スタッフレポート

スタッフによるレポートを掲載しています。

歯肉をふっくらと仕上げる「DENT.EX syatema」の魅力について、勉強会で発表して

◎スーパーテーパード毛

「DENT.EX systema」にはスーパーテーパード毛が使用されています。スーパーテーパード毛の特徴は、

毛先が細く加工されていることです。スーパーテーパード毛はラウンド毛と比較して、歯周ポケットに

侵入しやすく、歯肉へ優しく当たる特性が検証されています。

さらにこの性能を発揮するため、毛の素材を通常のナイロンではなく、「ポリブチレンテレフタレート」

という特殊な樹脂を科学的に溶かして加工されたものが使われています。

◎歯周病予防や治療に最適

システマ44Mは非常にコンパクトなヘッドに、腰のある比較的長め(12mm)のスーパーテーパード毛が

約500本植毛されています。柄はシンプルなストレートの形状で手に馴染みやすく、適度にたわむこと

で過剰なブラッシング圧を抑制してくれます。

弱い圧力でも毛先が細部まで到達する特性は、過剰な外傷力が辺縁歯肉や露出したし根面にかかり

にくく、比較的長い時間ブラッシングをしてもらう歯周治療においてたいへん有利です。歯周治療後

に“ビニールコーティングした光沢のある、ふっくらとした歯肉”に仕上げることができます。

ブラッシングは一般的にセルフケアのために行いますが、“セルフキュアー”にもなるすばらしいものだ

と考えています。私たちが行うブラッシング指導の時間はほんのわずかであり、大半は患者さん自身の

手で行われます。そのため、患者さんの協力が不可欠であり、歯科衛生士には患者さんに応じた“口腔内

の取扱説明書”をしっかりと行うことが求められます。

《まとめ》

「おすすめの歯ブラシはありますか?」患者さんから、そう質問されることは少なくありません。自分に

合った歯ブラシと出会うことは、歯周治療の大きなモチベーションとなります。歯ブラシに限らず

デンタルフロスや歯間ブラシでも、多種類の清掃用具の中からなぜそれを選んだのか、その根拠を明確

にし、こだわりをもって患者さんに処方したいと思いました。

                                   衛生士 関口

  2015/09/23   ふくだ歯科
タグ:歯ブラシ

「どうして糖尿病(歯周病)の人は歯周病(糖尿病)になりやすいのだろう?」について、勉強会で発表して

糖尿病から歯周病への影響は、高血糖により口腔が乾燥し、歯肉の炎症が起こりやすく、歯肉溝滲出液

中の糖濃度も高くなって、歯周ポケット内の歯周病原細菌が繁殖しやすくなることが挙げられる。

歯周病から糖尿病への影響は、歯周病を放置することにより、細胞から糖を取り込めず高血糖状態jに

陥ることが報告されている。

○糖尿病と歯周病双方が影響し合う?

