スタッフレポート

「専門的コミュニケーションのワザを磨こう」について、勉強会で発表して

★話す内容を整理し、時間間隔を身につけよう

◇「話さなければならない」から「何を知りたいか」へ

→「話さなければならない」という状況になると、コミュニケーションを行う上で様々な問題が生じてしまう

・話さなければならないと感じると、伝わらない

(…何かを思い出そうとすると、つい患者さんから目線を外して           ・    いませんか?)                                

・自分の話したいことを話してしまうと、患者さんの聞きたいこととのギャップが生じる

(…まず患者さんの知りたいことをよく傾聴しておくことが重要)

 

※傾聴が大事!!

ex.) 治るのか治らないのか?…最も大事なことです

        どのくらい(の日数)で治るのか?

…患者さんは仕事の都合をつけて診療に来られている  ので、目安を伝える

治療の際に苦痛は伴うのか?

…麻酔や抜歯など、治療にあたっては、歯の痛み以上に 苦痛を伴うのかどうか

etc.

 

◇理解しやすい表現を用いる

→私たちが耳で聞いた言葉は、私たちの経験や記憶に照らし合わせて漢字に翻訳され、イメージとして理解される。

時には、痛みの記憶や感情も浮かび上がってくる。

ところが!

同じ事柄の経験であっても、記憶や感情はそれぞれ人によって違う

だからこそ、誰でも理解できる、簡単で分かりやすい話し方を        ・    する必要がある!

 

・耳で聞いた言葉は翻訳され、イメージになって初めて理解される

キョウハマスイヲシマシタノデ、イチジカンクライクチビルガシビレイマス。カマナイヨウキヲツケテクダサイ。

漢字に翻訳

今日は麻酔をしましたので、一時間くらい唇がしびれています

噛まないよう気をつけて下さい。

映像に翻訳

痛いっ!

ex.) 「しびれる」という表現だけでも            ・          ディスクレパンシーがある

 

例えば…話をする順番だけでも受け取り方はこんなに違う!!

①インプラントという治療法があります。

でも、保険はききませんので高くなります。

②保険はききませんので高くなりますが、

インプラントという治療法があります。

 

ネガティブな雰囲気

①仕事はすごく楽しいです。でも残業があります。

ポジティブな雰囲気

②残業があります。でも仕事はすごく楽しいです。

 

◇理解度を向上させるテクニック10カ条

一、短い文章で話す

人は、長い文章を理解するには時間が必要です。学生時代に、thatwhatが入っている英語の構文で、どんなに苦労したか思い出してみてください。This is a pen.のように、なるべく短い文章の方がわかり  やすいですね。

二、話すから書く、そしてビジュアルに

耳で聞いたことは脳細胞で記憶をたどって映像に翻訳して初めて理解 できます。話すだけではなくて、大事なことは紙に書いて渡したり、 イラストや写真にしてみたらいかがでしょうか?

三、曖昧な表現を避ける

そのうち・しばらく→5日くらいで    数回で→3回で  

安い・高い→5000円など

四、優先順位をつけよう

患者さんにもっとも知ってほしいことは何なのか?重要事項を書き出して、優先順位をつけてみましょう。

五、大項目から小項目へ/一般論から各論へ

いきなり細かい話を進めてもうまくいきません。まずは、総論的な話  から始めて、徐々に具体的な話、最後にその患者さんの個人の話に  つなげていきます。

六、時間的な流れに沿う

もし、物語のページの順番がむちゃくちゃだったら、内容を理解できるでしょうか?治療も、時間の流れに沿って話しを進めると理解しやすくなります。

七、大事なことは始めと終わりに

人の記憶は、始めと終わりに集中します。どんなに重要なことでも、 途中の話は意外に忘れてしまいます。一番大事なことは、始めか最後の方でまとめると、記憶に残りやすくなります。

八、確認する

話したままで終わらないで、何が伝わったのか、どんなところがうまく伝わらなかったのかを確認します。

九、大事なことは、最後に繰り返す

もし、伝わっていない部分があったら、もう一度繰り返して     ・     説明をしましょう。

十、フォローアップ

患者さんは、その場で話すきっかけがなかっただけかもしれませんし、急に聞きたいことを思い出すかもしれません。最後に「他に、お聞きになりたいことはございませんか?」「わからないことがありましたら、いつでもお聞きください」というフォローアップの言葉を忘れずに言いましょう。

 

【感想】

例えば、一言に“歯磨きの仕方”といってもその内容は様々です。歯ブラシの種類ひとつをとっても、毛先の形・かたさ・大きさなど、お伝えしたいことはたくさん!!それに加えて動かし方やブラシの当てる角度、さらには歯磨き粉の量まで…っと挙げてみれば、キリがないほどです。

いろんなことを「伝えなければ!」と思うほど、患者さんの“理解度”を 置き去りにしたつめこみ方の説明になってしまいがちでした。

上手にコミュニケーションをとることで“私たちがお伝えしたいと”と  “患者さんが知りたいこと”の両方をバランスよく、また正しく理解して    頂けるように伝えていけたらと思います。

 

 

                           衛生士 西内 

  2013/10/27   ふくだ歯科
タグ:話し方