スタッフレポート

2017年8月

ホワイトニングについて、勉強会で発表して

<歯のホワイトニングとは>

ホワイトニングは広義では歯を白くする処置の総称ですが、狭義では歯の漂白(ブリーチ)をさし

ます。歯の漂白は、歯質を全く切削することなく化学的に色を改善できる低侵襲な治療方法です。

<歯の色>

1. ヒトの歯の色

      歯の色調は、照明により異なりますが通常は比較的透明なエナメル質を透過して、不透明で淡黄色

         の象牙質が見えることにより知覚されます。歯冠の部位によってエナメル質や象牙質の厚さは異

         な ります。さらに、色調も歯頸部、歯冠体部、切縁で異なっています。

         *象牙質の厚い犬歯は黄色っぽく見える

2. 歯の測色における留意点

      ホワイトニングを行う前の歯の色とホワイトニング後の色を記録することは、臨床でのトラブルを

         防ぐ方法のひとつです。 測色計により色調を測定すること、術前と術後の口腔内写真を撮影する

         こと、シェードガイドと歯と術前と術後に患者と一緒に観察し、記録を残すことは歯の色を記録

         する基本的な要件になります。

         *乾燥すると白く見えるためシェードガイドで見る時は短時間で湿潤した状態で行う

<ホワイトニングのメカニズム>

1. ホワイトニング材の成分

      ホワイトニング材として臨床応用されているのは

      オフィスホワイトニング・・・各種濃度の過酸化水素

      ホームホワイトニング・・・10%過酸化尿素

      ウォーキングブリーチ・・・過ホウ酸ナトリウム

2. ホワイトニング材の歯面への作用

      ホワイトニング材はエナメル質表面に作用させます。ホワイトニング終了後には、直後の着色飲

         食物や酸性飲料の摂取、喫煙は避けるよう指示します。これは、ホワイトニング材は歯の表面を

         保護している有機性の皮膜であるペリクル(獲得皮膜)を除去する作用があるからです。

<ホワイトニングの問題点>

1. 象牙質知覚過敏症

      知覚過敏が生じた場合は、ただちにホワイトニングを中止(または中止するよう指示)します。

         ◎知覚過敏に対する処置

             ・フッ化物配合ジェルを使用する

             ・硝酸カリウム配合歯磨材を使用する

             ・ホワイトニングの間隔、時間を調整する

             ・象牙質知覚過敏抑制剤を塗布する

2. 後戻り

      オフィスホワイトニングの施術後24時間、またはホームホワイトニングの実施期間中は、着色

          しやすい飲食物(カレー、ワインなど)の摂取は控えるように指導します。ホワイトニング後

          は、2週間くらいの間に多少の後戻りがありますが、その後は比較的安定します。しかし、患者

          の生活習慣や嗜好品、セルフケア状況によりますが、明度が徐々に低下していきます。

           そのため、後戻りの防止策として適切なセルフケアを行い、付着するプラーク量をできるだけ

            少なくする必要があります。 1ヶ月から3ヶ月に1回程度のPMTCを促し、必要に応じて

            タッチアップホワイトニングを行うことも重要です。

<感想>

日々の診療の中でホワイトニングの相談を受けることもあります。患者さんが気になっていることなど

を聞き、特徴や使用方法をしっかりと伝えていきたいです。また、ホワイトニングを行う患者さんには

安全に使用してもらうことはもちろん、終了後の後戻りを防ぐためのメンテナンスも大切だと思いま

した。

                                                歯科衛生士 松本

  2017/08/14   ふくだ歯科

子供の歯磨きについて、勉強会で発表して

多くの育児書や雑誌でも子供の歯磨きの特集を目にするほど、子供のブラッシングに対する関心は年々

高くなっています。実際子供のう蝕は年々減少し続けています。 ブラッシングを重視すると同時に実際

はしあげ磨きを嫌がるわが子に悩みながら日々ブラッシングと格闘している保護者が多いようです。

歯磨きを嫌がるのにはどんな理由があるのでしょうか?

◎歯磨きによる痛みがあるから

・口角を引っ張っている

    →口の中をしっかりと見ようとするあまり口角を引っ張りすぎている可能性

        大きく口を開けて張っている状態の口角をさらに引くと痛みにつながりやすい。

・磨く力が強すぎる

    子供用の歯ブラシは、毛が短くあまりしならないため同じ力であっても大人用の歯ブラシよりも痛み

    を感じやすい。

・歯ブラシの毛先が開いている

    毛先の開いた歯ブラシを使っていると先端が頬粘膜に触れてチクチク痛むことがある。また子供は

    成人に比べて上下小帯が高い位置に付着しているためブラッシング時に注意する必要がある。

◎歯ブラシ中苦しいから

    ブラッシング時にはたくさんの唾液がでるのでお母さんが真剣に磨いている 間、唾液を飲みこむ

    こと、呼吸することさえ子供は我慢しています。様子を見計らいながら、歯ブラシをいったん出して

    あげ磨いている保護者も真剣にするあまり、息をとめて力が入りすぎている可能性もあるので確認

 するようにする。

◎じっとしていられないから

    歯を磨くことではなく、「磨くために横になること」「動かないでじっとしていること」が嫌な可能

    性がある。短時間で磨き終えることができるように、子供の歯がどこに何本あるかどのくらい奥まで

    ブラシを入れられるかなど横になって口の中を子供と一緒に観察して見ると良い 。一緒に見ることで

 口に興味をもちだしたり、子供自身が横になることにも慣れることが期待できる。

 どうしても難しい場合は磨けなかった部分から次磨き始めるなどいつも同じ部分しか磨けないという

 ことがないように気を付ける。またキシリトールを利用したり、歯科医院で定期的にリーニングを

 してもらうと良い。

年齢に合わせた歯磨きの体勢

0~1才

抱っこ磨き

→赤ちゃんのうちは、母乳をあげる時と同じ抱っこの体勢で

1~3才寝かせ磨き

→膝を少し開いて正座して膝の上に頭ののせる

どんな歯ブラシがいいか

・ヘッドは小さめ

・グリップが握りやすい

・毛は柔らかく密集している

仕上げ磨きのポイント

・虫歯になりやすい上の前歯や上下の奥歯に的を絞って。

・磨く順番は奥歯から痛みを感じやすい前歯にかけて磨く。

・歯ブラシは歯の面に直角にあてる

 歯の面にまっすぐ歯ブラシを当て歯茎を傷つけないように優しく細かく磨く

・上下の奥歯の溝を磨く

 奥歯のかみ合わせの面は汚れが溜まりやすい部分。溝に沿ってかきだすように磨く

・上の奥歯の側面を磨く

 上の奥歯の頬側は口を大きく開けずに小さく開けると頬が緩み磨きやすくなる。下の奥歯の舌側は

 「アー」と言わせると舌が下がりよく見える。

・上の前歯を磨く

 小帯を歯ブラシで傷つけないように人差し指で上唇を押さ、人差し指に歯ブラシを沿わせるように

 磨くと痛みがでにくい。

 

感想

私の身近にも子供の歯磨きに苦戦している人がいるのでレポートにまとめました。

小さいうちから歯磨きの習慣をつけておくことで良いことがたくさんあると思います。

歯磨きが「嫌なこと」というイメージを子供にあたえないためにも嫌がる理由や痛みを与えない歯磨き

のやり方、仕上げ磨きのポイントをしっかりと頭にいれておきたいと思ました。

                           衛生士 加藤

  2017/08/02   ふくだ歯科
タグ:歯みがき