  糖尿病患者の歯周病発症率、重傷率が高いことから、糖尿病は歯周病に影響すると考 えられて

  いる。

     歯周病が腎症、網膜症、神経障害、大血管障害、細小血管障害に続く糖尿病の6番目 の合併症で

       あると認められつつある。

       歯周病が糖尿病治療時の血糖コントロールを妨げることが報告され、歯周病が糖尿病 に影響する。

                 ↑

                         糖尿病と歯周病は双方向的に影響し合うことがわかってきた

○糖尿病から歯周病への影響

  ・糖尿病が歯周病を悪化させる原因は高血糖による脱水経口のために口腔が乾燥し、 唾液の働きが

           悪くなり歯肉に炎症が起こりやすくなること  

  ・高血糖から歯肉溝滲出液中のブドウ糖濃度の高くなり、歯周ポケット内の歯周病原 細菌が繁殖

           しやすくなる  

  ・高血糖が続くと白血球の遊走能、貪食能、殺菌能などの機能が低下し、歯周病原菌に対する抵抗

           性が低下して易感染性の状態となること

  ・過剰なブドウ糖がタンパク質と結合して作られる最終糖化物質が細小血管の狭小化、 マクロ

   ファージの感染菌、LPSに対する反応を過剰にさせ、炎症性サイトカイン放 出の異常亢進、

   歯肉、歯根膜線維芽細胞のコラーゲン合成低下、MMPの産生上昇か らコラーゲン線維や血管基

   底膜の代謝が低下して歯周組織の修復力、創傷治癒能力 が低下する

○歯周病から糖尿病への影響

   歯周病放置することによって、血糖値やHbA1cに悪影響を与える可能性が報告。

                  ↑

  重度の歯周病患者ほど糖尿病の状態も悪化することで、歯周病から糖尿病への影響を示唆。

   ・TNF-αによる糖の取り込み阻害でインスリン抵抗性が増大し、細胞がブドウ糖を 取り込めず

    高血糖状態に陥り、糖尿病を悪化させる

   重度歯周炎を合併している糖尿病患者に抗菌薬を併用した歯周治療を行ったところ、 末梢血管中

   のTNF-α濃度が有意に低下し、かつ、HbA1c値が改善された報告。

まとめ

  歯周病と糖尿病は、ともに初期症状はほとんどなく、一般に進行は緩徐である。歯周病と糖尿病は

  互いに憎悪因子となり得る点からも、両疾患の関連について更なる解明が進み、一方を改善させる

  ことで、相乗効果を得ることが可能なのではないかと考えられる。

感想

  糖尿病からの患者数は、世界で約3億4,700万人、日本国内でも予備軍を合わせると約2,210万人と

  報告されているそうです。口腔内環境をよくすることは、多くの糖尿病の患者によい影響を与える

  ので、健康的な生活ができるよう、アプローチしていければよいと思う。

                                     衛生士  赤木    

  2015/09/14   ふくだ歯科

H.26年度 歯科医療安全研修会・HIV医療講習会に参加して②

医療安全の意義

 安全文化

  ◆食の安全、機械・機器の安全、運輸の安全、生活の安全、通信の安全、住居の安全など、安全

   管理は医療のみならず、全ての分野での基盤である。

   ◆安全管理なくして発展はない。

 医療安全管理体制のポイント

   ◆システム的な対策

   1.エラーを起こしにくい工夫

   2.何重もの対策

     ◇スイスチーズモデルを思い出せ!

     ◇エラーは「よりによって」で発生する!

       スイスチーズモデルとは=よりによってすり抜ける事故…いわゆる穴あきチーズ

         …事故の発生は通常、何層かの防御壁によって防がれているが、各層の防御壁に潜在

          的な穴が開いていたり、突発的に穴が開いてしまうことがあり、重大な事故は各層

          の穴が一直線上に並んだしまった際に起こると考えられる。

    3.エラーを未然に防ぐダブルチェック

   ◆エラーの予知…インシデント(ヒヤリハット)の収集

    ・ハインリッヒの法則から、インシデント(ヒヤリハット)の多発は重大な事故の前兆と考えら

               れるので、インシデントを積極的に収集し、対策を立てることが重要である。

                   ハインリッヒの法則 ・産業災害(労働災害)の事例の分析で用いられている法則で、1件

                   の重大事故の背景には29件の小事故が発生しており、さらにその背景には、ケガに至ら

                   なかったヒヤッとした300件の事例が存在している。

        ◆組織的な医療安全管理

            ・研修会の開催  ・情報、データの収集  ・指針、マニュアルの提示  ・指導

   医療事故の原因

       ◆ヒューマン・エラー(人に起因して起こるエラー)

       ◆医療技術・知識の低さ

       ◆コミュニケーション不足

           ・医療従事者-患者(インフォームドコンセントの不足)

           ・医療従事者-医療従事者(伝達ミスなど)

       ◆診療システムに起因

       ◆ネットワークに起因

       ◆施設・設備に起因

       ◆器械・器具に起因

   高齢者の特徴

       ◇予備力(心肺予備力)が低下している

       ◇全身疾患を有している割合が高い

       ◇常用薬の種類が多く、薬物療法の既往がある

       ◇在宅要介護者が増加している

   初診時の全身的な評価

       ◆全身状態(全身疾患を含む)の聴取

   ・心肺予備力:NYHA(ナイハ)分類、Hugh Jones(ヒュージョーンズ)分類、身体活動能力

   ・全身疾患(基礎疾患)

           ・アレルギーの有無

           ・以前の歯科治療時の全身偶発症の有無:問診

           ・妊娠の有無 ◆常用薬のチェック

        ◆内科主治医への対診(照会)

        ◆初診時の全身評価・検査

    身体活動能力による術前評価

        ◇心不全を有する高齢者の歯科診療に際し、患者の身体活動能力を評価し、身体活動能力が低い

            患者に対しては、歯科診療に伴って心臓合併症が発症するリスクがあるため、予定の歯科治療を

            中止あるいは延期し、内科主治医に対診する必要がある。

        ◇4METs(メッツ)の運動が耐え得ない患者は、手術時の心臓合併症の発症のリスクが高くなるため、

            身体活動能力の低下の程度と手術の内容とを対比し、十分な術前評価を行わなければならない。

                例えば 1METs→安静にしている状態

                         4~5METs→階段を休まず上れる

   予備力評価で患者を診る

       ◆歯科医院に歩いて通院できる患者の予備力は十分ある。

       ◆特に、2階の診療室まで、歩いて休まず上れる患者はまず大丈夫。(予備力がある)

                                     ↓

       ◆外来通院患者では重篤な全身的偶発症の発症率は低い。  

           しかし、

              ◇在宅要介護高齢者では、予備力の評価が難しい。

              ◇予備力の非常に低い患者がいる。

              ◇全身的偶発症の発症が増加する可能性がある

   バイタルサイン

   ・意識・呼吸・脈拍・血圧・体温

   バイタルサインの順番(心停止を想定する)

       意識がない→応援→呼吸していない→人工呼吸→脈拍がない→胸骨圧迫

     「意識」の有無

         ・意識がある→心臓は動いている(心停止はない)

