スタッフレポート

岡崎好秀先生が講演された「世界一知りたい小児歯科&保健指導論」に参加し、その内容を勉強会で発表して

☆どのように話しますか☆

  ・あなた(You)メッセージ=自分がしたことを伝える→上下関係が存在する

      ex. Dr.orDH「歯磨き頑張ってください」→Kr.「やることはやってみます」

  ・わたし(I)メッセージ=自分が思ったことを伝える

    ex. Dr.orDH「あなたの歯が綺麗になるのを楽しみにしていますよ」

   キーワード「私も嬉しいです」

      →Kr.「よし、がんばるぞ」(このDHはここまで自分のことを思ってくれているんだ)

      →Kr.が、もう他の医院には行けないと感じるようになる

  ○その他に

    Cの処置も終わり、一通り治療が終了したKr.にリコールに来て欲しい時に…

    ex.「初診で来られた時、心配していたんですよ。この状態からどこまで行けるかなと思っ      て…。それでこの時、こうなってくれればいいなと思っていたことがあったんですが、      今、まさにその状態にまで持ってきているんです。それでその状態を保っていくために      …」とリコールに繋げることができる。

    次回の予定について話す時に…

    ex.「次回は__に来ていただけるとありがたいんですが…」という言い方に出来る

☆どうしたら腹が立たないだろう☆―泣いてしまう小児患者に―

  ・診療後、泣き顔で帰してしまうなら、『心に借金』をしてしまっている。

  ・診療後、笑顔で帰せるなら、『心に貯金』をしている→いつまでも来てくれる患者になる。

 泣かれてしまうと小児患者だけでなくその親まで悪者にしてしまうようになる

 「親が子供の虫歯を作ったんだ」←→患者さんを味方にする…悪者はCやその背景だと考える

 子供が泣く理由には3つある。

   1.痛くて→痛みのない治療をする

   2.怖くて→優しくしてあげる

   3.甘えで…ここで泣けばこの先生は止めてくれるという確信犯

     →幼稚園に入って3ヶ月くらい経つと、泣くのは恥ずかしいと感じだし、なくなってくる。

☆小児患者に何をしてあげられるだろうか☆

  Ⅰ、診療が終わったら拍手をする

    →達成感が出る

  Ⅱ、その後、その子と握手をする

    →Kr.の嫌な想いを払拭する。親も「子供は泣いてしまったが治療を一生懸命にやってくれ      たんだ」と納得してもらえる。また自分も笑顔になる。

  Ⅲ、診療室から出る時に「バイバイ」と手を振る

  その他:●診療室から出るまでにKr.本人に何かしゃべらせる

      ●「有り難うございます」とkr.本人から言わせる

        →自分のためにしてくれたんだと自覚させるねらい

  ★お母さんに抱きついて離れない子に…

   →Dr.用チェアにお母さんを座らせて、子供の歯磨きをしてもらう

    …「今日、中に入ったらまずお母さんに歯磨きしてもらうからね」

      →歯磨き後、「お口の中が綺麗になったか見せてネ」

    泣くのを遅らせるねらい

   ★小児は「はぁ、はぁ、はぁ、わー(泣)」と、すぐには泣けずに4呼吸で泣き出す。

   →そこで、2呼吸目(はぁ、はぁ)ぐらいでチェアをポンっと起こしてやる。

   →すると、「ふーっ」と収まる。…これを繰り返してやる事が出来る。

  ★嫌な道具(抜歯、麻酔系)は紙で隠す(その上に歯ブラシなどを置くと良い)

  ★小児が治療中に目を閉じると、ただのエアでも怖くなり泣き出すので、麻酔と抜歯の時以外は   小さな手鏡で見せながら行う。→力が抜ける。

  ★キーワード「さすが~」

☆この服装にご用心!!☆

  泣きの服装三点セット

   ①、つなぎ→寝にくく、胸を圧迫するので浅い呼吸になる

   ②タートルネック→体が暖かくなり、そして暑くなる=心拍数が増加する

   ③もこもこのジャンパー→同上

  泣く時の呼吸は『浅く、イレギュラーで早い』が、上の服装はその泣く行為を助長してしまっている。

  →呼吸調整のため、上着などは脱がせて座らせる。(待合室などで脱がせても良い)

   親御さんに「次回来られる時は動きやすく楽な服装をしてきて下さい」と言える。

☆言葉の言い回し・言葉かけ☆

  生えたての歯→例え:「流したてのコンクリ・生え始めのタケノコ」

  歯→例え:「その人の履歴書」

  プラーク→言い換え:「虫歯菌のウンチ」

  抜歯→言い換え:「歯をつまむ」

☆言葉かけ☆

  開いた質問→初診時(不安な時) 、定期検診時(季節の話題など)

  閉じた質問→診療中(YesNo

  ★DHが子供の代わりに話しをする→子供の代弁をする。

    Ex. Dr.「これから虫さんを退治するよ」

         DH「お願いしま~す。早くしてネ。」

    ★治療の為、麻酔したのに、小児が寝転んでくれない!!どうしよう…。

    ダブルバインド法

     Ex. Dr.「2本治す?それとも1本にする?」

               Kr.「1本…。」

     →小児に、治すか治さないかと考えさせるのではなく、治すことを前提にして言葉を置き      換える。

☆数の数え方☆

  ★いち、にい、ではなくひとーつ、ふたーつ、あるいはひとーつめ、ふたーつめ、数えて、数を稼ぎ、さらにDr.DH二人がかりで復唱していくことで長くする。

  ★我慢できる目標を持たせる

   →×もう少しだよ

    ○五つ数えたら終わりだよ

☆例え☆

  ★柔らかい食べ物は何故歯を悪くするか?

   →「ナイフでリンゴを切ると何も残らないけど、ケーキを切るとべっちゃり付くね。」

    =歯も同じなんだよ。

  ★歯と歯茎の境目

   →コップを机の上に置き、「コップと机の境目」として説明する。

    ★叢生

   →いくつかのコップを机の上にガタガタに置き、説明する。

    「磨きにくく、汚れた部分が増えるよね。」

考察・感想

 この内容は、私が以前に行ったことのあるセミナーで聞いてきたものですが、とても参考になったので、改めてまとめ直してみました。最近は子供さんの患者も増え、フッ素塗布やメインテナンスなどにも付かせて頂くことも多いのですが、苦手意識もあり、特に泣かれてしまったりすると慌ててしまってうまく対応出来ないなぁと感じていました。ですが、これを参考にして身に付けていくことで落ち着いて、また自信を持って接していくことが出来るのではないかと思います。また、子供さんにとって歯医者とは不安で嫌な所だと思いますので、少しでも不安を軽減し、安心してもらえるような診療環境に出来たらなと思います。その為にまず子供さんの目線で、診療内容や対応する時の態度について考え、言葉かけや行動の面で巧みさを示していきたいなと思いました。 衛生士 河本

  2011/11/28   ふくだ歯科