スタッフレポート

「歯周病は薬で治る?」について、勉強会で発表して

歯周病には薬は意味はないのでしょうか?そうではありません。

できあがった細菌バイオフィルムには効き目が悪くても、いったん細菌バイオフィルムを除去した根面に

抗生剤を振りかければ、最近バイオフィルムの再形成を遅らせることが出来ます。

 

<ポケット内の細菌に抗菌剤を届かせる方法>

  • 局所投与・・・ポケットの外から抗菌薬を入れる。

「洗浄」:ポピドンヨード(イソジン)、クロルヘキシジン(ConCool)など

  クロルヘキシジンは口腔内に長時間とどまるため、洗口液としては最も優秀な抗菌剤だが、

タンパク質で不活化する性質があるため、タンパク質が多いポケット内では洗浄液には

ポピドンヨードが推奨される。

「LDDS(Local Drug Delively System)」:ペリオクリン、ぺリオフィール、ヒノポロンなど

  経口投与と比較して、少量で済み、副作用や腸内細菌への影響などがない点が利点といえる。

  • 全身投与・・・内服した抗生剤を歯肉溝浸出液と一緒に染み出させる。

 「ペニシリン系、セフェム系」:ポケット内濃度は血中より下がる。

 「テトラサイクリン系」:血中濃度の数倍まで上昇する。

 

<当院にある局所投与抗生剤>

ペリオフィール/ペリオクリン

主成分 ミノサイクリン塩酸塩

  抗菌スペクトルは他のテトラサイクリン系抗生物質よりも広い。抗菌性は静菌的である。生体内半減期が

長いため、血漿中濃度は他のテトラサイクリン系抗生物質よりも2-4倍高く保たれる。

ヒノポロン口腔用軟膏

 主成分 ヒノキチオール

  殺菌力や抗菌力があり、養毛剤や基礎化粧品にも使われる。

歯周病の予防、治療に用いられる。ヒノキチオールの殺菌力の特徴は、幅広い微生物に対して殺菌力を

発揮するということと、わずかな濃度で微生物の発生を阻止する効果がある。

ちなみに生葉(小林製薬薬用歯磨き)にも入っている。

コンクールF 

主成分 グルコン酸クロルヘキシジン

  薬用洗口液などに添加され、歯肉炎などの歯周病を軽減・予防する効果があるとされる。

 

<感想>

日頃何気なく使用している抗生剤についてもう一度自分で調べなおすことで大変勉強になった。たくさんの種類の抗生剤が現在存在し、また新しい抗生剤が開発されているため、その都度勉強し、患者さんの症状にあった抗生剤を選択することで、治療に役立てたいと思う。 

                                                      歯科医師  太田

  2014/06/29   ふくだ歯科
タグ:歯周病