         ・意識がない→心停止しているかもしれない…すぐ救命措置

         ・意識レベル→意識障害(何か変?)の有無…脳卒中の有無

    歯科に関連するアナフィラキシーの原因(アレルゲン)

        ◆抗菌薬・鎮痛薬

        ◆局所麻酔薬

        ◆歯科用局所麻酔剤の添加薬・添加物

        ◆消毒薬(クロルヘキシジン、イソジン)

        ◆他の材料(ラテックスなど)

    アナフィラキシーの症状

        ◇初期症状:死んでいくような不安な感じ、金属臭様の味、倒れそうな感じ、めまい間、発汗

        ◇皮膚・粘膜症状:紅斑、発赤、掻痒(ソウヨウ)、蕁麻疹、顔面浮腫、口唇及び舌の腫脹

        ◇循環器症状:血圧低下、不整脈、胸部絞扼感、循環虚脱

        ◇呼吸器症状:上気道浮腫、嗄声(サセイ)、喘鳴(ゼンメイ)、呼吸困難、気管支痙攣、

            wheezing{(ワィーズィング)…吸気時に聴診器なしで聞かれる異常呼吸音}、呼吸停止

        ◇鼻症状:鼻の掻痒、鼻閉、鼻水

        ◇消化器症状:悪心、嘔吐、腹痛、下痢

        ◇中枢神経症状:昏迷、意識消失、痙攣

    院内感染対策の基本

    ・感染を拡大させないための予防策を常に(どの患者に対しても)講じておく必要があり、感染源の

        消滅と感染経路を遮断することが院内感染対策の基本である。

    ・CDC(米国疾病管理予防センター)が提唱した「スタンダード・プリコーションズ」が広く用い

        られている。

            スタンダード・プリコーションズ(標準予防策)

                ◆感染症に罹患している患者とそうでない患者を区別することなく、すべての患者に対し、

                    標準的に講じる疾患非特異的な感染対策の基本的指針である。

                ◆手指衛生が重視されており、手指衛生を十分に行なうことで医療従事者自身を感染から

                    守ると同時に、感染を伝播させない。

    滅菌と消毒

        滅菌:いかなる形態の微生物生命をも完全に排除または死滅させる。器具等の滅菌には、

                   高圧蒸気滅菌が適用されることが多い。

        消毒:ほとんどの細菌、ウィルスを死滅させるが、芽胞は存在する。           

                   アルコール製剤が使用されることが多い。

                   血液などによる汚染には、0.1%次亜塩素酸ナトリウム液(金属の腐食に注意)を

      使用する。

   手指衛生

       CDC(米国疾病管理予防センター)は、医療従事者の手指衛生には、従来の石けんと流水による

       ものから、アルコールベースの速乾性擦式手指消毒剤の使用を第一選択として勧告している。

       〈速乾性擦式手指消毒剤による手指消毒〉

           ・速乾性擦式手指消毒剤を2~3mlとり、手指全体に薬液が十分に行き渡る様にし、乾燥する

               まで擦り込む。

           ・より清潔が求められる処置をする前には、石けんで洗い、手を十分乾燥させた後、速乾性擦式

               手指消毒剤を使用する。

           ・手袋を外した後も、速乾性擦式手指消毒剤による擦式手指消毒が勧められている。

【感想・考察】

   前回の講習会レポートに続き、今回は同日講演の第2部をまとめることが出来ました。講演では、

   想像していた内容とは趣を異にして、高齢者の特徴と予備力という観点を取り上げており、大変興味

   深かったです。患者さんとの会話や問診から主訴や口腔状態、生活環境等をお聞きするのみならず、

   来院方法や来院時のご様子から予備力までをも読み取っていく、これが医療における安全に繋がって

   いくのだなと感じました。また、「歯科」という言葉だけにとどまらず、患者さんの全身状態を

 『知る』ことが、「早期発見・早期治療」などといった患者さんの安心を引き出すことにもなるのでは

   と改めて考えさせられました。

                                                                                                                                    衛生士 河本

  2015/09/06   ふくだ歯科

SRPについて勉強会で発表して

<SRPの目的>

1.細菌編

 SRPをするとポケット内の細菌は激減し善玉菌が増えてくるが数ヶ月すると元の状態に戻る。

→これを防ぐために...

