<歯肉炎>
歯肉が腫れ、ブラッシング時などに出血しやすい状態
<歯周炎>
さらに歯肉が腫れ、退縮し、骨吸収を起こした状態
→プラーク中の細菌が歯肉に炎症を起こし歯槽骨を溶かす
歯周病の初期はほとんど自覚症状がなく、自覚するころには重度になっていることがあるので注意。
歯周病菌は一度定着すると0にすることはできないので、早期に発見し、予防することが大事。
他人の唾液から感染することが多いため、直箸や回し飲みなどには気を付ける。
歯周病菌は、18歳から住み着きやすくなり、30代以降から増える。
●コロナ禍で歯周病のリスク
・受診を控える
・マスクでの口呼吸
→マスクをすると息苦しいため、空気を多く吸える口呼吸になりやすい
口呼吸により口腔内が乾燥すると、唾液による抗菌作用などが減り、菌が増殖しやすい環境になる。
これが歯周病や口臭へとつながる。さらに、プラークが固くなり、取れにくくなることもある。
●口呼吸をしないための対策として
①口を閉じる意識づけをする
②トレーニングや体操をして、口腔周囲の筋肉の力を鍛える
③人と距離を取れる時はマスクを外す
などがあげられる。
●インフルエンザの感染リスクについて
歯科衛生士によるクリーニングをした対照群の罹患率…約1%
セルフケアや介護士によるクリーニングをしたグループの罹患率…9.8%
専門的な口腔ケアをすることでインフルエンザの感染リスクを減らすことができる可能性がある。
●歯周病によりコロナでの死亡率があがる?
歯周病の人が新型コロナウイルスに感染した場合、歯周病ではない人と比べ
死亡率…8.81倍
人工呼吸器を使用…4.57倍
集中治療室に入院…3.54倍
合併症発症…3.67倍
→歯周病菌がコロナの重症化と関係しているのか、歯周病の人に基礎疾患が多いことが影響している
のか明らかになっていないが、歯周病の人はコロナの重症化リスクが高い。
歯周病菌は全身の健康に関係しており、周術期のケアで入院日数が短縮されることもある。
●歯周病のセルフチェック項目の例
・物がつまりやすい
・浮いた感じがする
・歯並びが変わった
・歯が揺れている
●歯周病に効果的な磨き方
・歯間部に毛先を入れ、磨くのではなく揺らす
・斜め45度で当てる
・個人の口腔内に合った指導をDHから受ける
<感想>
私自身、マスクをしている時、無意識に口呼吸になっているときがあるので、口内を健康に保つために
も鼻呼吸を意識したいです。歯周病により歯肉が退縮した患者さんは、それを見て「歯が長くなった」
と感じることもあるそうで、患者さんによりさまざまな表現の仕方があるのだと感じました。
患者さんにコロナウイルスと口腔の関係などを質問された際に、間違った回答をしないよう勉強して
いきたいです。
衛生士 國只