「中高年女性は口臭に注意」について、勉強会で発表して
日本人の9割の人が自分の口臭を気にしたことがある中で女性は男性よりも2倍臭いという結果出て
いる。 それは女性ホルモンのせいである。 女性には人生3タイミングで口臭の危機がやってくる
① 思春期
② 妊娠・出産
③ 更年期
女性ホルモンがP.intermediaの発育素であることため、女性の思春期や妊娠時にP,intermediaが歯周局所
で爆発的に増加することが影響されている。
今、さらに口臭を悪化させているのは、スマートフォンである。 その原因は姿勢にある。上方向や真正
面を見ているときは歯や舌は動かせるが、スマートフォンなどで下を見ているときは、歯はがっちりと
かみ合い、舌も動かしにくい。そのため口腔機能が低下し、唾液の流れが止まるのである。
『質と流れを良く、清流のようにきれいな唾液を』
口腔機能を向上させるためには乾燥させた昆布がいいと言われている。 1×2cmに切った昆布を口の中
に入れておくと唾液分泌が促進する。 その理由はまず、口腔内に入ったとき異物とみられるため、
生理的に排除するために唾液が出てくる。 その他にも昆布にはメリットがある。
① グルタミン酸(うまみ刺激)
唾液の分泌量を増やすには、レモンなどの酸味が有効だが、乾いて荒れた口腔内には刺激が強す
ぎる。その点、うまみは口当たりがマイルドなだけでなく、5つの基本味の中で最も分泌量を増加
させ、かつ持続時間も長かったのがうまみ(グルタミン酸)刺激であった。その効果は20分以上で、
酸味刺激よりも長続きした。
② 葉緑素(クロロフィル)
植物細胞に含まれる光合成色素のことで、これには殺菌効果がある。
③ アルギン酸
保湿に効果がある
昆布は価格が安いほうが硬くて溶けにくく長持ちする。
その他にもガムが効果的で、特に味がなくなったあとがポイントである。
普段→お口の中でコロコロ転がしておく。
会話するとき→上の奥歯の頬側に張り付けておく。
コロコロさせると舌が動き唾液腺を刺激するため唾液が出る。
口臭白書2019
(口臭測定スコアの基準値をオーバーした割合)
男性:8.3%
女性:17.9% (男性の2倍以上)
その中でも年齢層別にみると
中高齢男性:9.3% に対し
若年女性:11.5%
中高齢女性:24.1%(4人に1人) という結果が出ている。
歯科医院に3か月に一回通っている人は15.9%に対し1年以上通っていない人は65.9%である。
セルフケア意識は高まっているが、口臭測定の基準をオーバーした人は少なくない。
この結果からセルフケアを頑張っても口臭には必ずしも影響はしていないと考えられる。セルフケアにも限界があるため、歯科医院に通うことの大切さを伝えていきたい。
《感想》
最近の口臭悪化の新しい原因に、とても身近なスマートフォンが問題にあげられていることを初めて
知りました。私たちは患者さんの磨き方の癖や現状を伝え、自分自身の課題を把握していただくのが
理想だと感じました。
衛生士 藤元