①患者さんによる歯肉縁上プラークコントロールを徹底する

 歯肉縁上プラークが歯肉縁下プラークの供給源になったり、歯肉縁上のプラークコントロール不良が

 原因で炎症をおこすと歯周病菌の住みやすい環境になるため

②定期的に歯肉縁下プラークを除去する

 深いポケットは細菌が後戻りしやすいため定期的に除去して歯周病菌が住みにくい環境をつくる

2.根面編

 プラークとその足場になる歯石が同時に除去され根面が平滑になることが一番大切なこと

→SRPのゴールはどこまでなのか

①ガラス様の根面(硬くて平滑で清潔)になっているかを確認する

・触覚

 エキスプローラーやスケーラーなどで、根面の状態を感じ取る

・視覚

 SRP前は歯石やプラーク、肉芽が血液と共にでてくるため赤黒いドロっとしたものだがSRPが

 進むにつれて明るい赤色のサラッとした浸出液に変わる

・聴覚

 SRPが進むにつれてだんだんと高い音に変わる

②SRP後の再評価

 少なくとも2週間、できれば1ヶ月程度あけてプロービング値、付着レベル、プロービング時の出血

 をSRP前と比較する

<SRPのポイント>

1.術前診査でポケットの深さや形態、歯石の沈着量などを把握して器具を選択する

(例)・歯肉が薄い→ブレードの幅の狭くなったキュレット

   ・歯石の量が多い、歯石が硬い

    →エアスケーラーや超音波スケーラーの多用

     ブレードの幅の広いキュレット

     シャンクの太いキュレット

   ・ポケットが深い

   →シャンクが長いキュレット

     チップが長くて細い超音波スケーラー

   ・時間が限られている

    →エアスケーラー、超音波スケーラーの多用

2.解剖学的な歯根の形態を知っておく

3.スケーラーのメインテナンスをおこなう 

<感想>

SRPを行う目的には細菌に対するものと根面に対するものがあることが分かりました。SRPを行う

時には、患者さんの口腔内や検査の結果を見てその人にあった器具を選べれるようしたいです。

また、歯根の形態を知っておくことと合わせてそれぞれの歯の形態を知っておくことで患者さんへの

ブラッシング指導をする時にも分かりやすく伝えれると思うのでもう一度しっかりと勉強しておきたい

と思いました。

                                     衛生士 松本

  2015/08/30   ふくだ歯科
タグ:SRP

「ひとことじゃいえないモチベーション」を読んで

DHとして自立するために

患者さんを知るー患者さんから知る

  1.患者さんの何を知る?

問診票を見れば来院の主訴は書いてある。

口腔内を見れば痛そうな歯や歯肉の状態が見える。

年齢や職業はもちろん、保険証を見れば家族構成も分かります。

この上患者さんの何を知る必要があるのか?

知る必要があるのは、疾病に対する情報だけではなく患者さんの気持ちや 疾病が起こった原因となる

患者さんの生活や環境であり患者さん自身である。

2.なぜ患者さんを知る必要があるのか?

患者さんに応じた治療を考えるには、患歯や歯周組織だけを見るのではなく 患者さんの気持ちや生活、

真の希望を聞き取り患者さん自身を知る必要がある。

3.誰が患者さんを知るのか?

私たち医療人が患者さんを知ると同時に患者さんが自分自身を知る事

「患者さんを知る」ということについての3つの観点

1 口腔内の状態を知る

2 患者さんを1人の人間として知る

3 患者さんの思いや気持ちを知る

1 口腔内の状態を知る

口腔内のどこ、にどのような問題が生じているのか情報を収集できる能力を 備える必要がある。

・口腔内を観察すること

・歯周ポッケトや動揺度の測定などの歯周組織の検査を行う

・口腔内写真やX線写真などから観察

・歯の状態、歯周組織の状態、咬合の状態、プラークコントロールの状態など

2 患者さんを1人の人間として知る

患者さんの口腔だけではなく、広い視点から知ることが大切である。

・患者さんを取り巻く環境や生活習慣

・行動週間

・全身的な健康状態 などにも視点を広げる。

3患者さんの思いや気持ちを知る

・患者さん自身が、口腔内の問題に対してどのように感じているのか

・治療に対してどのような希望を持っているのか

・どのような不安を感じているのか  など

患者さんの話をよく聞き、思いや気持ちを知るということが大切。

【感想】

自分たちが見ていく患者さんたちには、1人1人口腔内の状態も生活環境も 考え方なども違います。

それぞれの患者さんを良く知ったうえでそれに合わせた太陽ができるよう 自分はまず検査等の練習、

患者さんとのコミュニケーションを 頑張っていきたいと思いました。

                                  衛生士 加藤

  2015/08/23   ふくだ歯科

「口腔がんセミナー」講習会に参加して

口腔がんとは

  口腔がんは顎顔面領域に発生する悪性腫瘍の総称である。病理組織学的に口腔がんの80%以上は扁平

上皮癌であり、その他としては小唾液腺に由来する腺系癌や、肉腫、悪性リンパ腫、転移性癌がある。

ここでは、最も頻度が高い扁平上皮癌を「口腔がん」として述べる。

1、わが国における口腔がんの罹患者数

  約7000人と予想されており、全がん(70万人)中の1~2%を占めると推定されている。

2、わが国における口腔がんの好発部位

  最も多い部位は「舌」である。

  部位別発生割合は、舌:60,0%、下顎歯肉11,7%、口腔底:9,7%、頬粘膜9,3%、

           上顎歯肉6,0%、硬口蓋3,1%と報告されている。

3、口腔がんの危険因子

  喫煙、飲酒、慢性の機械的・化学的刺激、ウイルス感染などが挙げられているが、主な危険因子と

  しては 喫煙(200種類以上の発癌物質)と飲酒(アセトアルデヒドの発癌性)が挙げられている。

  (さらに、アルコールはたばこの中の発癌物質を溶け出させる働きがある。)

