スタッフレポート

「マイナス1歳から始めるむし歯予防」仲井雪絵先生の講演会に参加して

* キシリトールとは?

・ 自然界に存在する天然素材甘味料

・ 唯一の5炭糖アルコール(構造的に乳酸に分解されにくい)

・ 砂糖と同程度の甘味

・ 砂糖の75%のカロリー

・ 人間の体内でも作られる(肝臓で生成)

・ インシュリンの誘発性はなし(つまり、血糖値に影響なし)

* キシリトールを食べたら?

     不溶性グルカン(EPS)を作らない

  →習慣的なキシリトール摂取によって、MS菌がエナメル質に付着しにくくなる

  →MS菌の定着を阻害する

・ キシリトールは、MS菌にのみ減少させる。

  他の口腔常在菌の構成に影響なし。

・ MS菌数減少には、5~10g必要。(4粒5.2g~8粒10.4g)

    仲井先生の推察 少量→不溶性グルカンの産生を抑制

            多量→不溶性グルカンの産生を抑制+菌の成長を抑制=菌数が減少

* むし歯菌の母子感染対策のゴール

    ① 予防→うつらない事に、こしたことはない

    ② 遅延→感染時期が遅いほど、後のう蝕発症は軽度

     キシリトールガムを母親が噛むとMS菌感染の時期を8.8ヶ月遅らせることができる

        2歳までは感染させない→その後のう蝕発症のコントロールがしやすい

* 妊娠中に摂取しても安全なキシリトール 2つの国際機関(FAO、WHO)の食品添加物専門家共同委

     員(JECFA)によると、「1日の許容摂取量について、キシリトールに関しては“特定せず”と定義」

     →キシリトールの消費に特別な制限は不要

* 母親の口の中について

    検査結果…キシリトールガムを噛んだ母親の2人に1人がう蝕ローリスク

         噛むのをやめてもキシリトールの効果はキャリーオーバーする

    「プライマリー・プライマリー・プリベンション」

  妊娠中から母親に働きかけると、子が健口になる!!!

〈感想・まとめ〉

 スタッフレベルアップ講習会に参加し、仲井雪絵先生の「マイナス1歳から始めるむし歯予防」講演

 を聞きました。 医院の待合室にも仲井先生の著書が置いてあり、興味を持たれる患者さんも多いと

 思います。そういった患者さんにも、知らなかった患者さんにも、適切なお話ができるようスタッフ

 全員で内容を理解しておく必要があると思いました。

                            歯科衛生士 関口

  2016/11/07   ふくだ歯科