいる。  

 インプラント含め、チタンはアレルギーを起こしづらいと言われているが、インプラント埋入直後に

 皮膚トラブルが起きた患者さんが何名かおり、パッチテストでは陰性と出たが、その後インプラント

 を除去した結果、全員の皮膚症状が改善した報告もある。(ドイツ)  

 チタンはパッチテストの精度がよくないのが現状とされている。

歯周病と関連する皮膚症状  

 歯科と関連する皮膚症状として代表的なものが「掌蹠膿疱症」。手の平や足の裏等に小さな水ぶくれが

 でき、良くなったり悪くなったりを繰り返す疾患。口腔内の炎症と関係していて、歯周病を治療して

 健康な状態をキープできれば治るかもしれないという報告がされている。

メインテナンス時に把握しておきたいチェック項目

1. 修復物の不適合・・・その隙間に唾液等が溜まり、腐食が起こりやすい。腐食が起こると金属イオンが

  溶け出してアレルギーを起こしやすくしてしまう。

2. 修復物の粗造面・・・粗造面はイオン化しやすいと言われている。歯科医師が滑沢にするか研磨する。

3. 炭酸飲料の頻回摂取・・・まだ研究段階だが、炭酸飲料は金属の腐食を促進させる可能性があると

  言われている。

4. 金属製品を身に着けている部分に変化はないか・・・その皮膚周囲が赤くなっている場合、将来、

  歯科金属によるアレルギーを発症しやすくなる可能性がある。そのリスクを伝え、治療が必要

  にならないようにメインテナンスを続けて歯を守ることが大切だと伝えよう。

  万が一、将来修復が必要になった際は、修復物には金属以外を用いた方が良い事を説明する。

感想  

 皮膚にトラブルを起こす原因は、洗剤等の日用品や化粧品、植物、食物と様々なものがあり、歯科

 金属はそのごく一部だということだが、皮膚科で診断されたのか等、患者さんへの問診を慎重に行い

 たい。金属除去となれば、ラバーダム防湿や口腔外バキュームでしっかり対応していきたい。

                       衛生士 岡本

  2022/05/05   ふくだ歯科

「コロナ禍で歯周病のリスクが高まっているのはなぜか?」について勉強会で発表して

<歯肉炎>

歯肉が腫れ、ブラッシング時などに出血しやすい状態 

<歯周炎>

さらに歯肉が腫れ、退縮し、骨吸収を起こした状態

→プラーク中の細菌が歯肉に炎症を起こし歯槽骨を溶かす

歯周病の初期はほとんど自覚症状がなく、自覚するころには重度になっていることがあるので注意。

歯周病菌は一度定着すると0にすることはできないので、早期に発見し、予防することが大事。

他人の唾液から感染することが多いため、直箸や回し飲みなどには気を付ける。

歯周病菌は、18歳から住み着きやすくなり、30代以降から増える。

●コロナ禍で歯周病のリスク

・受診を控える 

・マスクでの口呼吸

→マスクをすると息苦しいため、空気を多く吸える口呼吸になりやすい

口呼吸により口腔内が乾燥すると、唾液による抗菌作用などが減り、菌が増殖しやすい環境になる。

これが歯周病や口臭へとつながる。さらに、プラークが固くなり、取れにくくなることもある。

●口呼吸をしないための対策として

①口を閉じる意識づけをする

②トレーニングや体操をして、口腔周囲の筋肉の力を鍛える

③人と距離を取れる時はマスクを外す

などがあげられる。

●インフルエンザの感染リスクについて

歯科衛生士によるクリーニングをした対照群の罹患率…約1%

セルフケアや介護士によるクリーニングをしたグループの罹患率…9.8%

専門的な口腔ケアをすることでインフルエンザの感染リスクを減らすことができる可能性がある。

●歯周病によりコロナでの死亡率があがる?