4、重複がんの好発部位と発生部位

  口腔がんと重複するがんとしては、上部消化器がんや肺がんが多く、重複がんの発生頻度は11,0

  ~16,2%とされている。重複がんの60~70%は上部消化器または肺がんである。

前癌病変(局所病変)

 形態的にみて正常なものに比べて癌が発生しやすい状態に変化したもの。代表例が白板症、紅板症で

 ある。

1、白板症

  口腔粘膜に生じた摩擦によって除去できない白色の板状あるいは斑状の角化性病変で、臨床的ある

  いは病理組織的に他のいかなる疾患にも分類されない白斑。癌化率約10%。

2、紅板症(紅色肥厚症)

  臨床的、組織学的に他のいかなる疾患としても特徴づけられない鮮紅色の斑状病変で表面は平滑で

  あったり、顆粒状や小結節状を示し、正常粘膜との境界は明瞭である場合が多い。

  癌化率40~50%!!

前癌状態(全身の病気の口腔内部分症)

 明らかに癌発生の危険性が増加した一般的な状態。

 口腔扁平苔癬、口腔粘膜下線維症、円板状エリテマトーデス、色素性乾皮症、光線口唇炎、表皮水疱

 症、先天 性異角化症、前癌性メラノーシス、鉄欠乏性貧血がある。

1、扁平苔癬

 一般的に口腔粘膜に発症するが皮膚に生じる場合もある。角化異常を伴った慢性炎症性疾患である。

 一種の自 己免疫疾患。組織的には固有層に限局した帯状の密なリンパ球浸潤が特徴。薬剤(降圧薬、

 抗精神薬など)や  金属アレルギー、C型・B型肝炎、糖尿病との関連も指摘されている。両側性に

 多発する。癌化率は2~3%。

口腔癌

 特徴 口腔癌は他の臓器の癌と比べ直視可能で、腫脹、潰瘍などの自覚症状により早期発見が可能で

    あるが、実際に患者が医療機関を訪れる時にはかなり進行している症例が多い。その理由と

    して、初期の口腔癌は 口内炎、歯周疾患、補綴装置による褥瘡性潰瘍などと類似した所見を

    示す、部位や病期により臨床像が 異なるなどにより見逃されている可能性が指摘されている。

 口腔がん検診のポイント

1)口腔癌の多くは舌、口腔底、歯肉に発生するので、これらの部位は慎重に診察する。

2)色調、表面正常の異常、腫瘤・腫脹の有無を診る。異常を認めた場合は必ず触診を行う。

3)異常を認めた場合には、その原因を探求・除去する。

4)異常が2週間以上持続する場合には、専門医療機関へ紹介する。(通常のキズは2週間で治る。)

5)検診の意義や口腔癌の兆候・症状・予防について説明・教育する。(口腔癌と皮膚癌は患者さんが

  見つけることが多い癌。)

A、舌癌

1)舌癌は舌辺縁および舌下面に腫瘍を認める。(90%が舌辺縁)

2)舌尖をガーゼで牽引すると硬結を触診しやすい。

3)歯牙の切縁など機械的刺激が誘因となることがある。

4)舌運動がおかしい場合、舌下神経への進展と考えてよい。

5)葉状乳頭や有郭乳頭を心配して来院される事が多い。

B、歯肉癌

1)歯周病や智歯周囲炎など歯性感染症との鑑別。

2)義歯床下や辺縁部の褥瘡潰瘍との鑑別が重要。

3)X線所見が重要で圧迫型と虫食い型を示す。

4)抜歯をする前に、その理由に関して留意すべき。

C、口腔底

1)口腔癌や舌下面の腫瘍は舌に隠れるので注意が必要。

2)口腔底部の粘膜は菲薄であり、潰瘍を認めることが多い。

3)唾液の流出障害を示す場合もあるが、粘膜表面が正常な場合は唾液腺癌の可能性もある。

[診察の順序]

1、口唇:赤唇をまず閉口、次いで開口させて診察する。

2、下口唇と唇溝:口を半開きにして下顎前庭を診る。

3、唇交連、頬粘膜、頬溝:ミラーを鉤として用いて大きく開口させて頬粘膜全体を唇交連より前口蓋

  弓まで診察する。

4、歯肉および歯槽突起:頬側、口蓋側、舌側から診察する。

5、舌:安静位で舌骨をさらに舌を前方に突出させてミラーあるいはガーゼで舌尖部を保持して舌縁部

  を診察。次いで舌を拳上させて舌下部を診察する。

6、口腔底:舌を拳上したままで左右と中央部の口腔底を診察する。

7、硬口蓋と軟口蓋:大きく開口して一方のミラーで舌根部を適度に圧迫して硬口蓋、次いで軟口蓋を

  診察する。

(感想)

