スタッフレポート

「妊婦の口腔ケア」について、勉強会で発表して

岡山市は10月から、市内に住む妊婦の歯科健診を無料化。 配偶者らも対象。

妊婦にみられる口腔内の症状

   ホルモンバランスの変化、食生活パターンの変化などが口腔内環境を悪くしている。

  ① 歯肉炎・歯周炎

     つわりや間食の増加などによって歯磨きを充分に行えない

          ↓

      口の中が不潔になりやすい、及び女性ホルモンの増加などの影響で炎症症状が より強く現れる

  ② 虫歯

     つわりや間食の増加のために口腔内の清掃が不十分になりがちであったり、女性 ホルモンの

     増加により唾液の性状が変わるため、虫歯になりやすい状態である

  ③ 妊娠性エプーリス

          歯肉にできる良性の腫瘍で、主に妊娠3ヶ月以降にみられる。強い赤みを帯びた 出血しやすい

            できもの

        外的要因  機械的刺激と感染による炎症性刺激

        内的要因  女性ホルモンの変化

 妊婦の口腔ケア  

  妊娠中でも虫歯や歯周病の発生メカニズムは同じなので基本的な予防方法は変わらな いが、

  ホルモンバランスの変化によって歯肉炎が起こりやすくなっている。また、つわりなどで歯磨きする

    ことが困難になってしまうこともある。さらにそれらが重な ると口腔内が不潔になり歯肉炎の症状が

    悪化し、歯肉の痛みによって歯磨きが困難に なることもある。

  ・ヘッドの小さな歯ブラシを使う(子ども用等)

  ・やわらかめの歯ブラシを使う

  ・歯を磨く時に歯ブラシの動かし方を小さくする

  ・前かがみ気味で前に掻き出すように磨く

  ・においの強い歯磨剤をさける

  ・できるときに何回かに分けて磨く

  ・歯磨きができない時は甘いもの(お菓子、ジュース)などをひかえる

    などを心がける

歯を育てる栄養

 たんぱく質:赤ちゃんの筋肉や血液・脳細胞のほか、歯胚の材料になる。

       歯にカルシウムを貯めるのに大切な役目をする。

       歯胚がつくられる妊娠4~10週頃の初期に特に大切。

        *魚・肉・牛乳(乳製品)・卵・大豆製品

    ビタミンA:歯のエナメル質の土台を作る。

         妊娠12~24週頃に特に大切。

       *緑黄色野菜・うなぎ

     ビタミンC:歯の象牙質の土台を作る

          妊娠12~24週頃特に大切。

       *野菜・果物

     カルシウム:歯胚を硬くする(石灰化)。

                           妊娠中は平常の1.5倍の量(1日の所要量として900mg)を摂る。

         妊娠4~6ヶ月頃に特に必要。

        *小魚・牛乳(乳製品)・海藻・大豆製品・緑黄色野菜

  ビタミンD:カルシウムの吸収を助け、石灰化を調整する。

        *かつお・いわし・マグロ・干し椎茸

【まとめ】                    

  平成27年10月から、岡山市でも妊婦の歯 科健診が無料化となりました。また、妊婦の パートナーまで

  対象にした無料歯科健診は 全国の政令指定都市や県内の自治体では初 ということです。これに伴っ

  て、口腔ケア はもちろんのこと、禁煙や食生活の指導を 行う機会が今以上に増してくるのではない か

  と考えられます。今回の岡山市の取り組 みを機に、妊婦さんやその家族へより充実 した指導ができれ

  ばよいと思います。  

                                                                                                                      衛生士 赤木   

  2015/11/23   ふくだ歯科
タグ:妊娠