お薬手帳について、勉強会で発表して
●「出すとソン」から「出すとお得」に
2014年の診療報酬改定で薬局の薬剤服用歴管理指導料が 「手帳あり」41点 「なし」34点に
設定され、「あり」が20円(3割負担の場合)負担高となった。
2016年度診療報酬改定による薬歴管理料の変更で 「手帳あり」38点 「なし」50点
「手帳なし」の場合に3割負担で40円高くなるように改められた。
*初回時は「ある」「なし」に関係なくすべて50点で、次回(6ヶ月以内)来局時 からしか適応
されないなど、38点になるにはいくつかの条件がある。
●阪神大震災の教訓から生まれたお薬手帳
・元々 お薬手帳は一部地域の薬局が試行的にはじめた。
・1995年 阪神淡路大震災で医師や薬剤師の支援活動に支障が出たケースが多々あり、災害時にも
安全に服薬を継続できるようにと、一部医療機関や薬局がサービスの一 環としてお薬手帳の配付
を始めた。
・2011年「薬剤情報提供料」として調剤報酬に盛り込まれた。
●180度の方向転換の理由
お薬手帳は患者、医療関係者にとって重要な情報源
↓
お薬手帳の普及を図るため、「出したほうが得になる」点数設定に変えた。
2016年度改定では、患者の服用薬を一元的・継続的に一カ所の薬局で管理する「かかりつけ薬剤師」
制度を新設した。
●「電子お薬手帳」もスタート
2016年度の改定で、電子お薬手帳も紙媒体と同様に認められた。
電子お薬手帳の概要
主なメリット
・災害時などでもクラウド上にデータが残されており、紛失リスクが防げる
・携帯性が高く、持参忘れを防げる
・紙のお薬手帳に比べ、情報量が圧倒的に多い
・双方向のやり取りが可能である
主なデメリット
・閲覧に充電や電波が必要
・高齢者など、スマートフォンを使えない患者さんも少なくなく、普及に課題
・患者情報のセキュリティ対策への懸念
●歯科医院でもお薬手帳の確認を
歯科医院でも「他にどんな治療を受けているか、どんな薬を飲んでいるか」を 聞き出すことが重要
です。
また、お薬手帳も必ず持参してもらい、他の服用薬の 有無をチェックする。
最後に、今回お薬手帳の成り立ちや重要性が理解でき良かったと思います。
患者さんはお薬手帳の他にも病気や状態に特化した手帳をお持ちの場合もあるので、確認をしていく
ことも忘れてはいけないと思いました。
衛生士 赤木