1か月に一度メンテナンスに通われている患者さんだと歯ばかりに目がいって、口内炎など患者さんが

言い 出さない限り粘膜をきちんと見ていないことがあります。癌なんかないだろうとという先入観が

発見を遅ら せるのだと思います。講演会の最後に助教の岸本先生が「直感が大事。いつもの歯周病と

なんか違うと思う ことが大事!」とおっしゃられていました。そのためには通常の粘膜をよく見ていな

ければなりません。気を ひきしめていこうと思います。

                                     歯科医師 太田       

  2015/08/14   ふくだ歯科
タグ:口腔がん

「わかりやすいドライマウスのおはなし」講習会に参加して

ドライマウス=口腔乾燥症

  唾液の分泌量の減少や質の変化により口腔内が乾燥する状態

◇分類◇

  ①唾液腺自体の機能障害によるもの

   ・シェーグレン症候群  1999年改訂の本邦の判断基準を満たすもの

            ・自己免疫疾患

            ・涙腺の涙分泌、唾液腺の唾液分泌を障害

            ・40~60歳の中年女性に好発

               ・男女比は1対14

   ・放射線性口腔乾燥症 放射線治療あるいは被爆の既往がある

   ・加齢性口腔乾燥症 年齢が80歳以上

   ・移植片対宿主病(GVHD)  血液幹細胞あるいは臓器移植後のGVHDと診断されたもの

      ・サルコイドーシス  サルコイドーシスと診断されたもの

      ・後天性免疫不全症候群(AIDS)  AIDSと診断されたもの

      ・悪性リンパ腫  悪性リンパ腫と診断されたもの

      ・特発性口腔乾燥症  上記のいずれにも該当せず、原因が特定できなかったもの

     ②神経性あるいは薬物性のもの

   ・神経性口腔乾燥症

    恐怖、興奮、ストレス、抑うつなどの精神状態、脳炎、脳腫瘍、脳外傷などの中枢性病変、顔面

   神経上唾液核や顔面神経分泌枝の障害などの唾液分泌の神経系の障害などがある

  ・薬物性口腔乾燥症

   向精神薬、抗不安薬、抗うつ薬、抗コリン鎮痙薬、制吐薬、抗ヒスタミン薬、降圧薬、利尿薬

   などを服用している

  ③全身謝性あるいは蒸発性のもの

     ・全身謝性口腔乾燥症

        熱性疾患、発汗過多、脱水症、下痢、尿崩症、糖尿病、甲状腺機能亢進症、心不全、腎機能

          不全、貧血、過度のアルコール飲用、過度の喫煙など

      ・蒸発性口腔乾燥症

        口呼吸(副鼻腔炎や習慣性など)、過呼吸、開口、摂食嚥下障害などを有し、口腔の環境変化に

          よる水分蒸発といった局所的代謝異常がある 自覚的ならびに他覚的口腔乾燥症状がある 唾液分泌

          量の減少あるいは唾液腺機能低下がない

 ◇唾液量検査◇

    ①安静時唾液検査

      咀嚼せず安静な状態で、自然に流出する唾液を採取  15分間行い、1.5ml以下を分泌低下の目安と

        する

    ②ガムテスト

      無味のガムを10分間噛み、分泌された唾液を集め測定する  集めた唾液量が10ml以下であると

         唾液分泌の低下と判定

    ③サクソンテスト

      乾燥したガーゼを2分間噛み、ガーゼに吸収される唾液の重量を測定  ガーゼの重量増加が2g

        以下の場合、唾液分泌の低下と判定

 ◇治療法◇

    ①原因疾患の治療

    ②水分の補給

    ③蒸発の防止…加湿器やマスクの使用

    ④薬物療法

    ⑤粘膜の保湿

    ⑥オーラルリハビリテーション

    ⑦生活改善の誘導

〈感想・まとめ〉

  岡山大学歯学部同窓会卒後研修会に参加し、ドライマウスセミナーを受けました。歯科衛生士を対象

 としたセミナーとのことで、内容も分かりやすく、今までよりもさらに深い知識を学ぶことができたと

  思います。

  最近ではテレビでドライマウスについて特集されることが多く、一般の方でも耳にする機会が増えて

  います。私たち医療従事者も一度のセミナーで満足することなく、定期的に知識を学び、常に新しい

  情報を提供するよう努力が必要だと感じました。

                                                                                                                              衛生士  関口

  2015/07/15   ふくだ歯科

「デンタルフロスは本当に必要ですか?」について、勉強会で発表して

デンタルフロスの普及率の低さ

  欧米(口腔疾患予防先進国)

   口腔疾患好発部位のデンタルプラークに対抗する重要な予防手段の一つとしてデン タルフロスが

   推奨されている。

  日本

   プラークコントロールの指導はTBI(Tooth Brushing Instruction)が中心であり、歯間部や歯頸部

   が効果的に清掃する手段を伝えていないということは多くの専門家 が指摘している。

       日本におけるデンタルフロスの普及率の低さは、フロッシングをすることの煩わしさや、歯科

    医療職がデンタルフロスについて患者さんの疑問を解消するだけの 説明をしていないことが

    一因かもしれない。

 デンタルフロスは本当に必要か?

