スタッフレポート

2019年1月

「笑顔・口元・息すっきり・オーラルレシピ」について、勉強会で発表して

1. カルシウムとビタミンDで歯を強化する

 歯や歯を支える骨を丈夫にするために欠かせないのがカルシウム。しかし、カルシウムは比較的体内

 に吸収されにくい栄養素で、これを手助けするのがビタミンD。ビタミンDは、日光を浴びることで

 体内で合成される。上手に組み合わせてカルシウムの吸収率を高める工夫を。

 カルシウムたっぷりの大豆食品。ビタミンDは魚や卵、干した食材に多く含む。 豆腐、干し椎茸を

 使ったスープ。鶏ガラスープの素で煮て、煮立ったら、溶きほぐした卵を流し入れる。

2. 良く嚙んで歯と歯肉をきたえる

 噛みごたえののあるものを食べることで歯肉を刺激し、あごの筋肉がきたえられ、健康な歯をキープ

 することにつながる。また、太りにくい体づくりにも役立つ。

 良く嚙む魚介のおかず、たこ(いか)を使ってガーリック、パセリを振って炒める。歯ごたえのよい

 きのこは食物繊維も豊富。きのこの味噌汁。

3. たんぱく質、ビタミンC、鉄、亜鉛で丈夫な歯肉をつくる

 歯周病を予防し、丈夫な歯を保つためには、しっかりした歯肉をつくることが大切。血色のよい歯肉

 をつくる材料となるのが、たんぱく質。良質たんぱく質、そして歯肉を丈夫にするうえで欠かせない

 ビタミンC、鉄、亜鉛などのビタミンやミネラルもしっかり補給しよう。

 肉、魚介(たんぱく質)をトマト味のスープに(酸味成分が胃液の分泌を促し、たんぱく質などの消化を

 助ける)。 彩り豊かなパプリカ、ピーマンは熱に強いビタミンCを豊富に含む。それらを熱湯にくぐ

 らせ、冷水につける。ひよこ豆、カッテージチーズ、ドレッシングと合わせ、サラダに。 鶏レバー

 (鉄)を生姜で煮る。かきご飯(亜鉛)。

4. 酸味で唾液の分泌を促し口内環境をよくする

 唾液には汚れや細菌などの繁殖を抑える抗菌作用があるために、虫歯や歯周病、そして口臭を防ぎ、

 歯や粘膜を保護する働きもある。酸味のきいた一品をプラスしよう。

 梅干し(疲労回復や食欲増進作用あり)を使ったおかず。梅干しを細かく刻み、たれの材料と混ぜ

 合わせて使う。酢の物。レモンの絞り汁。ヨーグルトを使ってサラダに。

5. ビタミンAで歯のエナメル質を強化する。

 ビタミンAは、歯のエナメル質や歯肉、舌などの粘膜をつくるために必要な栄養素。口は、雑菌が

 入りやすい部分なので、対策には粘膜を強化しておくことが大切。

 ビタミンAたっぷりのクレソン、にんじん。じゃこも加えてきんぴらに。かぼちゃを使ったカレー。

6. 歯によい砂糖控えめの嚙むおやつ

 糖分の多い食べ物や飲み物をよくとり、だらだら食べると、歯のエナメル質を溶かしやすくし、虫歯

 の原因となる。また、歯周病の原因菌のえさにもなる。歯の健康に気をつかうなら、甘さ控えめの

 手作りおやつがおすすめ。

 薄切りしたかぼちゃ、さつまいも、れんこん、ごぼうをぱりっと揚げて塩をまぶしたチップス。

  抹茶、緑茶を使ったおやつ。お茶には殺菌作用や、口臭予防の効果がある。

 

感想

 健康的な口腔内を保つためには、毎日の丁寧な歯磨きが欠かせませんが、それに加えて、歯や歯肉、

 体によい食生活を心がけていきたいと思いました。なんでも嚙めて、おいしく食べることも健康や

 笑顔につながるのだと感じました。食習慣についてお話しして下さる患者さんもおられるので、参考

 にしたいで す。

                          衛生士 岡本

  2019/01/27   ふくだ歯科
タグ:噛む

「肺炎ー高齢者は口腔ケアで予防」について、勉強会で発表して

肺炎とは…

症状は、発熱や咳、息苦しさなど。

死亡原因として、がん、心臓病、脳卒中に次いで四番目に多い。

2010年には約12万人が亡くなっており、この内65歳以上の高齢者が97%を占める。

高齢者の肺炎の約6割が、誤って気管に飲み込むことによる「誤嚥性肺炎」といわれている。

感覚が鈍くなっている高齢者は自覚症状が少なく、発見が遅れがちになりやすい。一見、肺炎とは

分かりにくい症状(食欲不振やだるさ、意識がもうろうとするなど)を示すこともある為、普段から

むせる姿が目立つ人は誤嚥性肺炎を疑うべき。

寝ている時など気付かないうちに感染し、肺炎を起こす「不顕性肺炎」には特に注意が必要。原因は、

寝ている間に細菌を含む唾液などが気管に流れ込むことによって起きる。肺炎を繰り返す高齢者の口内

を調べると食べかすが取り除けていないなど衛生状態が十分に保たれていないことが多い。

 

