スタッフレポート

品田先生

「患者さんとの関わりから学んだ歯科衛生士の役割」品田和美先生の講演会に参加して②

講演の後半では患者さんから学ぶことについてお話をされていました。

<プラークの付着状況を読む>

・セルフケアの状態

・糖分摂取や間食回数の増加、のど飴の常用

・よく噛めないことや唾液の量の減少による自浄性の低下

・口腔乾燥

 花粉症などの薬の影響によるものや、鼻疾患による口呼吸などによるもの

・手や肩などの痛みやけがなどで磨きにくい

<歯肉の状態と性状を読む>

セルフケアの情報や体調の変化が読み取れる

①歯肉に炎症がある場合

 そこにはプラークの存在があることが多いので、なぜなのか原因を確認する

②歯肉に外傷がある場合

 なぜ傷ができたのか原因を探る

③歯肉の形や硬さ

 歯に過度な力の負担がないか、歯肉肥大を誘発する薬の服用がないか確認

④全身状態を確認する

 全身疾患や内服薬、加齢による体力・気力の低下を推測する

<メインテナンスにおけるプロービング>

①歯肉辺縁部からの出血

→セルフケアの再確認が必要

②PDの深化・ポケット底部からの出血

→疾患が活動期にあり、進行する可能性が高いので処置が必要

 原因:プラークコントロールの低下

    歯肉縁下の沈着物

    咬合性外傷

    セメント質剥離

    歯根破折

    全身疾患や抵抗力の低下

<臨床経過から考えるメインテナンスが良好に経過する人、しない人>

・う蝕や歯周病の罹患度、残存歯数

・口腔内の特徴

 歯牙、歯列、付着歯肉の幅、顎骨、顎関節、

    口腔内を取り囲む筋肉、唾液の量や質

・理解度、協力度、性格

・リスク

 全身疾患、喫煙、悪臭癖(ブラキシズムなど)、年齢

感想

品田先生のお話を聞いている中で「臨床において一番大切なことは誠実に、正直に、患者さんと向き

合うこと」という言葉が印象に残っています。少しずつメインテナンスをさせていただく機会が増えて

いますが、これからも続けて来院していただけるようにもっと知識と技術を磨き患者さんを理解して

そのときの状況に合った対応が出来るように頑張りたいと思いました。

                                                           衛生士 松本    

  2015/11/08   ふくだ歯科
タグ:品田先生

「患者さんとの関わりから学んだ歯科衛生士の役割」品田和美先生の講演会に参加して①

◎長期にわたって患者様と関わっていくには理解と診査が必要

〈理解〉

→患者さんを理解するために必要な視点・知識はコレ!

人:年齢 性別 性格 職業 全身の状態 食生活 睡眠 悩み ストレス 趣味

口腔:粘膜 舌 口蓋 口唇 唾液 プラーク

歯列:歯並び 咬合関係 残存歯の配置

歯・歯周組織:歯の解剖学的形態 歯周組織の状態 歯周病の状態

〈口腔内の病態の把握必要な診査〉

歯周治療では診査→処置→再評価→処置を行う。

「変化」を知るために記録が不可欠となる。

◎歯周組織の診査項目

①プロービング

②動揺度

③根分岐部病変の有無

④歯肉の状態・性状(付着歯肉の幅・退縮・小帯の位置異常)

◎診査資料

①X線写真

②スタディモデル(研究用模型)

③口腔内写真

その中でもプロービングとX線写真について 少し詳しくお話されていました。

プロービングで知りたいこと

・プロービングデプス 過去に起きた歯周組織の破壊の状態

・BOPの有無(現在の炎症状態)

 辺縁からの出血の有無 ポケット底部からの出血

・歯根の状態 歯の状態(傾斜)

・歯石の存在

・根分岐分病変の進行

X線を読む

X線から読めることは

・エナメル質 象牙質 セメント質 歯髄 歯根 歯根膜腔 歯槽硬線 骨梁 歯肉

・歯槽骨の吸収の程度

・歯周病のタイプ(垂直性 水平性骨吸収)

 垂直性骨吸収がある場合は咬合力がかかっている場合や食片圧入などがある 場合が多い。

・歯槽硬線の有無と幅

・歯根膜腔の幅

 歯根膜腔の拡大は、その歯にとって過度な力が加わっている。

・骨梁の状態  を見ることが重要

感想

品田先生のお話を長期症例の画像を見ながら聞かせていただきました。

プロービングをしたりX線を読むことで自分が思っていた以上の情報が知れることに驚きました。

まだ1人の患者さんを担当するということはできていませんが、患者さんを理解し、又患者さんの口腔

の状態をきちんと把握してそれにあった対応ができるように知識や技術などを身につけていけれるよう

頑張りたいと思いました。

                                    衛生士 加藤

  2015/11/01   ふくだ歯科
タグ:品田先生