スタッフレポート

2019年3月

「乳酸菌タブレットとキシリトールとの違い」について、勉強会で発表して

◎乳酸菌は、ミュータンス菌の増殖を抑制し、キシリトールは、酸を作るなどのミュータンス菌の活動

   を弱めるという違いがあります

 

キシリトール・・・ミュータンス菌が分解できないため、摂ることで菌による酸の産生が抑え

         られます。栄養源にもならないため、ミュータンス菌自体の活動も弱められます

乳酸菌・・・酸やバクテリオシン(類縁菌に対して抗菌活性をもつタンパク質やペプチド)を産生する

      ことによってミュータンス菌の増殖を抑制し、う蝕になりにくい口腔環境を作ると考えら

      れています。

 

乳酸菌タブレットの効果

① 風邪予防効果

  シールド乳酸菌(外部からの細菌を防御してくれる森永乳業が保有する乳酸菌)が入ったタブレット

  を摂ることで風邪予防効果があるタブレット。

② 歯周病や虫歯予防効果

  乳酸菌LS1の入ったタブレット。

  口の中の善玉菌や悪玉菌に働きかける事で、歯周病予防や虫歯予防に効果があります。

     乳酸菌LS1・・・口腔内の細菌に働きかける乳酸菌

     口腔内には100億を超える無数の細菌が住み着いています。

     この細菌は腸内フローラ同様、口腔内フローラを形成しています。口腔内にも善玉菌と悪玉菌が

     あり、悪玉菌が歯周病や虫歯を引き起こす原因になります。乳酸菌LS1はこの口腔内悪玉菌に働き

     かける事で悪玉菌を減少させ、善玉菌を優位にする乳酸菌です。

③ 口臭予防効果

     乳酸菌TI2711の入ったタブレット

     口腔内にいる悪玉菌の働きを抑え、悪玉菌が放つ有害物質を防ぐ効果があります。

 

 就寝前のブラッシング後に食べてもう蝕にならない?

 ブラッシングが十分にできていれば、就寝前のブラッシング後に乳酸菌タブレットを食べてもう蝕に

 ならないと考えられます。

 理由は、 

 ① 乳酸菌が作用するのは基本的にタブレットを舐めている間であり、長時間にわたって口腔内が酸性

   の状態にはならないから。

        デンタルプラーク形成過程で取り込まれた一部の乳酸菌は長くは生きられず、他の菌と相互作用

        しながら徐々に消滅していきます。すでに出来上がった口腔フローラに外から新たに乳酸菌が

        入ってきても、なかなか定着することはできません。

   ② 甘味料としてショ糖が使用されていないから

        ショ糖の代わりにキシリトールが使用されていることがほとんどです。

        そのため、就寝中にミュータンス菌や乳酸菌による酸産生が促進されることはありません。

     *ただし、乳酸菌タブレットのう蝕予防効果とう蝕発生リスクに関する研究はキシリトールに比べて

         歴史が浅く、症例数も多くありません。特に唾液緩衝能が低い症例における影響については、

         さらなる研究が必要と思われます

 

<感想>

乳酸菌タブレットの効果について詳しく知ることができました。

最近では乳酸菌に注目されたタブレットやサプリなどが販売されています。患者さんから聞かれること

もあるかもしれないので、最低限のことには答えられるように積極的に身の回りの情報について触れて

いきたいと思います。

                             衛生士 松本

  2019/03/27   ふくだ歯科

子供の間食・食事について、勉強会で発表して

子供にお菓子を与えていいのは何歳から?

う蝕予防やおやつの目的、味覚の形成などの点も考えると3才以降が望ましい。

 

子供にお菓子を与える目的

・栄養とエネルギーの補給 幼児は消化機能が未熟で1回の食事で食べられる量が少なく1日3回の食事

 だけでは必要なエネルギー量を満たすことが難しいため。

  →3才を過ぎると1日の必須エネルギーが大人の三分の二にもなるので第4の食事としておやつが

   欠かせない。

・休息と喜びを与える。親や家族、友達とのふれあいの場になるといった広い視野からの考えもある。

 

味覚

 味覚は離乳食が始まる5か月から10歳頃までの食経験により育まれていきこの時期に与えられた

 食べ物によって味覚の好みが出てきます。

 得に離乳食スタートから3才頃までは重要な時期!

 その時期に甘いお菓子ばかり与えていると味覚への欲求がエスカレートしやすくなり野菜などの素材

 の味を「おいしい」と思えなくなり、好き嫌いが多い子どもになる可能性が高まる。

 →親がコントロールできる間に正しい食習慣を身につけることが子供の将来の健康につながる

 

市販のおやつ

1 甘みが強く、う蝕や味覚形成への影響のほか、エネルギーの過剰摂取や血糖値の急激な上昇の

  つながる

2 塩分が強く、味覚形成への影響だけではなく将来の高血圧につながる

3 油分が多く肥満の原因となる

4 体に悪影響を及ぼし発がん性の問題などもある着色料や保存料が含まれる。

 

おすすめの間食

ポイント

1 家であるもので簡単に作れるもの

2 1日3食で取り切れなかった栄養素がとれるもの

3 次の食事に影響しない量を意識する

  おにぎり(しらす、ごま、わかめなど普段の食事にあまり使わない具材)

  野菜など具沢山のサンドウィッチ 果物 蒸かしたイモ類 トウモロコシ 無糖ヨーグルト

  (ドライフルーツ、手作りジャムなどを加えるのも可)

 1日3回の食事と1~2回の間食は時間を決めることで生活リズムを整えることができます。

 運動量や体格の個人差もあるが1日に必要なエネルギー量の10%から15%が目安

 1~2歳100~150カロリー程

 3~5歳150~200カロリー程

 遅い時間や食事の直前は避ける(食事や翌日の食欲低下を招くため)

 単なる菓子類ではなく乳製品、炭水化物、果物類などを組み合わせると良い

 子供は知らず知らずのうちに親の真似をするので間食の取り方、食習慣、歯磨きの習慣など両親自身

 の生活習慣にも目を向けてみると効果的。

 

感想

子供の虫歯予防、歯周病予防は歯磨きだけではなく普段からの食習慣も大きく関係しています。子供の

口腔内の事を気にされている患者様も多いのでブラッシング、フッ素の重要性以外の面でもしっかりと

伝えていけるようにしていこうと思いました。

                              衛生士 加藤

  2019/03/17   ふくだ歯科
タグ:間食