歯周病の人が新型コロナウイルスに感染した場合、歯周病ではない人と比べ

死亡率…8.81倍

人工呼吸器を使用…4.57倍

集中治療室に入院…3.54倍

合併症発症…3.67倍

→歯周病菌がコロナの重症化と関係しているのか、歯周病の人に基礎疾患が多いことが影響している

のか明らかになっていないが、歯周病の人はコロナの重症化リスクが高い。

歯周病菌は全身の健康に関係しており、周術期のケアで入院日数が短縮されることもある。

●歯周病のセルフチェック項目の例

・物がつまりやすい

・浮いた感じがする

・歯並びが変わった

・歯が揺れている

●歯周病に効果的な磨き方 

・歯間部に毛先を入れ、磨くのではなく揺らす

・斜め45度で当てる

・個人の口腔内に合った指導をDHから受ける

<感想>

私自身、マスクをしている時、無意識に口呼吸になっているときがあるので、口内を健康に保つために

も鼻呼吸を意識したいです。歯周病により歯肉が退縮した患者さんは、それを見て「歯が長くなった」

と感じることもあるそうで、患者さんによりさまざまな表現の仕方があるのだと感じました。

患者さんにコロナウイルスと口腔の関係などを質問された際に、間違った回答をしないよう勉強して

いきたいです。

                             衛生士 國只

  2022/04/10   ふくだ歯科
タグ:歯周病

パニック障害について、勉強会で発表して

パニック障害とパニック発作   

パニック障害は「不安障害」と呼ばれるカテゴリーに分類される      

       主症状は「不安」の強い形である「パニック発作」   

パニック発作は「不安発作」や「恐慌発作」などと呼ばれる      

       典型例では発作は、突然に始まり、数分間で消失する

       パニック発作にみられる症状

        ・動悸 ・胸痛 ・息苦しさ ・窒息感→過呼吸(過換気)

        ・非現実感  ・死の恐怖

           ・自制心の喪失への恐怖/発狂する恐怖  など

    パニック障害は上記のような発作が1か月の間 に数回起きるもので、診断 に至るにはさらに

       いくつかの条件がある ケースによって発作の頻度 程度は異なる

      パニック障害の診断の条件

       ・パニック発作が1か月の間に数回起きる

       ・発作の出現に特徴がある(発作の出現が予想できない)

       ・うつ病や他の精神疾患、さらには心臓疾患や内分泌代謝疾患 など(パニック発作が

        付随して生じることがある疾患)を 罹患していない

治療

 「発作のコントロール」が主となる

  ① 発作を起きにくくする

   状況に関係なく起こる発作は薬物療法が用いられることが多い

  ② 発作出現時の対処

   安心できる静かな場所に身を置く

   周囲は見守りつつ「もう少ししたら治まるからね」など、回数や頻度に注意し声をかけ治まるの

   を待つ 「どうしたの?」「大丈夫?」など焦らせるような声かけはNG

   過呼吸時の対処

   ・ペーパーバック法

     過呼吸により二酸化炭素が過剰に体内から出ると、血液 中のイオン(電解質)バランスを

     崩す要因となる。この 二酸化炭素の流出を回収するために、何らかの袋(ペー パーバック

     など)を用い、呼気をそのまま体内にもどす こと

   ・ゆっくり少量小刻みに水を飲ませる(筆者)          

