スタッフレポート

「Dr.Hiroの超明解ペリオドントロジー~プロービングを極める~」山本浩正先生著を読んで

プロービングとは、プローブを歯肉溝の中に入れその深さを測ることである。

 

歯肉溝の深さ=プロービング値

歯肉頂からプローブの先までの距離

 

歯肉溝が深いと、

・細菌の住みかがたくさんある

・歯周病菌の好きな環境

・プラークコントロールが困難

        ↓

歯周病のリスクが大きい

 

真の歯周病とは、菌を支えている骨が吸収し、それに伴って結合組織性付着が根尖側に下がっていくことである。

 

〈病的な歯肉溝「ポケット」〉

  ・歯肉の発赤、腫脹が見られる

  ・プロービングで出血や排膿が認められる

  ・エックス線写真診査で骨吸収が認められる

  ・歯石やプラークの沈着が見られる

  ・歯周病菌が検出できる

  ・歯肉溝滲出液の量が多い

  ・歯肉溝滲出液中に破壊に伴う物質が検出できる

 

一つの指標だけで判断するのではなく、いくつかの指標とそれまでの治療の経緯などを加味して判断していくことが大切になる。

 

〈健康的な歯肉溝「サルカス」〉

  ◇シャローサルカス

    ・プロービング値3mm以内

    ・生物学的幅径が確立されている

    ・炎症の兆候が見られない

    ・垂直性の骨欠損が認められない

      “歯肉溝の健康優良児”

 

 

  ◇ディープサルカス

    ・プロービング値3mm以上

    ・長い上皮性付着

    ・垂直性骨欠損を認める

    ・プローブング時の出血は認められない

    ・歯肉退縮のリスクが大きい

      “歯肉溝の努力家”

    SRPや歯周外科手術後によく見られる

 

 歯周治療とは、歯肉溝をポケットからサルカスに変える治療といえる。

 

 骨吸収のない仮性ポケット→シャローサルカス・セラピー

 骨吸収のある真性ポケット→ディープサルカス・セラピー

 

 どちらのサルカスで治るかは、元の組織の状態と行う治療内容によって決まる。

 

 

 

〈感想〉

 プロービングとは単純な動作ですが、その結果は今後の歯周治療を進める基準となります。今回レポートした内容はプロービングを行う上での基本的な知識についてでしたが、理解していなかった部分が多く、プロービングの奥深さを感じました。今後はこの基本を土台にさらに内容を掘り下げ、プロービング技術と判断力の向上に努めたいと思います。 衛生士 関口

 

  2011/12/25   ふくだ歯科