スタッフレポート

2024年9月

歯周病(病因)について、勉強会で発表して

1.歯周病の主原因

歯周病の主原因はバイオフィルム(プラーク)。

バイオフィルム形成を促進する因子には、

(1)歯石

(2)不適合修復物

(3)義歯

(4)矯正装置

(5)歯列不正

(6)食片圧入

などがある。

2. バイオフィルムの病原性を左右するもの 

バイオフィルムの病原性は、磨き残しの量より質(細菌種)で決まる。

悪玉歯周病菌のいないバイオフィルムは、大量に沈着していても病原性はあまり高くはない。

3. 歯周病の原因菌

歯周病の原因菌は、レッドコンプレックスと呼ばれるP.gingivalis、Tannerella forsythia、Treponema

denticola の3菌種。

この3菌種は互いに栄養共生関係にあるため、3菌種が揃うと、それぞれがより強い歯周病原性を発揮

するようになる。中でももっとも歯周病原性が高いのはP.gingivalisであることが報告されている。

4.歯周病の感染時期

Tannerella forsythiaとTreponema denticolaは小中高生の頃に、P.gingivalisは18歳以降に感染する。

そして、個人それぞれの口腔細菌叢は20歳代後半に完成すると推測されている。

口腔細菌叢が完成してもバイオフィルムの病原性と歯周組織の抵抗力の間には均衡が保たれ、

共生関係が存在しているが、口腔清掃不良や加齢などの理由で、その共生関係が破綻したときに

歯周病が発症する。

5.歯周病の部位特異性

歯周病菌は唾液によって、すべての歯の歯周組織に感染するため部位特異性はない。

6.歯周病の発症・進行を左右する原因

1990年頃には歯周病の発症・進行を左右する原因は個人が持つ歯周組織の抵抗力であるとされていた

が、現在はバイオフィルムの病原性の変化で発症するといわれている。 バイオフィルムの病原性は

歯周ポケットの状態によって変わり、特に、ポケットから出血があるとき、バイオフィルムは高い

病原性をもつようになり、歯周病は進行する。

感想

今回歯周病の病因論についてまとめていく中で、歯周病について新しく知ることが出来たり、もともと

あった知識はさらに深めることができ良かったと思いました。

メインテナンス時に、適切な患者指導ができるためにも歯周病に関する知識は必要になってくると思う

ので、今後も歯周病について学んでいきたいと思います。                                       

                         衛生士 出射

  2024/09/26   ふくだ歯科
タグ:歯周病