口腔ケアのポイント

◆毎食後と就寝前に歯磨き

 歯ブラシや歯間ブラシで、歯や隙間に付着している細菌の塊を落とすことが大切。

◆洗口液を過信しない

 口に含んで吐き出す洗口液は、細菌の付着は防げるが汚れを落とすことはできない。

 歯磨き剤は必ずしも必要ではなく、量も少なめで良い。

◆入れ歯は、外してブラシで汚れを落とす

 入れ歯洗浄剤は過信せず、一日一回は入れ歯を外して、ブラシを使って食べかすを落とし、水で

 洗い流す。

◆舌や頬、歯茎の粘膜には専用のブラシ(舌ブラシ・スポンジブラシなど)を使う

  粘膜を傷つけないよう、口の中全体をきれいにする。

◇介護が必要な高齢者は、ブラシで落とした汚れを誤嚥してしまう恐れがある。

  口腔用のウエットティッシュで拭き取ったり、吸引ブラシで吸引することが必要。

 ※口の中で落とした汚れは確実に口の外に出すことが重要である。

 

【感想・考察】

今回のレポートを通じて、日ごろから口腔内を清潔に保つことで多くの病気が予防できるのだと、

口腔ケアの大切さを改めて考えさせられました。高齢化社会である今、肺炎のリスクはとても

高くなっていると思いますので、患者さんだけでなく、家族や友人など身近な存在から少しずつ

伝えることができればいいなと思いました。

                        衛生士  河本

  2019/01/14   ふくだ歯科
タグ:肺炎

「21世紀のペリオドントロジー」天野先生のセミナーに参加して

1. なぜ歯周病は起こるの?

  1) 歯周病菌の定着

   歯周病を起こす細菌は歯肉縁下に存在し、その最近叢は3階層に区分された6つのプラーク細菌

   共生集団に分類されています。年齢とともにピラミッドの階層が増え18歳以降にP.g菌が感染し

   最上層が構築されピラミッドは完成します。

   ※ピラミッドの頂点に君臨するレッドコンプレックスが定着しているかどうかがバイオフィルム

    の歯周病原性を決するポイントです。

  2) 歯周病の発生原因

   歯周ピラミッドが完成しても、すぐには歯周病の症状は現れません(不顕性感染)。年齢が若く

   抵抗力も高いなどの理由で長年にわたって歯周組織の健康な状態が続くことが多いと思います。

   しかし歯周病菌は常に発症のチャンスをねらっています(日和見)。加齢や、口腔清掃不良などの

   理由でバイオフィルムの病原性が高まり歯周組織とバイオフィルムの均衡が崩壊したとき歯周病

   が発生します(日和見感染)。一方、生涯にわたって発症しない不顕性感染のままの人もいます。

  3) 歯周病発症から歯周破壊へのロードマップ

   レッドコンプレックスには栄養素として鉄分が必要不可欠です。鉄分がないと、菌は増殖でき

   ず、できたとしても栄養不足のため病原性は低いので歯周炎は起こせません。しかし、病原性が

   高まったバイオフィルムが歯周組織に炎症を起こし、それが慢性化すると歯周ポケット内面に

   潰瘍が形成されます。ポケットの潰瘍面からの出血で鉄分が供給されると菌は大幅に増殖し、

   バイオフィルムの病原性を一気に高め均衡を崩します。この時こそ歯周炎発症の瞬間です。

   「歯を磨くと血が出た」は歯周病発症のサインです。 バイオフィルムと歯周組織との戦いは、歯周

   治療により均衡が取り戻されるまで続きます。歯周病に自然治癒や服薬のみによる治癒はありま

   せん。  

2. 目標はポケットを浅くすることですか?

