有病高齢者の安心安全な歯科医療を実現するためのリスクマネジメント
不整脈(心房細動)
① 頻脈性不整脈(速すぎるもの)
例:心房細動、発作性上室性頻拍、心房粗動、心室頻拍、心室細動、洞性頻脈、心房性・
心室性期外収縮など
② 徐脈性不整脈(遅すぎるもの)
洞機能不全症候群、房室ブロック、徐脈性心房細動など
高齢者の歯科治療では、不整脈が発生しやすいですが、その重症度はピンキリです
無視して良いもの(ほとんど)〜
心臓突然死となるもの(極めてまれ)
心房細動・・高齢者の代表的な不整脈、臨床的にも重要
不整脈患者のリスクマネジメント
(頻脈性)不整脈患者の局所麻酔薬は何を選択するべきなのか?
歯科用局所麻酔薬
アドレナリンはフェリプレシンよりも心拍数が上昇します
→頻脈性不整脈が発生しやすいことを示しています
アドレナリンにより不整脈は出現しやすくなるといえます
(歯科治療におけるエビデンスはありません)
アドレナリンには頻脈性不整脈(発作性心房細動など)のリスクがあります
不整脈に対する基本的なリスクマネジメント
・歯科治療に伴う疼痛、不安、緊張などを最小限にする
・頻脈性不整脈の既往のある患者では、アドレナリン含有局所麻酔薬は避けたほうがよい
しかし、十分な鎮痛効果を得る必要があるため、治療内容を考慮して選択する
・できれば心電図、少なくともパルオキシメトリ(波形が確認できるもの)、血圧測定可能なモニター
装置を使用してモニタリングする
・致死的な不整脈(心室細動)に対して短時間でAEDを用意できる環境を整える
・BLS(救命救急)のライセンスを取得する
歯科治療中に不整脈が発生したら
・重篤な不整脈を見極める必要があるが、難易度が高い(心電図が必要)
・極端な頻脈(>120拍/分)や徐脈(<40拍/分)、脈の不整に伴い血圧低下、めまい、
気分不良、呼吸困難感、意識消失などの症状が現れた場合は、重篤な不整脈の可能性を考える
・酸素投与とともに119番通報する
・もし心停止が認められたらAEDを手配し、救急隊到着まで一次救命救急(BLS)を行う
<感染予防>
スタンダード・プリコーション
すべての患者は未同定であり、感染の可能性のあるものとして取り扱い、針刺し事故の防止や血液暴露
に対する対策を講じようとする考え方であり、すべての患者の体液、排泄物、血液、病理組織、胎盤、
抜去歯は感染の可能性のあるものとして取り扱う
グローブをした手で書類その他を触らないようにしましょう!
グローブをポケットに入れないようにしましょう!
グローブに口で空気を入れないようにしましょう!
他の人に使わないようにしましょう!
<感想>
患者さんの小さな変化に気付き、対応できるように治療中の患者さんの表情などをしっかりと観察し
ながら診療に取り組みたいと思いました。 清潔・不潔をきちんと区別し、院内感染が起こらないように
器具も定期的にチェックして綺麗に保ちたいです。
衛生士 松本