  デンタルフロスの清掃効果についての研究(American Academy of Periodontology)

    A 歯と舌のブラッシング+フロッシング

    B 歯と舌のブラッシングのみ

          ↓

    歯周疾患と関連して細菌について比較

   結果:A 38%有意に歯肉出血が減少し、さらに口臭も有意に低下した。

      B 歯肉の出血部位が約4%増加し、歯周疾患に関連する細菌が多く認められた。

     歯周病や隣接面カリエスの原因となる歯と歯肉の間および歯間部のプラークを 除去すること

     の重要性は明白であり、ブラッシングに加えてフロッシングを行う ことは日々のセルフケア

     に必要不可欠であることが示唆される。

 フロッシングを行わない言いわけ

   ① 「私の指が大きすぎてフロッシングができない。私の手や指は器用ではない」

     ⇒ホルダーつきのデンタルフロスなどの使用をお勧めする。

   ② 「デンタルフロスでポケットのより深い部位にプラークを押し入れてしまいそう」

     ⇒フロッシングのおもな目的は、」歯間に形成されている目に見えないバイオフィ ルムを

      除去すること。フロッシングをすることにより、隣接面を中心とした歯面 の約30%が除去

      され、これによりプラークが押し込まれることはありません。

   ③ 「歯ぐきから出血するので嫌だ!」

     ⇒適切な方法でフロッシングを行ったとき歯肉から出血するのは、不適切なセルフ ケアの

      ために起こった歯肉炎の徴候かもしれません。これは、専門的クリーニン グとデンタル

      フロスを含めた適切なセルフケアにより改善します。

     ④ 「年に2回専門的なクリーニングを受けているので必要ない」

          ⇒プラークは毎日蓄積されるものなので、専門的なクリーニングだけでは間に合い ません。

     毎日の適切なセルフケアにより、歯石の沈着も最小限にすることができ ます。

   ⑤ 「ブラッシングとフロッシングに時間がかかりすぎる!」

     ⇒徹底的に行っても所要時間は約10分程度です。これは、ひげ剃りやお化粧にか かる時間

     よりずっと少ないはずです。

   ⑥ 「フロッシングによって、歯ぐきに損傷を与えるのが怖い」

     ⇒歯肉を傷つけないためにも、 正しいデンタルフロスの 使い方を学びましょう。 ただし、

      歯間空隙が 大きい場合は、 歯周病予防の観点からも 歯間ブラシのほうが 好ましいという

      報告も あります。

感想   

 フロッシングをした方が口腔衛生的 にもよいとわかっていても、何かと 理由をつけて、しない場合

 があります。 患者さんの「できない」「しない」ことの 状況をくんで、「できる」きっかけを 作れ

 ればよいと思います。    

                                  衛生士  赤木

  2015/06/21   ふくだ歯科

「インプラント部の歯肉縁下をイメージ」について、勉強会で発表して

インプラントの種類・システム、埋入位置の把握

1. 植立位置によるサブジンジバルカンテゥアの違い

  左右に競り出した形態は清掃が難しく炎症を起こしやすい。顕著な炎症がある場合は、

  プロフェッショナルケアを行う。炎症が頻発する場合は、

  ・上部構造を外して清掃

  ・外科処置

  ・上部構造を再製

① X線写真から確認する…近遠心のみ

② CT像から確認する…近遠心、頬舌的

③ アシスタント時や、歯肉つき模型から確認する…近遠心的、頬舌的

 プロービングについて

 ・インプラントの場合、深さを測るためというよりはプラークを探る目的で使用する。

 ・サブジンジバルカンテゥアが左右に広がった形態のものがほとんどでプローブは入らないことが

  多い。

 ・天然歯にあるセメント質が存在せず、コラーゲン線維モインプラントと平行に走行し ているため、

  強い力がかかれば簡単に骨までプローブが到達してしまう。

 ・上部構造がジルコニアのものは上皮性付着ができていることもある。

  →プロービングで破壊してしまう可能性があるため、よっぽど歯肉の炎症があったり、レントゲン

   から骨吸収が顕著に起こっている時以外は深さを測定するプロービング は行わない。

 感想

  今までインプラントが入っている患者さんがいらっしゃても普通の天然歯のように メインテナンス

  することが多かったですが、今回の勉強を通してインプラントと天然 歯ではまったくの別物である

  ということがよくわかりました。プラービングだけでも すごく注意しないと、逆に悪くなる原因に

  なってしまうということがよくわかりまし た。

                                歯科医師 太田

  2015/06/17   ふくだ歯科

H.26年度 歯科医療安全研修会・HIV医療講習会に参加して

HIV医療講習会講演「歯科診療時の院内感染対策」 則安俊昭先生

歯科診療時の院内感染対策

 一般的な感染経路(進入経路)

  経口(食中毒、糞口感染)

