「ブラッシング方法」について、勉強会で発表して
歯ブラシを用いたブラッシングには、口腔内の付着物の効果的な除去、歯肉マッサージなどの目的に
合わせたさまざまな方法がある。
1. 歯ブラシの毛先を使ったブラッシング方法
① 水平法
(適応)
幼児、細かい操作が困難な患者、臼歯咬合面
(特徴と留意点)
・操作が容易で、プラークの除去効果も高い。
・歯間部の清掃効果は劣るので、補助的清掃器具との併用が必要。
・強いブラッシング圧や硬い歯ブラシの使用を長期間続けると歯肉退縮や楔状欠損を起こし、
知覚過敏を併発するので注意する。
② 垂直法
(適応)
歯間空隙が大きい、歯列不正、歯間部食物残渣の除去、細かい操作が困難な患者
(特徴と留意点)
・操作が容易で歯間部の清掃が容易であるが、歯頸部の清掃効果は劣る。
・強いブラッシング圧や硬い歯ブラシの使用を長期間続けると、歯肉退縮、クレフト、
フェストゥーンや擦過傷を生じるので注意する。
③ スクラッビング法
(適応)
良好な歯肉の状態維持、軽度の歯肉炎、歯列不正、矯正装置、歯肉退縮・楔状欠損がある、
知覚過敏歯
(特徴と留意点)
・操作が容易で、歯頸部、歯間部、咬合面のプラーク除去効果が高い。
・毛先を使用したブラッシング方法として一般的によく指導されている。
・ストロークが大きくなると水平法になるので基本操作を指導時にしっかり伝える。
④ バス法
(適応)
歯肉腫脹・出血がある、痛みがある、深い歯周ポケットがある患者
(特徴と留意点)
・歯頸部や歯周ポケットのプラーク除去に効果がある。
・歯頸部に歯ブラシの毛先を当てることと振動を与える操作が難しい。
・誤った操作は歯肉を傷つけるので注意する。
・歯肉マッサージの効果が高い。
2. 歯ブラシのわき腹を使ったブラッシング方法
① スティルマン法
(適応)
歯肉腫脹、出血がある
(特徴と留意点)
・歯肉のマッサージが第一の目的で、プラークの除去効果は低い。
・歯頸部に歯ブラシのわき腹を当て、振動を与える操作が難しい。
・舌側や最後臼歯への操作が困難。
・他のブラッシング方法との併用が必要。
② チャーターズ法
(適応)
歯列不正、歯間空隙が大きい、歯肉退縮がある
(特徴と留意点)
・歯ブラシの毛が歯間空隙に入りやすい。
・歯ブラシのわき腹の当て方が難しい。
・歯間乳頭部の歯肉マッサージに有効である。
(感想)
TBIを行う際、患者さんの口腔内の状態に合わせた方法を選んで伝えられるように、主要なブラッ
シング方法をまとめてみました。画一的な指導にならないよう、適応や特徴を頭に入れて、効果的
なTBIを行えるようにしたいと思います。
衛生士 星島