スタッフレポート

「わかりやすいドライマウスのおはなし」講習会に参加して

ドライマウス=口腔乾燥症

  唾液の分泌量の減少や質の変化により口腔内が乾燥する状態

◇分類◇

  ①唾液腺自体の機能障害によるもの

   ・シェーグレン症候群  1999年改訂の本邦の判断基準を満たすもの

            ・自己免疫疾患

            ・涙腺の涙分泌、唾液腺の唾液分泌を障害

            ・40~60歳の中年女性に好発

               ・男女比は1対14

   ・放射線性口腔乾燥症 放射線治療あるいは被爆の既往がある

   ・加齢性口腔乾燥症 年齢が80歳以上

   ・移植片対宿主病(GVHD)  血液幹細胞あるいは臓器移植後のGVHDと診断されたもの

      ・サルコイドーシス  サルコイドーシスと診断されたもの

      ・後天性免疫不全症候群(AIDS)  AIDSと診断されたもの

      ・悪性リンパ腫  悪性リンパ腫と診断されたもの

      ・特発性口腔乾燥症  上記のいずれにも該当せず、原因が特定できなかったもの

     ②神経性あるいは薬物性のもの

   ・神経性口腔乾燥症

    恐怖、興奮、ストレス、抑うつなどの精神状態、脳炎、脳腫瘍、脳外傷などの中枢性病変、顔面

   神経上唾液核や顔面神経分泌枝の障害などの唾液分泌の神経系の障害などがある

  ・薬物性口腔乾燥症

   向精神薬、抗不安薬、抗うつ薬、抗コリン鎮痙薬、制吐薬、抗ヒスタミン薬、降圧薬、利尿薬

   などを服用している

  ③全身謝性あるいは蒸発性のもの

     ・全身謝性口腔乾燥症

        熱性疾患、発汗過多、脱水症、下痢、尿崩症、糖尿病、甲状腺機能亢進症、心不全、腎機能

          不全、貧血、過度のアルコール飲用、過度の喫煙など

      ・蒸発性口腔乾燥症

        口呼吸(副鼻腔炎や習慣性など)、過呼吸、開口、摂食嚥下障害などを有し、口腔の環境変化に

          よる水分蒸発といった局所的代謝異常がある 自覚的ならびに他覚的口腔乾燥症状がある 唾液分泌

          量の減少あるいは唾液腺機能低下がない

 ◇唾液量検査◇

    ①安静時唾液検査

      咀嚼せず安静な状態で、自然に流出する唾液を採取  15分間行い、1.5ml以下を分泌低下の目安と

        する

    ②ガムテスト

      無味のガムを10分間噛み、分泌された唾液を集め測定する  集めた唾液量が10ml以下であると

         唾液分泌の低下と判定

    ③サクソンテスト

      乾燥したガーゼを2分間噛み、ガーゼに吸収される唾液の重量を測定  ガーゼの重量増加が2g

        以下の場合、唾液分泌の低下と判定

 ◇治療法◇

    ①原因疾患の治療

    ②水分の補給

    ③蒸発の防止…加湿器やマスクの使用

    ④薬物療法

    ⑤粘膜の保湿

    ⑥オーラルリハビリテーション

    ⑦生活改善の誘導

〈感想・まとめ〉

  岡山大学歯学部同窓会卒後研修会に参加し、ドライマウスセミナーを受けました。歯科衛生士を対象

 としたセミナーとのことで、内容も分かりやすく、今までよりもさらに深い知識を学ぶことができたと

  思います。

  最近ではテレビでドライマウスについて特集されることが多く、一般の方でも耳にする機会が増えて

  います。私たち医療従事者も一度のセミナーで満足することなく、定期的に知識を学び、常に新しい

  情報を提供するよう努力が必要だと感じました。

                                                                                                                              衛生士  関口

  2015/07/15   ふくだ歯科