20世紀の末から歯周組織の慢性炎症や歯周病菌が全身に悪い影響を及ぼすという臨床研究が数多く報告
され、歯周病と全身疾患は互いに影響しあうメカニズムが存在しているという考えが定着しました。
歯周病が誤嚥性肺炎や低体重児・早産、骨粗鬆症、がん、慢性関節リウマチなどのリスクファクターに
なることが、これまでに報告されており、それにより肥満や高脂血症、メタボリックシンドロームに
繋がっていき、アルツハイマー病、脳血管疾患、心血管疾患、糖尿病、バージャー病、慢性腎疾患など
の全身疾患を発症させる恐れがあります。
*歯周組織を守る歯科衛生士は患者さんの全身の健康を守る
動脈硬化部病変を外科手術によって取り除いた症例の多数の組織片から歯周病菌が検出され、歯周病菌
が全身の血流に移行すること(菌血症)と心血管疾患(動脈硬化・虚血性心疾患)の関連が認識され
ました。また、歯周炎の病巣由来の炎症性物質(炎症性サイトカイン)が血流に乗って全身を巡り、
糖尿病などを悪化させていくことも報告されました。 また、歯周病治療によって糖尿病が改善した報告
もいくつかあります。 歯周基本治療は患者さんの全身の健康にも役に立つことがはっきりしてきま
した。歯周組織を守る歯科衛生士は患者さんの全身の健康も守っているわけです。
*歯周ポケットの出血を止めて全身疾患を防ぐ
細菌の塊が傷口に押し付けられることによって、歯周組織の炎症は一段と激しくなります。 サイトカイ
ンの嵐と呼ばれる激しい免疫応答がますます活性化され、歯周組織で産生されたサイトカインは血流に
乗って全身に運ばれ、さまざまな臓器、組織で炎症を起こすようになります。さらに、バイオフィルム
細菌は潰瘍面の毛細血管を通じて全身に運ばれます。 細菌が血液中に侵入した状態を菌血症といい
ます。 歯周病菌による菌血症は、スケーリング、抜歯はもちろん、毎日のブラッシングや食事によって
も起こります。これが、歯周病によって引き起こされる全身疾患の原因です。 歯周基本治療によって
ポケット内潰瘍面を閉鎖することは、患者さんの全身の健康を守ることです。
感想
歯周病は様々な全身疾患と関係していることがわかりました。 歯周病がリスクファクターとなること
から患者さんの将来や今後のことを考えたうえで指導やTBIをしていく必要があると思いました。 また
歯周病で歯肉が炎症して出血しているときは、細菌の塊が歯周病を悪化させたり、細菌が毛細血管に
乗って全身に運ばれ菌血症となり全身疾患にもつながっていくので、歯磨きやスケーリングをして細菌
や毒素を出してあげることや患者さんにセルフケアの大切さを伝えることが大切だとわかりました。
歯科衛生士として患者さんの口腔内だけでなく全身の健康を守っていくために全腎疾患について知って
おく必要があるなと思いました。 今後TBIを行っていくときに今回学んだことを生かしていきたいと
思いました。
衛生士 岡崎