第3章 正しい敬語の使い方 11の法則
◆知っておきたい敬語の種類
〔敬語〕
①尊敬語:相手側または第三者の行為・ものごと・状態などについて、その人物を立てて述べるもの
ex.) いらっしゃる、おっしゃる、ご利用になる、ご住所、お名前、お忙しい、貴社etc.…
②謙譲語Ⅰ:(「伺う・申し上げる」型)
自分から相手側または第三者に向かう行為・ものごとなどについて、その向かう先の人物を立てて述べるもの
ex.) お目にかかる、差し上げる、(立てるべき人物への)お手紙、ごあいさつetc.…
③謙譲語Ⅱ:(丁重語)(「参る・申す」型)
自分側の行為・ものごとなどを話や文章の相手に対して丁重に述べるもの
ex.) 参る、存じる、粗品、弊社etc.…
④丁寧語:話や文章の相手に対してていねいに述べるもの
ex.) です、ます、ございますetc.…
⑤美化語:ものごとを美化して述べるもの
ex.) お酒、おつり、お話etc.…
〔準敬語〕
①改まり語 ex.) 本日、一昨日、このたび、そちら、先ほど、何とぞetc.…
②クッション言葉 ex.) 恐れ入りますが、お手数をおかけいたしますが、あいにく、お差し支えなければetc.…
◆敬語のレベルに合わせて表現にも工夫をしよう
ex.) ①保険証を出してください。
②保険証をお出しください。
③保険証をお預かりいたします。
④保険証を持ってきましたか?
⑤本日、保険証をお持ちでしょうか?
このようにたくさんの表現がある。歯科医院の地域性、患者さんの層、歯科医院が目指す接遇レベル
によって使い分けていけばよい。
※たくさんの表現があることを知らずに、ワンパターンな表現をしているのは良くない。
まずは、たくさんの表現を言葉の引き出しに入れる!!
◆クッション言葉をうまく使おう
→会話の際のクッション役をし、会話を円滑にすすめる言葉
・会話のはじめに、相手に配慮したひと言があると、相手は続く言葉を受け入れやすくなる
・患者さんへの会話はもとより、院内のスタッフ同士の会話にも有効
〔代表的なもの〕
ex.) 尋ねるとき→恐れ入りますが/お差し支えなければ/よろしけば
依頼するとき→お手数をおかけいたしますが/お忙しいところ申し訳ありませんが/ご面倒だとは思いますが
断るとき→あいにく/お断りするのは大変心苦しいのですが
確認するとき→行き違いかもしれませんが/念のため確認させていただきたいのですが
◆間違い敬語に注意
・二重敬語:一つの単語を二重に敬語化した単語
ex.) 院長がお読みになられました、患者さんがお越しになられましたetc.…
・尊敬語と謙譲語の混同に注意
(1).尊敬語と謙譲語の区別ができていない誤り
→謙譲語と尊敬語を勘違いして使っている間違いがある。
高めるべき相手の行為を謙譲語で表現するのは相手に対して大変失礼なので注意。
ex.) 〔間違い〕書類を拝見してくださいましたか → 〔正しい〕書類をご覧くださいましたか
受付で伺ってください → 受付でお聞きください
どうぞ頂いてください → どうぞ召し上がってください
(2).謙譲語のあとに尊敬語をつけ、尊敬語のつもりで使っている誤り
→謙譲語のあとに尊敬語をつけても、尊敬語にはならない。
ex). 〔間違い〕○○さんが申されました → 〔正しい〕○○さんがおっしゃいました
いかがいたされますか → いかがなさいますか
(3). 「お/ご~する」という添加形式の謙譲語を尊敬語のつもりで使う誤り
→「お/ご~して」の元の形は、謙譲語の「お/ご~する」なので、高めるべき相手の行為に
使うのは誤り。「して」を取れば正しい言い方になる。
ex). 〔間違い〕お待ちしてください → 〔正しい〕お待ちください
ご協力していただけますか? → ご協力いただけますか?
ご利用してください → ご利用ください
(4). その他の間違い敬語
ex). 〔間違い〕お名前頂戴できますか? → 〔正しい〕お名前をお聞かせいただけますか?
電話番号をいただけますか? → 電話番号をお教えいただけますか?
○○さんのお宅でいらっしゃいますか?→○○さんのお宅でしょうか?
おわかりにくいところは、、、 → おわかりになりにくいところは、、、
読まさせていただきます → 読ませていただきます
《感想》
敬語については,これまでにも何度かミーティングで取りあげられてきました。
第3章では正しい敬語の使い方について詳しく書かれており,あらためて確認することができました。
間違い敬語,特に二重敬語は普段からつい使ってしまいがちなので気をつけたいです。
「敬語のレベルに合わせて表現にも工夫をしよう」の項目では,ただ丁寧であればあるほどいいというわけでは
なく,その時々に合わせた表現の工夫が大切だと知りました。
たくさんある表現をなるべく多く引き出しに入れ,クッション言葉なども効果的に取り入れながら使っていけるよう
にしていきたいです。
衛生士 西内