 歯科医療現場でできること

 ① 理解を示して安心感を与える

  「よく来てくれましたね」

  「こちらでできることはやってみます」

 ② 対処方法を考えて提示、実践する

  「身動きが取れない状況」が苦手。いつでも中断できる ことを提示し、一回の処置を短めに

  工夫する

 ③ 発作時には慌てないで対処する

  スタッフが慌てると患者さんはさらに焦る

感想  

「パニック障害」という言葉を日常でもよく耳にするようになりました。実際には発作を起こしている

場に遭遇したことはありません。そして、パニック発作が出やすい人は見た目ではわからないので、

医療現場では患者さんがどのような不安を持っているかなど理解を深めていく必要があるとおもい

ました。

                     衛生士 赤木

  2022/03/21   ふくだ歯科

「噛むの効用」について、勉強会で発表して

Part1:噛まなくなった現代人

仕事・家事・育児に追われて忙しい日々を過ごしている現代人には、空腹を満たす食事は何の変哲も

ない日常の習慣なのかもしれません。しかし時間に追われて早食いになると、咀嚼の回数が顕著に減少

するため、食べ物を歯で噛み砕き、舌で唾液と混和して十分に食塊を形成しないまま飲 み込むように

なります。人間の食べ方は、小さいころからの食習慣とそれに伴う口腔機能の発達が影響しています。

幼少時より成長の過程でほとんど噛まなくてよい食事が習慣化すると、いわゆる「流し込み食べ」と

いう食べ方が身についてしまいます。学校給食の現場でも問題になっており、給食を牛乳で流し込んで

食べる子どもたちが増えていると言います。

・平均620回

これは現在日本人が一食あたりに要する咀嚼回数です。昭和初期には平均1420回咀嚼していたと言われ

ているため半分以下に減っていることがわかります。さらに時代をさかのぼると江戸時代には平均1465

回、鎌倉時代には平均2654回、弥生時代には平均3990回と報告されています。

・噛まなくなったことで、形態・機能にも影響が出ている

最近では、「飲む〇〇」といった食品をよく耳にします。時間がなくても手軽に空腹を満たせる食品と

して働き盛りの若年層を中心に人気があります。エネルギーも栄養もすべてが飲料、ゼリー、錠剤と

して飲み込むことで、食事の時間ロスをなくそうという発想でコマーシャルされています。これらの

商品こそ、咀嚼を必要としない究極の食事(嚥下食)です。嚥下食は、脳血管障害の後遺症などで

うまく噛めない人が代替として摂取する補助栄養や介護食の位置づけであれば納得できますが、噛める

人が噛まずして飲み込むだけの食習慣として定着すると、知らないうちに咀嚼機能が退化していき、顎

は十分に発育せず、生じた顎の発育不全が次の世代に継承されます。その結果現代人では、骨格は華奢

で細長い顔貌となり、虚弱化した口腔の形態的ならびに機能的な異常が増えているのです。

Part2:「噛む」の効用をエビデンスで知る

①唾液の分泌を促進する

・唾液には食塊形成を補助する役割がある

・唾液は食物の消化をサポートし、胃の負担を軽減してくれる

・唾液の味覚を敏感にするはたらきによっておいしさが増す

②脳を活性化する

・咀嚼で記憶力や集中力、判断力が高まる

・咀嚼は学習効果に影響する

・咀嚼は認知症高齢者のQOLを改善する

③生活習慣病を予防する

・よく噛んで食べると食後の血糖値の上昇を抑制できる

・咀嚼回数は高齢者の食事満足度が得られやすい

④誤嚥性肺炎を予防する

・嚥下直後の食塊形成は誤嚥性肺炎の発症に関連する

・咀嚼回数と嚥下直前の食塊は嚥下に影響する

Part3:DHにできる『噛む』へのアプローチ

①食塊形成の重要性を理解してもらう

 十分な食塊形成を行うには、歯だけではなく、唾液と舌の運動も大切な要素である。

②薬がうまく飲めているか確認する

③食生活(習慣)を把握して咀嚼の指導につなげる

歯科衛生士が『噛む』を支える存在になれる

よく噛んで食べるか、噛まずに食べるか、同じ料理でも人によって食べ方は様々です。食べる食材に

よっても食感やおいしさを感じる咀嚼回数、または適度な食塊形成にふさわしい咀嚼回数は異なり

