スタッフレポート

2020年1月

「中高年女性は口臭に注意」について、勉強会で発表して

日本人の9割の人が自分の口臭を気にしたことがある中で女性は男性よりも2倍臭いという結果出て

いる。 それは女性ホルモンのせいである。 女性には人生3タイミングで口臭の危機がやってくる

① 思春期

② 妊娠・出産

③ 更年期

女性ホルモンがP.intermediaの発育素であることため、女性の思春期や妊娠時にP,intermediaが歯周局所

で爆発的に増加することが影響されている。

今、さらに口臭を悪化させているのは、スマートフォンである。 その原因は姿勢にある。上方向や真正

面を見ているときは歯や舌は動かせるが、スマートフォンなどで下を見ているときは、歯はがっちりと

かみ合い、舌も動かしにくい。そのため口腔機能が低下し、唾液の流れが止まるのである。

『質と流れを良く、清流のようにきれいな唾液を』

口腔機能を向上させるためには乾燥させた昆布がいいと言われている。 1×2cmに切った昆布を口の中

に入れておくと唾液分泌が促進する。 その理由はまず、口腔内に入ったとき異物とみられるため、

生理的に排除するために唾液が出てくる。 その他にも昆布にはメリットがある。

① グルタミン酸(うまみ刺激)

     唾液の分泌量を増やすには、レモンなどの酸味が有効だが、乾いて荒れた口腔内には刺激が強す

     ぎる。その点、うまみは口当たりがマイルドなだけでなく、5つの基本味の中で最も分泌量を増加

     させ、かつ持続時間も長かったのがうまみ(グルタミン酸)刺激であった。その効果は20分以上で、

     酸味刺激よりも長続きした。

② 葉緑素(クロロフィル)

     植物細胞に含まれる光合成色素のことで、これには殺菌効果がある。

③ アルギン酸

     保湿に効果がある

昆布は価格が安いほうが硬くて溶けにくく長持ちする。

その他にもガムが効果的で、特に味がなくなったあとがポイントである。

普段→お口の中でコロコロ転がしておく。

会話するとき→上の奥歯の頬側に張り付けておく。

コロコロさせると舌が動き唾液腺を刺激するため唾液が出る。

口臭白書2019

(口臭測定スコアの基準値をオーバーした割合)

男性:8.3%

女性:17.9% (男性の2倍以上)

その中でも年齢層別にみると

中高齢男性:9.3% に対し

若年女性:11.5%

中高齢女性:24.1%(4人に1人) という結果が出ている。

歯科医院に3か月に一回通っている人は15.9%に対し1年以上通っていない人は65.9%である。

セルフケア意識は高まっているが、口臭測定の基準をオーバーした人は少なくない。

この結果からセルフケアを頑張っても口臭には必ずしも影響はしていないと考えられる。セルフケアにも限界があるため、歯科医院に通うことの大切さを伝えていきたい。

 

《感想》

最近の口臭悪化の新しい原因に、とても身近なスマートフォンが問題にあげられていることを初めて

知りました。私たちは患者さんの磨き方の癖や現状を伝え、自分自身の課題を把握していただくのが

理想だと感じました。

                        衛生士 藤元

  2020/01/26   ふくだ歯科
タグ:口臭

「そのお薬、歯科治療に影響があります」について、勉強会で発表して

1. 飲んでいる薬が歯科治療にも関係することをつねに伝えよう

    患者さんの中には「自分が飲んでいる薬は歯科治療に関係ない」と思って問診票に書いていない方も

    います。また治療の途中から服薬を始めたという方、逆に病気が改善して服薬をやめたということも

    あるかもしれません。薬を服用しているにもかかわらず、そのことを知らないまま治療をすると、

    治療に支障をきたしたり患者さんの体に重大な影響を及ぼしたりすることがあります。患者さんとの

    会話や言動から体調の変化に気づいたら声を掛け、薬の服用の有無を確認しましょう。いちばん大事

    なのは、飲んでいるお薬が歯科治療にも関係することを日頃から患者さんに伝えておくことです。

 

2. 注意したい薬

   ① 抗血栓薬・・・血液を固まりにくくし、血栓で血管がつまるのを防ぐ薬。出血が止まらなくなる点に

                           注意。

          こんな人が飲んでいるかも                                                       

           ・狭心症や心筋梗塞の予防をしている

           ・脳梗塞を起こしたことがある

           ・冠動脈ステント治療を受けたことがある

     特にこの前には注意

           ・抜歯

           ・インプラント埋入

           ・歯周外科処置

           ・縁下でのスケーリング                     

    ② ビスフォスフォネート製剤‥・骨を増やして骨折の予防に使う薬。長期間服用している人は顎骨

                                                         壊死のリスクも。

          こんな人が飲んでいるかも 

          ・骨粗鬆症の予防をしている

          ・骨ページェット病の治療をしている

          ・骨折したことがある

          ・ステロイド治療をしている

        特にこの前には注意

          ・抜歯        

          ・骨隆起の切除術 ・インプラント埋入  

          ・骨縁下ポケットのSRP

          ・歯根端切除術

          ・歯周外科処置  

    ③ 抗てんかん薬・・・脳の興奮を抑えて、てんかんの発作を防ぐ薬。副作用で歯肉の増殖を招く。

          こんな人が飲んでいるかも

          ・てんかんの治療をしている

         *覚えておこう*

            ・歯肉増殖の予防と治療 フェニトインの長期服用による歯肉増殖は、炎症症状に乏しいのが特徴

             です。しかし、口腔の清掃状態が悪いと、歯肉は赤味を増し、炎症症状が生じてきますので

             よく注意してください。歯肉増殖は必ず歯のあるところに発症します。不適合の歯冠修復物や

             う蝕、歯石の沈着など、歯肉に刺激が加わらないように治療することが大切で、場合によって

             は、歯肉切除術を行う場合もあります。

     ④ カルシウム拮抗薬・・・血管の壁の収縮を抑えて血管を広げ、血圧を下げる薬。副作用で歯肉の増殖

                                            を招く。

            こんな人が飲んでいるかも

            ・高血圧の治療をしている

            ・虚血性心疾患の予防をしている

           *覚えておこう*

              ・Ca拮抗薬の中でもジヒドロピリジン系に注意

                降圧薬の中でもCa拮抗薬を選択する症例は多く、ニフェジピンやアムロジピンなどのジヒド

                ロピリジン系Ca拮抗薬は、その代表的な薬剤です。この両薬剤の副作用として、血管の拡張

                に起因する頭痛や、顔面紅潮、浮腫のほか、歯肉増殖があります。

 

〈まとめ〉

患者さんの方からこんな薬を飲むようになったなどと積極的に伝えてくださる方は多くはありません

が、診療中の会話の中では「最近入院した」とか「薬が増えて大変」などいろいろな情報を得られることが

あります。安全に歯科治療を受けていただくためにも、定期的な問診票の確認や、会話の中での情報を

元に患者さんの服薬状況を把握できるようにしていきたいと思いました。

                        衛生士  星島

  2020/01/08   ふくだ歯科
タグ:薬の影響