   感染性胃腸炎、腸管出血性大腸菌感染症、赤痢、アメーバ赤痢、A型感染症 など

  経気道

   麻しん、インフルエンザ、結核、感冒 など

  粘膜

   流行性結核炎、りん病、梅毒、性器クラミジア、(エイズ(HIV)、B・C型肝炎)など

  創傷(血液感染)←→皮膚は強力なバリア

   エイズ(HIV)、B・C型肝炎 など…なんでも

  スタンダードプリコーション(標準予防策)

   湿性生体物質(血液・体液〔汗は除く〕・分泌物排泄物)、粘膜、損傷のある皮膚は、何らかの

   病原体を持っている可能性があることを前提に行う予防策

     標準的な予防策

    1.「1ケア1手洗い(ウォッシュ)、「ケア前後の手洗い」

      ・汚れがあれば、流水と(液体)石けん

      ・汚れがなければ、擦式アルコールで手指消毒

      <禁止> ・ベースン法(浸漬法、溜まり水) ・共用タオル

    2.防護用品:手袋、エプロン、ガウン、マスク等、汚染の可能性に応じて

            3.針刺し、切創事故防止(医療従事者の感染防止)

                       リキャップ禁止、直ちに廃棄ボックスへ

                           (どうしてもリキャップしなければいけない時は片手法で)

            4.従事者自身も感染源

                       鼻腔、咽頭、創部にはMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)が存在

                       指輪、腕時計、爪、マニキュア…

                       咳エチケット(必要に応じマスク着用)

                            →※咳・くしゃみの際はティッシュなどで口と鼻を押さえ、他の人から顔をそむけ

                                   1m以上離れる。

                                ※鼻汁・痰などを含んだティッシュをすぐに蓋付きのごみ箱に捨てられる環境を

                                    整える。

                                ※咳をしている人にマスクの着用を促す。

                                    咳をしている場合、周りの方にうつさないために、マスクを着用する。

                                ※マスクの使用は説明書を読んで、正しく着用する。

              5.環境の清浄化

                         汚染は速やかに除去

                         床よりも高頻度接触部位の消毒(撤去)…ベッド柵、ドアノブ、手すり、のれん等

              6.異変を早期に察知して対策を

                         2週間以上の咳…結核を意識

                          発熱、嘔吐、下痢患者の多発など(入院施設院内感染など)

   B型・C型肝炎ウィルス(=感染力強い)の感染経路

     ●血液感染

     ◇注射針・注射器を肝炎ウィルスに感染している人と共用

       …麻薬・刺青・歯科処置等において滅菌不十分な場合

     ◇血液を傷のある手で触ったり、針刺し事故を起こした場合

     ◇歯ブラシ・ひげそりの共用 ◇B型肝炎ウィルスに感染している人と性交渉をもった場合

               ◇B型肝炎ウィルスに感染している母親から生まれた子に対して適切な母子感染予防措置を

                   講じなかった場合(ワクチン接種などで防げる)

               ※日常生活でうつることはまずありません。

           エイズ 後天性免疫不全症候群

     HIV(人免疫不全ウィルス)が、免疫のしくみの中心であるヘルパーTリンパ球

             (CD4細胞)という白血球に感染し、次第に免疫を破壊する。

                自覚症状のない時期(無症候期)が数年続き、その後、免疫が低下してしまうと、本来なら

                自分の力で抑えることのできる病気(日和見感染や悪性新生物など)を、発症するように

                なる。 HIVは、感染力の弱いウィルスです。

              【感染経路】

                     ◆性行為…HIVは主に血液や精液、膣分泌液に多く含まれ、感染者の血液・精液・膣分

                                       泌液から、その性行為の相手の性器や肛門、口などの粘膜や傷口を通って感染

                                       する。 コンドームの正しい使用は、予防に有効な手段。

                     ◆血液感染…針刺し事故、“回しうち”による注射器具の共用など

                     ◆母子感染…HIV治療薬の服用や母乳を与えないことで、予防可能

                                        (感染を1%以下に)

                      ※性感染症(クラミジアなど)を発症しているとエイズにかかりやすくなる。

まとめ

  感染力や感染経路をよく理解して正しく警戒する。

  恐れすぎず、侮らずやるべきことを確実に行う。

 みんな一人ひとりがかけがえのない人。

  感染症はその人の付帯状況であり、人格を尊重し、正しく対応すべき。

      ↓

 プロとして正しい知識と適切な対応を。

  ※診療拒否が起こらないようにすべき

  ※B型肝炎ウィルス、HIVを完全に排除することは出来ない

     ※感染力…HBV>HIV

【感想・まとめ】

 今回のこの講習会の話から、改めて自分の考えや気持ちを調整することが出来たように思います。

 もちろん知っていることや医院として行なっていることも多くありましたが、段々と“慣れ”から見え

 なくなっている部分もあると思いますので、自分が今までどう考え、どのように行なってきたかを

 振り返るきっかけになったと思います。感染しないこと、感染させないことに十分気を付ける必要は

 ありますが、過度に恐れることなく、日々の診療を行なっていけたらと思いました。

                                      衛生士 河本

  2015/06/03   ふくだ歯科