ます。30回以上噛んで食べよう!と回数に固執しすぎると、せっかくの食事も楽しくなくおいしさも

半減するでしょう。よく咀嚼するのが食事のすべてではありませんし個人差もあるので無理強いする

ものでもありません。一方で、高齢者が多くなった今、歯科医院に通院する患者さんの中には、早食い

の習慣から誤嚥や窒息した既往歴のある方や、咀嚼したいものの口腔機能の低下が原因でうまく噛めず

に苦痛を感じている方がいるのも事実です。 歯科衛生士の皆さんには日々の診療の中で、患者さんの

口腔機能と全身の健康に関連する食事や服薬の関係について考えたり見直したりするきっかけ作りを

していく必要があります。そのためには、「食事はよく噛んで食べていますか?」「薬はうまく飲めていますか?」など些細な一言を患者さんに向けてみることが大切です。

感想

私自身もあまり咀嚼せずに食事をする癖があります。噛むことはいいことがたくさんあり将来の自分

自身の健康につながるので意識して習慣づけていきたいと思います。

                         衛生士 藤元

  2022/02/23   ふくだ歯科
タグ:噛む

「ネクストビジョンのセミナー」に参加して

1. 操作感(一連の流れ)

・無影灯感覚で軽い操作感 ・ポジショニングが自在で立位でも使える

・ゴーグルやフェイスシールドをつけたまま使える

 →拡大映像がモニターに表示されるので、マイクロとは違い、のぞかなくても情報が得られるので

  診療中に姿勢を崩すことなく、見たい部位を的確に捉えることが出来るので、肩こりや腰などを

  痛めるリスクも減ります。

2. アシスタント

・先生の動きをモニターで共有できる

・口腔内とカメラの距離がある=バキュームとカメラが干渉しない

 →術野と患者さんの表情を見ながら拡大映像を確認し行えます。治療内容が見えることはアシス

  タントにとってストレスが少なくなるだけでなくDr.と一緒に治療しているとより感じられ、

  仕事のやりがいにも繋がります。

3. スケーリング ・術者ごとに視度調整をする必要がない

・慣れていない人でも誰でも使える

 →下顎の舌側は患者さん目線では見えづらい所ですが、スケーリング前と後の写真を撮影しモニター

  で確認してもらうこともできます。 歯石がどれだけ付いていたか舌で触ってみて確認してもらう

  ことも、もちろん大事ですが、視覚的に確認してもらうとより分かりやすいです。 開口量が少ない

  患者さんでも、ネクストビジョンは適応でき、実際にSRPをしているのを患者さんに見せることも

  できます。 上額の臼歯部や口蓋側は鏡でも見えづらい所なので、実際の治療はどういうことをして

  いるのか、歯石や不良肉芽の除去をしているのかがわかります。

4. カリエス部位を撮影

・衛生士側からカリエス部位を口頭で説明しても患者さんは納得しづらく、ましてやベテラン衛生士に

 比べて経験の浅い衛生士が言うのとでは説得力が違います。写真を撮ることで、見えづらい角度から

 も撮影することが出来るので、Dr.が説明する前に衛生士から明らかな説明ができるので患者さんとの

 信頼関係が築けます。写真もその場で撮影ができるので患者さんは寝たままで、口を開けてもらう

 だけです。

・臼歯部も唇側、舌側どちらからでもスムーズに撮影できます。鏡では見えづらいものが、30倍と60倍

 に設定して撮影することによって患者さんの理解度が大きく違います。

・カリエス部位だけでなくインレーの不適なども撮影でき、記録として残せるので、メンテナンス中に

 撮影し最後にDr.にも確認してもらい、次回の治療計画を立てることができます。

一眼レフロ腔写真

・自分と患者さんを動かして撮影

・重たい一眼レフを片手で持つ負担

・慣れるまで2人で撮影する、患者さんの協力が必要な為負担が大きい

ネクストビジョン

・患者さんは寝たままでOK ・片手で軽く操作でき、シリンジも使える

・画質が綺麗

 撮影(picture モード)、動画(video モード)はフットペダルでできる

 ※NVのライトの明るさは10段階あり数字が高いほど明るい

 FLIP(上下回転)とREV(左右回転)があるので患者さんは寝たまま、術者は座ったままで撮影が可能  

5.TBI(模型あり)

