第2章 患者さんに好まれる話し方 13の法則
〈話し言葉ではできるだけ和語を選ぼう〉
話し言葉の場合には、基本的に和語を選んだほうが相手に対して親切です。
それは、耳から聞いたとき、漢語よりも和語のほうがわかりやすいからです。
(漢語には同音異義語がたくさんあり、意味をとらえるのに時間がかかる)
漢語を和語に言い換えると・・・
漢語 和語
初診ですか? → 初めてでいらっしゃいますか?
記入していただけますか? → お書きいただけますか?
保険証ご持参ください → 保険証をお持ちください
10時に来院してください → 10時にお越しください
選択してください → お選びください
送付します → お送りします
〈イメージのよい言葉を選ぼう〉
医療機関では、心が暗くなる言葉、心が重たくなる言葉が増えます。症状や治療の説明のときは仕方ない
ことですが、患者さんとのなにげない会話やあいさつのときは、明るい、よいイメージのある言葉を意識して
使ってみるとよい。
イメージのよい言葉に言い換えると・・・
わざわざすみません → お心づかいいただき、ありがとうございます
そんな心配しないでください → お気づかいいただき、おそれいります
ちょっと待っていてください → ただいままいります
すみません → ありがとうございます
うっとうしいお天気ですね → 緑が生き生きとしてきましたね
雨ばかりで滅入りますね → 青空が恋しいですね
寒くて嫌になりますね → 気持ちも引き締まるような寒さですね
○○するとダメですよ → □□するといいですよ
○○すると時間がかかります → □□すると早くできます
○○されると困ります → □□していだだけるとありがたいです
〈ぼかし表現を避けるようにする〉
「ぼかし表現」を多用すると、話しの信憑性が薄れるほか、話しの要領を得ない人という印象を与えてしまう。医療現場では明快な表現が求められる。
例)
ぼかし表現:「私的には、この歯磨剤とかのほうがわりとおすすめって感じです」
医療現場 :「私といたしましては、こちらの歯磨剤がおすすめです」
*「わりと」「~みたい」「~ぽい」「~な感じ」「一応」「ちょっと」
「私的には」「とか」「~のほう」など、多用していたら、少しずつ減らしましょう。
〈Iメッセージを上手に利用する〉
自分を主語にし、相手に自分の気持ちを伝える表現方法。
いいにくいことを伝えるときに有効だとされている。
例)
定期的に検査にきてください。
→定期的に検査にきてくださると、よい状態が維持できますので、私どもも安心です。
今回は、歯がピカピカですね。
→歯がピカピカに磨けていて、私も張り合いが出ます。
いつも約束を守ってくれますね。
→いつも約束を守ってくださるので、うれしいです。
*人が人に心を開くのは、自分に対する評価を伝えられたときではなく、自分への気持ちを
伝えられたときです。
《感想》
この2章では、患者さんに好まれる話し方について書かれていました。相手にわかりやすく、
好感の持てる言葉や思いを伝えるには、言葉を選び、よいイメージを考え、さらに自分の声を意識し、
発声するなど、通常の会話をしているときにはあまり考えたことがないものばかりでした。
しかし、患者さんに対しては誤解を招くことなく、信頼関係を築くための、多くのヒントあり参考に
なりました。日常でも意識して、ここで得た話し方ができるよう心がけていきたいと思いました。
衛生士 赤木悦子