スタッフレポート

岡山大学歯学部学術セミナー2016に参加して

チームで取り組む最新歯周病治療

~これからの歯科医療に求められる歯科医師・歯科衛生士像とは~             高柴正吾先生

医療の目的・意義

 健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にもそして

 社会的にも、すべてが満たされた状態にあること

  →私達は死亡率100%なので、死ぬまでの間にいかに、その人らしい生活を楽しむかということ

  外来治療:①日常生活の維持 ②『健康生活』のゴール設定

  入院治療:①早く退院して日常生活に戻る ②『健康生活』のゴール設定

  QOLを維持・向上し、生きていることが幸せ!と感じること…これを目指す

医療の中での歯科の目的・意義

  口の機能管理

 ①噛むことによって食事を摂って栄養を得ること

 ②口腔内はバイ菌が多いので、口の感染と炎症から口の機能を守りつつ、それらが全身に影響を

  与えないようにすること

 歯周病治療:①感染源の除去 ②再感染の防止・予防

生涯続く細菌との共生

  人間の体…入口と出口は細菌が多い、死ぬ間際には増える

歯周病の発症と治療概念の流れ

         ①感染          ②炎症      ③組織破壊        ④機能喪失

 対策       感染源除去  消炎          形態改善            リハビリ

 現在の 歯周治療    歯垢除去     化学療法   歯周外科治療     口腔機能回復治療 (補綴:被覆・連結)

                       スケーリング(歯周基本治療)

 最近の治療            化学療法                       歯周再生療法    インプラント

 費用          小                  大

 日常での努力      大                  小

歯周病から全身疾患:歯周病内科

 心臓血管系疾患、早産・低体重児出産、呼吸器系疾患、糖尿病、末期腎疾患…

口腔が「汚い」とは?

  部屋の「汚い」は?→整理整頓することで清潔へ

 口腔も整理整頓し、衛生管理が可能な環境へ変える…年齢の能力に対応すること

個人の長寿化:人生90年

 でも、健康寿命との差は10数年

 人口の高齢化:30%を超える高齢者

歯科医療の果たす役割

  “歯の延命を図る”

  “全身の健康に寄与する”

  “社会・文化への発展へ貢献する”

口腔科としての歯周疾患の捉え方

 口腔内の感染症  神経機能の統合性の失調      発生系の異常

 歯周病 齲蝕   歯牙欠損 歯・顎・顔面痛 顎関節症   奇形 腫瘍

   リハビリテーション 再建・再生

【感想・考察】

   今回の内容から、身体の健康とお口の健康とは密接に結び付いていることが分かり、歯科が果たす

   役割の重要性を改めて認識できたように感じます。長寿化ということを考えた時に、自分自身も

   含め、患者さん一人一人の日常での努力が大きければ大きいほど、今後の口腔状態や生活様式も

   変わってくるはずです。そうであるならば、患者さんに合わせ、できることできないことを見極め

   つつも、諦めることなく、より一層口腔への意識を高め、歯を守ることの大切さを伝えていけたら

   いいなと思いました。

                                                                                                                        衛生士 河本

  2016/10/17   ふくだ歯科