・モニターで見せ、納得度UP ・客観的に理解できる

・手鏡で見るより、患者さんも見やすい

 →臼歯部や舌側、口蓋側など見ることが難しい部分や開口量が少ない患者さんはずっと口を開けて

  いるのが大変なため、TBIが大変です。 ネクストビジョンは撮影した写真をすぐに大きなモニター

  で見てもらうことができ、見えにくい場所のプラッシング状況をすぐに理解してもらえ ます。

6.TBI(模型なし)

・ブラシの動かし方も教えやすい

・ホームケア促進=医院の売り上げに貢献

・衛生士自身のモチベーションもUP

 →プラークが残りやすいことを指摘し、上手に磨けるようになる為の方法を動画で撮影して伝える

  こともできます。 磨けているつもりでも磨けない原因は患者さんごとで異なり、患者さんに共通

  するブラッシングしにくい部位もあるので、写真や動画で撮影すると明らかにわかります。個々

  の患者さんにあった効果的なブラッシング指導に役立ちます。

 

〈感想〉

ネクストビジョンの活用法は、主に治療やSRPに使用するのがメインだと思っていたので、TBI時にも

どんな風に活用すれば良いのか知れて良かったです。 補助についているとき、特に左側の治療はどう

治療しているのか見えなくて、次に何をすべきか把握しにくいこともありますし、患者さんに虫歯の

説明をするとき鏡だとどれだけ工夫しても伝わりにくいこともあるので、モニターで直接見れるのは

とても良いと思いました。

                             衛生士 星島

  2021/12/31   ふくだ歯科

高齢者の根面う蝕について、勉強会で発表して

*歯冠う蝕と根面う蝕の違い

 歯冠部はエナメル質と呼ばれる酸に溶けにくい硬い組織で覆われて守られていますが、 歯根部は

 エナメル質に覆われていません。そのため、酸に溶けやすく、虫歯になりやすいだけでなく、虫歯の

 進行も早いのです。

 象牙質が虫歯になりやすい原因は…

 ① 象牙質は臨界phが高く、酸に溶けやすいから

  エナメル質はph5.5より低くなると溶け始めます。一方、象牙質の臨界ph6.0~6.7程度でエナメル質

  よりも酸に溶けやすい性質があります。

 ② 象牙質は有機質が多いから

  エナメル質は約95%が無機質で、有機質は1%程度であるのに対して、象牙質は無機質が約70%、

  有機質が約20%で構成されています。そのため、象牙質はエナメル質に比べて軟らかいのです。

  無機質が溶けて、残った有機質の隙間に細菌が侵入してたまることで、虫歯の進行の原因に

  なります。

 ③ 表面に象牙細管が開いているから

  象牙質の表面には、象牙細管があります。そのため、象牙質では、象牙細管を通じて象牙質内部に

  最近が侵入したり、酸が入り込んできます。根面う蝕の進行が速いのは、象牙細管の存在が大きく

  かかわっていきます。

 

*高齢になるとなぜ根面う蝕になりやすいのか

 お年を重ねると、何らかの薬を服用されている方も徐々に増えていきます。薬のせいだけではあり

 ませんが、唾液の出が少なくなる副作用がある薬も多く、ご高齢になるとお口が乾く方多くいらっ

 しゃいます。 唾液には、虫歯から歯を守る作用があります。そのため、口が乾き、唾液が少なくなる

 と、歯根部に虫歯が多発したり、急激に進行することがあるので、注意が必要なのです。

 ① う蝕から歯を守る唾液が減少するから

  唾液は、虫歯菌によって作られた酸を中和して歯を酸から守る(緩衝作用)だけでなく、酸に

  よって溶けて歯を元に戻す(再石灰化)力があり、この2つの力で虫歯から歯を守っています。

  お年を重ねると自然と唾液の出が少なくなったり、薬剤の副作用で唾液減少が起こることが多く

  あります。歯を守ってくれていた唾液が減ってしまうことで、これまで以上のケアが必要に

  なります。

 ② 口腔内の水分保持が難しくなることも

  お口の周りの筋力が低下することで、お口の中全体に唾液が行き渡らなくなったり、唇を結び

  づらいためにお口に中の水分が蒸発しやすくなることでも口腔乾燥が助長されます。 そのような

  場合は口腔周囲筋の筋訓練をするといいでしょう。

 