  1) 歯周基本治療の目標

   歯周治療の目標は、歯周ポケットを浅くする、ALの回復、骨レベルの改善、あるいは付着歯肉幅

   の増加と言われます。しかし、歯周基本治療の最も大事な目標は歯周ポケットを浅くすることで

   はありません。歯周ポケット内で血液が供給され続ける限り、バイオフィルムの高病原性は維持

   し歯周炎は進行します。歯周基本治療によって目指すことは、歯周炎発症へのロードマップを

   逆に辿り、バイオフィルムの病原性を歯周病発症前のレベルに戻すこと、つまり歯周病菌への

   血液の供給を断つことです。歯周病菌とバイオフィルムの均衡が取り戻されれば歯周状態も昔の

   状態に戻り、当然ポケットも浅くなってきます。

  2) 歯周基本治療

      通常の歯周基本治療によって出血を止めることができます。ブラッシング指導、スケーリング、

   ルートプレーニングに始まり、生活習慣指導、そしてメインテナンスです。熟練したテクニック

   が要求されるのはSRPです。未熟な技では出血は止まりません。歯周基本治療によってポケット

   内の歯周病菌を完全に駆逐することはできませんが、細菌量は大幅に減少します。菌の量が減れ

   ば、歯周組織の創傷治癒力がバイオフィルムの病原性を上回り、潰瘍面の閉鎖が始まり出血は

   止まります。菌への血液の供給を断つと、バイオフィルムはかつての低い病原性しかもたない

   状態に戻り、均衡も取り戻されます。ポケットからの出血を止めることはこれほど大きな意味を

   もっているのです。

   ※SRPのポイント

   側方圧が弱かったり、正しい角度でスケーラーのブレードが当たっていなかったり、シャープ

   ニングが不十分でよくブレードが削れなかったりすると、歯石を取り除くことができないだけで

   なく、歯石の表面だけを削り取ってしまいます。そのため、歯面には歯石の表面が滑らかな状態

   で取り残されることになり、そうなると、エキスプローリングでも見逃してしまいやすいし、

   スケーリングも難しくなってしまいます。ルートプレーニングでは刃先のコントロールが重要

   です、力が弱い場合は両手を使うのもひとつの方法です。また、根面の象牙質には限りがあり

   ます。過剰にならないインスツルメーションを!

3. 目標は100%磨き?すべての患者さんに同じブラッシング指導をしていませんか?

 1) バイオフィルムの病原性判別

      歯周炎は慢性歯周炎という診断名で包括されますが、超音波スケーリングだけで簡単に良くなる

   歯周炎もあれば、手を尽くしても進行が止まりにくい重症のものもあります。これはバイオ

   フィルムの病原性に大きく関係しています。病原性の高いレッドコンプレックスが存在し、その

   菌数が多いほどバイオフィルムの病原性は高くなり、このような歯周炎は重症化しやすく治療が

   難しい場合もあります。  

  2) バイオフィルムの病原性に応じたブラッシング指導

   患者のバイオフィルムの病原性によってメインテナンス(歯周管理)の質と頻度は異なります。

   プラークの量が多いから歯周病再発リスクが高いわけではありません。バイオフィルムの病原性

   が低い患者は、歯磨きが上手く出来ていなくても歯周病の急速進行や再発の可能性は低いでしょ

   う。この場合、定期的なプロフェッショナルケアで不十分なセルフケアを補えます。しかし、

   バイオフィルムの病原性が高い患者はわずかな磨き残しでも大きな因子になります。このような

   患者には歯間ブラシやフロスも駆使し、PCRを低くすることを目的とした丁寧なブラッシング

   指導が最初から必要です。バイオフィルムの病原性を判定(あるいは推測)し、歯周炎を見分ける

   ことによって、患者さんごとのオーダーメイドの歯周治療が可能となります。 ブラッシング指導

   は決して楽ではありません。患者にも術者にとってもエコなブラッシング指導を!

4. 合点がいけば人は動く!

 1) 生涯メインテナンス

   歯周管理は患者の生涯にわたって健口を見守る口腔健康管理です。口腔健康管理実践のために

   は、口腔内の危険因子だけではなく、歯周病の発症・進行に強い影響をもつ環境因子にも注意を

   払いたいものです。生活習慣や歯科的知識・教養に加え、ストレスや歯磨き習慣についても患者

   の日常を知り、必要ならその日常を変える心構えで、山あり谷ありの患者の人生に寄り添って

   バイオフィルムと歯周組織の均衡状態を守る生涯メインテナンスが歯科衛生士の使命です。

   ※患者さんとの二人三脚には

    ・望んでいるものだけを(消極的アプローチ) →まず得るものをもたせて帰す

    ・親しくなろう(話を聞く、相手を知る、褒める、笑顔が大切)

    ・目先のゴールは低く(not修行、no頑張ろう) →前回より少しでも良くなっていたら褒める

    ・病状を納得させる説明力(科学的知識) →人が集中して聞くのは15秒ほど、簡潔に!

    ・結果を残せる技術(生物学的治療)

 

まとめ  

 今回の講演で、歯周病の感染は一生続き完治は無いと言われており、疾病が進まないよう口腔内の

 均衡状態を保つためには歯科衛生士のメインテナンスや介入が重要だと改めて感じました。  

 バイオフィルムの病原性や、ポケットからの出血が歯周病に強く関係してくることなどをしっかりと

 頭に入れてこれからのメインテナンスに活用していけたらと思いました。

                               衛生士 星島

  2019/01/06   ふくだ歯科
タグ:歯周病