*根面う蝕のリスクファクター

 歯根部の虫歯は歯についたプラークが原因です。プラークが残っていたり、砂糖を含む食品を何度も

 摂取することで、虫歯になりやすくなります。また、唾液の量が少なくなればさらになりやすく

 なります。

 ① 歯周病によって歯肉が退縮することが一番のリスク

  歯周病などで歯茎が下がって歯の根元が露出してしまうと、歯茎で覆われていた象牙質が酸に

  さらされ、歯を溶かして、歯の根元の虫歯ができてしまいます。

 

*根面う蝕予防のためのセルフケア

 ①フッ化物配合の歯磨剤を使用する フッ素入りの歯磨剤を使って、力を入れすぎないように、丁寧に

  ブラッシングすることが重要です。ブラッシング後のすすぎは、できるだけフッ素が多く歯に

  留まるように、1~2回程度に少なめにするといいでしょう。また、虫歯になりやすい方は、

  ブラッシングに加えて、フッ素を含む洗口液を用いると予防の効果があります。

 ② 隙間ができた歯の間の清掃には歯間ブラシを 根元の部分に関して、歯と歯の間では、デンタル

  フロスよりも歯間ブラシのほうが効果的です。歯間ブラシはサイズの合ったものにフッ素入りの

  歯磨剤をつけて使用するといいでしょう。

 

感想

根面う蝕にはプラークも関係しているが、唾液の量も深く関係していることがわかりました。高齢に

なると唾液の量は少なくなっていきますが、服用している薬の副作用によっても唾液が減少してしまう

ので、服用している薬を把握したうえでTBIなどに繋げていくことが大切だと思いました。

またこれから暑くなり水分補給がたいせつな季節になるので、熱中症予防とからめて水分補給を

しっかりしてもらうことで口腔乾燥予防から根面う蝕の話を伝えていけたらいいなと思いました。

                        衛生士 岡崎

  2021/11/14   ふくだ歯科
タグ:虫歯予防

「なぜ、ここだけ歯周炎が進行したか?局所的な骨吸収の背景にある力の影響」について、勉強会で発表して

力がかかわる口腔内のトラブル

 メインテナンス期間に歯を失う原因の1位は、歯の破折。原因は力。

 DHは、細菌のコントロールとともに「口腔内に生じる力」を捉える知識と技術が必要。

  代表的な現症

   ・歯冠破折

   ・咬合面、切端の咬耗、金属の皺・補綴装置の破折

   ・歯頚部の楔状欠損

   ・フェストゥーン、クレフト

   ・マイクロクラックによるう蝕

   ・骨吸収(CASE1~3)

 CASE1.最後臼歯近心の垂直性骨吸収

  歯根膜組織で炎症性サイトカインが生産される影響で、歯根膜腔が拡がる。炎症性サイトカインの

  生産に至る原因は、「細菌感染」と「力学的負荷(矯正力、ブラキシズム、咬合性外傷)」。咬合調整が

  必要なときがある。

 CASE2.欠損歯があり、他の歯に負担がかかる  

  過度の加重負担のため骨吸収が進行。

  隣在歯や対合歯との関係をよく観察して、広い視野と細かい観察眼を持つようにする。

  根分岐部だけで骨吸収が進行することもある。(臼歯に過度な力がかかり続けると、歯をねじるよう

  な力が加わると考えられ、根分岐部に応力がかかり、同一の歯でも近遠心より歯槽骨の吸収が進行

  する場合がある。)

 CASE3.上顎小臼歯の骨吸収

  犬歯は、ギリギリと水平的に動かす側方運動を受け止めている(それを受け止める骨量を有して

  いる)が、八重歯の方や、年月を重ねて飛び出た犬歯がこすれて上下の歯が近づいている方など、

  犬歯による下顎側方運動時の誘導ができない場合、隣在歯がその役目を担うことになる。犬歯の

  代わりに側方運動を受け止める上顎小臼歯は、歯根が短く力の影響を受けやすい。

 部位による現症の違い

  歯周炎が起きている部位に外傷性咬合が加わると、歯根膜腔が拡大し、血管透過性の増加、破骨

  細胞の活性化によって骨吸収が起きると考えられる。その結果、骨が薄い部位は歯根が露出し、

  骨が厚い部位は垂直性骨欠損になる。

  歯周病や咬合性外傷は長期的なもので、どちらが先に発症したのかわからないことも多い。

  歯の動揺が増加している場合や、動揺により患者さんの機能障害がある場合は、歯科医師の診断を

  共有することが必要。 

 

感想

最近の診療では、歯や顎に加わる力の影響により、痛みや炎症、動揺を確認することが多くなったよう

に感じる。力と炎症の両方をコントロールし、今ある歯を快適に長く使って頂けるように、衛生指導、

SRPを行っていきたい。    

                          衛生士 岡本

  2021/10/17   ふくだ歯科
タグ:骨吸収

「歯周病発症のきっかけ」について、勉強会で発表して

〈鉄分とPg菌〉

レッドコンプレックス(特にPg菌)には栄養素として鉄分が不可欠である。Pg菌は、血液中のヘモグ

ロビンからヘミン鉄を手に入れる。しかし、健康な歯肉溝や出血を伴わない歯周ポケットには血液が

ないため、ヘミン鉄を摂取できない。この栄養不足の状況下では、Pg菌は歯周組織に定着していても

増殖することは難しい。増殖できても病原性は低いため、歯周炎は起こらない。

〈歯周組織を感染から守る上皮細胞〉

上皮細胞はバイオフィルム細菌から歯周組織を守る物理的障壁であるとともに、細菌の栄養となる成分

が歯周組織から歯周ポケット内に滲出するのを防いでいる。また、上皮細胞表面の自然免疫レセプター

が細菌を感知し、上皮細胞から免疫物質や抗菌物質が分泌される。

〈プロービング時の出血は上皮細胞が壊されたサイン〉

口腔清掃不良、あるいは宿主抵抗力の低下によって歯周組織に炎症が生じると、歯肉内縁上皮細胞が

剥がれ落ち、潰瘍面ができる。(潰瘍とは、上皮が剥がれてなくなった状態のこと)そのため、潰瘍面

に露出した毛細血管から歯周ポケット内に血液が常時供給されるようになる。

この血液は、プロービング時の出血、あるいはブラッシング時の出血として観察される。

〈ブラッシング時の出血は歯周病発症のサイン〉

血液を供給された歯周ポケット内のPg菌などの歯周病菌は、赤血球のヘモグロビンを分解して、ヘミン

鉄を菌体内に取り込み、さらに血清タンパク質を栄養として大幅に増えバイオフィルムの病原性を一気

に高める。バイオフィルムの病原性が高まると、歯周病菌と歯周組織の拮抗バランスが崩れる。

この時が歯周炎発症の瞬間である。

〈上皮細胞を修復する方法〉

歯周基本治療によって歯周ポケットの出血を止めることができる。歯周病菌の細菌量が減れば、

歯周組織の創傷治癒力がバイオフィルムの病原性を上回る。そして、潰瘍面の閉鎖が始まり、出血が

止まる。スケーリング、ルートプレーニング、生活習慣指導、メインテナンスを行う。

〈感想〉

プロービング時の出血は炎症のサインということが改めてわかったため、検査時に見落としがないよう

に気を付けたい。そして、患者さんの口腔内状態から高リスク部位を見極め、それぞれの性格に合った

TBIができるようになりたい。歯科では専門用語が多く使われるが、患者さんからするとなじみのない

言葉が多いと思われる。今回学んだこともわかりやすく嚙み砕いた言葉で説明ができるように、語彙を

増やしていきたい。

                               衛生士 國只

  2021/09/19   ふくだ歯科
タグ:歯周病